『strawberry』-6- 

2015, 04. 15 (Wed) 23:29

 お待たせしました。
 ・・・やっと、終わりました。
 着地点は間違っていない・・・筈。
 しかし、重いテーマなので、今日は失敗クッキーの山を築きながら(はい。結局駄目でした・・・。責任持って食べますとも)、とうとうぶちこわす話を思いついてしましいました。
 結局、私は自分で作ったものを自分で壊す女なのか・・・。
 金曜日にでも破壊しよう・・・かな。ははは・・・。

 カテゴリをBLにしているにも関わらず、全くBL要素のない話です。
 六話までお付き合い頂き、有難うございました。
 本間の話は、本当はまだまだこれからですし、まだ出てきていない部分があります。
 ちょこちょこまた書かせて頂けると良いな・・・。
 まあ、池山の合間にでも。




   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『silentlove-地上の光-』です。
  クリスマスではない、12月の平日のお話のつもりで書きました。
  楽しんで頂けたら幸いです。

 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。

 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。
 アクセスして下さったり、拍手やバナークリックで励まして下さる皆さんに感謝しています。
 とくに、励ましの拍手をクリックして下さる方へ。
 本当にありがとうございます。
 頑張ります。
 もしもよろしければ、一言、くださいね。
 感想や要望など頂けると、本当に嬉しいです。
 お待ちしています。



    ↓ 『続き』ボタンは多分、この辺・・・かな。

  記事の一番下の『拍手』ボタンをクリックして頂くと小話をご覧になれます。
  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

 アクセスして下さったり、拍手やバナークリックで励まして下さる皆さんに感謝しています。
 もしもよろしければ感想や要望など頂けると、本当に嬉しいです。


ブログランキング・にほんブログ村へ


   拍手小話はこちら →

『strawberry』-6-


「・・・茶道のお稽古を一緒にされていたのですか?」
「わかりますか?」
「はい。流派が少し違いますが私も子どもの頃に少し囓ってますから」
「そうなのですか。実は姑も同門で習っていました。それが縁で本間家に入ったのですが、やはり身内になるとなかなかうまくいかないものですね」
「幸広さん・・・は、弟さんですね」
 年の離れた弟がいる、とは聞いたことがある。
 しかし、本間が家のことを話すのはまれだと、親しい女性達が教えてくれた。
「ええ、私に似ず線の細い子に育ちました。大変お恥ずかしい話ですが、夫が仕事のストレスでかなり荒れていた時期がありまして、隣の親戚宅に子供たちはよく避難していました。あの子に至ってはもうあちらにほとんど住んでいるような状況で」
 一人きりの正月。
 帰れない、がらんどうの家。
 渡せない、合い鍵。
「だから・・・」
 台所で慌ただしく食事の支度をする生真面目な姿を、目で追う。
「奈津美さんは、優しいのですね」
「・・・ありがとうございます。私も、そう思います」
 
 冷凍庫にしまっていた生麩と三つ葉ですまし汁の体裁を整えて、お節を分け合っているうちに急いでセットしたご飯も炊きあがり、ぽつりぽつりと雑談を交えて箸を進めると気が付いたらお重箱はほぼ空になっていた。
「ごちそうさまでした。とても美味しかったです」
「いえ、とんでもない・・・。お付き合い下さって、本当にありがとうございました」
二人が和やかに挨拶し合っている中、玉露とデザートの支度をした。
「お持たせで悪いけれど、せっかく頂いたから・・・」
「あら、いちご」
 ガラスの器に盛った宝玉に母は目をみはる。
「奈津美の、大好物ね」
 小さな子どもに送るような眼差しと声色に、身の置き所がなくなった。
「やめてよ、お母さん・・・」
 頬が、熱くなる。
「あなたは多分覚えていないでしょうけれど、私が本間家へ初めて伺った時に、苺を手土産にしたのよ」
「え・・・」
 両親が離婚したのは三歳の誕生日の直前だった。
 それから半年も経たないうちに再婚話が決まったと親戚たちに聞いている。
「まだ三歳だったのにね。聞き分けが良くて、とてもとても礼儀正しい女の子だった。大人たちに囲まれた中をずっと黙ってちんまりと座っていて、床の間に飾られたお人形さんみたいだったわ」
「・・・おかあさん」
「今と同じように、お義母さんがお持たせですけど、って、苺を出して下さったの。そしたらね。あなたがようやく喋ったのよ。「いちご・・・」って。注意しないと聞き取れないほどの小さな呟きだったけれど、それはとても可愛い声だった」
 目の前に置かれると大きな瞳をきらきらと輝かせて、デザートフォークに刺した苺をぱくりと頬張った。
「食べちゃいたいくらい可愛いって、このことを言うのかって、ときめいたわ」
 小さな唇を閉じて、ゆっくり咀嚼する頬は薔薇色に染まって、心から喜んでいると誰にでも解る。
 細い、頼りない指、ちいさな手の平、桜貝のような爪。
 器用にフォークを操って、ゆっくりゆっくり大事そうに食べる様子が可愛らしく、見守る大人たちの空気が一気に和らいだ。
「それで、思ったの。こんな可愛い女の子のお母さんになれるなら縁談をお受けしようって。お義母さんとは知合いだし、お父さんもきちんとした会社に勤めていて当時とても格好良かったけれど、やっぱり後妻なんてと内心思ってた。でも、一瞬で翻ったわ」
「おかあさん・・・」
「苺を食べるあなたは、ほんとうに、可愛かった」
 母の、決して柔らかいと言えない大きな手が、ゆっくりと冷え切った指先を温めてくれる。
「篠原さん」
 向き合った娘から和やかな視線を外さないまま、傍らの篠原に語りかけた。
「はい」
「この子が果物食べている時って、なんだか物凄く可愛いでしょう?どこか、素に戻るというか」
「ええ。小さな女の子がひょっこり出てきてますね」
「ふふふ。そうなの。ちいさな、ちいさなおんなのこなの」
 どこかわかり合っている二人の会話に、ちょっと不満を感じて唇を尖らせると母が晴れ晴れとした顔で笑った。
「あなたの中のちいさな女の子に会いたくて、私はせっせと果物をかきあつめたわ。美味しそうだと思ったら、ちょっと高くても、つい・・・ね。お義母さんには買いすぎだと何度も苦情を言われたけど」
「・・・知らなかった」
「ええ。私だけの秘密ですからね」
 こんな、茶目っ気のある表情を見せる人だなんて、知らなかった。
「なっちゃん」
幼い頃の、呼び名で、母は語りかけてくる。
「私が、あなたを、産みたかったわ」
「おかあさん・・・」
「確かに本間の家ではこれまで色々あったわね。でも、それは覚悟していたことだから。ただ、あなたを産めなかったことだけが、ずっと、ずっと残念だった。・・・悔しかったの」
「おかあさん・・・」
 胸が、痛い。
 きゅうと、絞り上げられるように痛い。
 堰を切ったように涙が、こぼれた。
 はらっても、はらっても、涙が止まらない。
 頬を伝って、顎からぽたぽたと、母の手の甲を濡らしていく。
「おかあさん、おかあさん、おかあさん・・・」
 他に、言葉が見つからない。
「おかあさん」

 だいすきよ。

               -おわり-


                               -おわり-




      < ↓ポチリとしてくださるとうれしいです↓ >

  br_decobanner_20100412095827.gif  にほんブログ村 小説ブログ BL小説へにほんブログ村 


  拍手ボタンは、多分この辺り・・・かな?
    ↓
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント