『小夜風』(刀剣乱舞 山姥切)-1- 

2015, 06. 24 (Wed) 07:47

 おはようございます。
 朝から一時間掛けて再修正したあんぽんたん・・・。

 それでは、オンラインゲーム『刀剣乱舞』の二次作品、『小夜風』をお届けします。

web公開用表紙

 少し説明しますと、主人公は山姥切国広という一見ネズミ小僧のようななりをした(キャラクターデザインの方ごめんなさい・・・)、コンプレックスの塊の憑喪神です。
 天正十八年。
 北条家に仕える長尾顕長が足利学校へ立ち寄った刀工・国広へある依頼をしました。
 それは、主君から拝領した『長義作・「山姥切」』の『写し』を作刀して欲しいと。
 そして生まれたのが、『山姥切国広』です。
 ちなみにこの後、有名な小田原開城にて国広とともに籠城していた長尾顕長は処罰を受け、領主の地位を追われます。
 さらに巡り巡って現在、『長義作山姥切』(こちらを「本科」と言います。徳川美術館所蔵)と『山姥切国広』(こちらは『写し』で個人蔵)という『山姥切』が存在するわけです。
 本科については近日公開とか。さすがは徳川美術館(笑)。
 
 そのあたりの説明をなるべく織り交ぜて、ゲームを知らない人にも解るように書きたい・・・と思っていますが、そのためにちょこちょこくどい文章になってしまいましたが・・・。
 どうぞお付き合い下さいませ。
 
 ところでもう一つだけ。
 私は一度ゲームを始めるとずっぽりはまって全てがストップしてしまう、マダオです。
 過去にそれを反省してゲーム断ちしていたのですが、先月仕事のオーダーが少なくて暇になり、ついうっかりログインしてしまったら最後、取り憑かれたようにレベル上げに励む日々。
 案の定ですよ・・・。
 しかし、正直そんな自分にイライラするばかりでちっとも楽しくなく、頭を抱えました。
 だって、刀剣たちって皆なんか心に傷を抱えたりひねくれたりしていて、めっちゃめんどくさい男ばっかじゃない?
 リアルでめんどくさい男と暮しているのに、なんでゲームで何十人ものめんどくさい男たちの世話をせねばならないのか!!
 まるでこれは「十二国記」で天が、「麒麟を何頭でも飼って良いですよ。なんなら牧場にして下さい」と王へ指令したようなものだと思いました。
 ・・・いやだ、めんどくさい麒麟であふれる、麒麟牧場・・・。
 それなのに、一番ひねくれて、劣等感丸出しの山姥切(歌仙と迷った末に選んだ初期刀)がだんだん可愛くなってきました。
 愛に飢えた瞳が、震える迷い犬のようでなんともラブリー。
 そのうち、「おれのまんばちゃん」などと口走るようになり、最後には「俺のまんばちゃんを任せられる男なんて、どこにもいない!!」などと取り乱す馬鹿へなりはてる始末。
 そんなある日、ちゃくちゃくとレベルを上げてとても良い仕事をしてくれる男が現われました。
 彼の名は、太郎太刀。
 「あ。こいつ、攻でも良いかも。最初は受だと思ったけど」
 恋に落ちた瞬間でした(←かなりいい加減)。



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  今回は、『silentlove-地上の光-』です。
  クリスマスではない、12月の平日のお話のつもりで書きました。
  楽しんで頂けたら幸いです。

 最近気ぜわしく、なかなか更新できなくてすみません。
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  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
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『小夜風』-1-


 ぼんやりと、光が身体を満たしていく。

『さすがは、国広。すばらしい出来映え』
 勢い込んだ男の張りのある声に、意識がすうっと内側へ、形を伴っていった。

 最初に目に入ったのは、圧倒的な霊力。
 隣に横たわるそれは、静謐な空気をまとっている。
 「かの者」は全てが美しかった。
 なめらかな肌、艶やかな長い髪、優雅な手足は指先まで整い、閉じられた瞼を長い睫が縁取る。
 神、と呼ぶべき姿。
 並べられ、検分され、つきりと痛みを覚えた。

 いきなり自身を乱暴にわしづかみにされ、掲げられる。
『本科に負けず劣らず美しい。いや、それ以上だ』
 熱に浮かされたような讃辞を、しわがれた声が即座に否定する。
『いいえ、顕長さま。写しは所詮、偽のもの』
『・・・国広よ』
 咎める主君に、老いた男が淡々と答える。
『決して越えることはありません。・・・越えてはならないのです』
『そして・・・』
 落胆のため息が、全身を包み込み、冷え冷えとした闇へと引きずり込む。
『私がこれ以上の刀を作ることは出来ますまい』
 深い、深い、絶望の淵に立つ男の、慟哭とも言える言葉が続く。
『つまりは・・・』
 言葉が、いくつもの刃となって振り下ろされた。
『私自身もこの刀を越えることは出来ぬまま、老いさらばえていくのです』

【・・・己の技量を悟ったことだけは、褒めてやろう】

りん、とした声が耳を叩く。

 振り向くと、ただならぬ光と力が沸き上がっていた。
 ふいに、「本科」の瞳が開く。
 深い、深い蒼の瞳がぎらりと光り、嗤う。
【褒美に、しばし時をくれてやる。似ても似つかぬ無様な刀を生み出したことを恥じ続けるが良い】
 禍々しい色をした力が、老鍛冶の身体に流れ込んでいくのを、息を呑んで見つめ続けるしかなかった。
 人間たちは、宝刀の及ぼす力に気が付かず、何事か話を続けている。

「あなたは・・・。いえ、あなたさまはいったい・・・」
 初めて発した己の声は、ざらざらとした音の集まりで。
【我は、山姥切。それも解らぬのか】
 鋭い瞳に、切り裂かれる。
【我の姿を写し取るために、そなたは生まれた。・・・が、なんと不格好ななりよ】
 なんと無様な。
 あしざまに笑われ、顔を両手で隠した。
【そなたは、その醜い姿をさらし続けるのだ。とこしえに】
 それが、自分に下された罰。
【去ね。醜い、にせものよ】
 あなたは美しく、
 私は、醜い。
 それが、この世界の全てだと、知る。


 この世には二つの姿が存在する。
 一つは、魂を奪われるほどに美しく
 一つは、目を背けたくなるほど醜い。


 琴を、戯れにつま弾きながら少女は答える。
「あなたがどう思おうと、変える気はないわ。統率はあなた」
審神者と呼ばれる彼女の瞳は、くせもの揃いの憑喪神たちを束ねる、霊力と生に溢れていた。
「しかし・・・」
 己が『写し』として作刀された天正十八年(西暦1590年)から長い時が過ぎ、今は西暦2205年。
 眠りに沈んでいた刀剣たちは審神者に召還され、歴史を密かに塗り替えるために過去に潜入しようとする『歴史修正主義者』を追撃すべく送り込まれた。
 戦場はいずれも歴史に刻まれ、記憶に残る場所ばかり。
 それらを駆け巡り、名だたる刀剣たちと隊を組んで戦わねばならない。
 当然、戦の勝敗は戦隊の編成とそれを指揮する者の力量に大きく左右された。
「異議を唱えているのはあなただけよ。今まで誰も何も言ってこなかったわよ?」
「だが・・・」
 ぽろん、と、雫のように音が落ちる。
「じゃあ聞くけど、誰が最適だというの?」
「・・・お・・・」
「大倶利伽羅?今遠征にでてるでしょ?」
「いやそうでなくて・・・」
 言いあぐねると何かを察したのか、刀の巫女はくすりと笑った。
「・・・ああ。大太刀連中はだめよ。あれらは見栄えと馬力は良いが、起動が遅すぎる。振り下ろすまでどれだけ時間がかかると思うの。視野が広くて機敏でないと判断つかないし、みんなが困るでしょ」
「そんな・・・」
「そんなはずはないなんて言わないで。あなた、この部隊の何を見てるの?」
「・・・」
「不思議ね。敵のことは誰よりも目端が利くのに、味方の想いが解らないなんて」
「・・・俺は」
 ぴしゃりと、音で先を立たれる。
「ねえ、国広の山姥切」
 小さな指先は糸をかき乱し、押し寄せてくる漣の中から凛とした声があらわになる。
「私は、あなたがいいの」
「・・・」
「だから、この話は、おしまい」
 音が、通り抜けていく。


          -つづく-



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