『秘密の花園』-無花果-10- 

2014, 12. 02 (Tue) 07:27

 朝っぱらから何をやっているのか・・・と、思いつつ。
 6時からずーっとこねくり回してようやくUP。
 今から洗濯物干して、朝ご飯かきこんで、出勤ですよ・・・。
 今日は午前中の仕事が超眠い内容というのにどうするんだ。
 いやいいんだ。
 そもそも昨日惰眠を貪ってしまった私がいけないんだ。
 己と睡魔と三つどもえで戦ってきます。

 ・・・と、いうわけで。
 ようやく完結です。
 「無花果」。
 次回は嵐のような話になります。
 ・・・かな? 

 その前に拍手御礼でもういっこの壁ドン事件の出歯亀編をやりたいと思うのですが、これ、12月のになるんか・・・と、ちょっと遠い目。
 アベント的な、もうちょっと神聖な話にしたかったな・・・。
 でも、流行り物な話なので、早めにあげますね。

 今までのどす黒い『無花果』シリーズは以下の通り。

   『秘密の花園』-無花果- -①--②--③--④--⑤--⑥--⑦--⑧--⑨- 

 一応、ちょろっと、秋に発行した同人誌『秘密の花園-きざはし-』にリンクしています。
 現在とらのあなで販売しています、と宣伝。 (↑上のリンクをクリックすると虎の穴に飛びます)
 3月のJ庭にも持参予定です。
 機会がありましたら、手にとって下さいね。 

 長い庭園話に付き合い下さり有難うございます。
 この後もねっとりなシリーズですが、読んで頂けると嬉しいです。


   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『壁ドン事件 -出歯亀編-』です。
  ええと、『壁ドン事件-池山×江口編-』を、今回もあの人が出歯亀しております。
  かるーく読み流して下さいね。
  楽しんで頂けたら幸いです。

 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。
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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『秘密の花園』 -無花果-10-


「・・・俺は間違ったことをしようとしているのかもしれません」
 夏風の運んでくる緑の香りに眼を細めながら、ぽつりと、勝己は言う。
「勝己・・・」
「いや、そうですね。ここを手放したくないあまり、人の財産に頼ろうとしている」
 清乃と憲二は、祖父の春正の存命中にかなりの額の資産を受け継ぎ、それぞれ留学に使い、そこそこ資金運用に成功していると聞く。
 その後に生まれた勝己には祖母の絹からいくばくかの生前贈与を受けたようだが、相続税をまかなえるほどの額にはならないらしい。
「この庭を、俺は失いたくない。少なくとも必要としている人がいる限り」
 すんなりとのびた桜の枝に手を伸ばして、愛しげにやわらかな葉を撫でる。
 いずれ必ず罰を受けるでしょう、と小さく呟くのがかろうじて聞こえた。
「これから何が起ころうと、見逃して頂けませんか」
 勝己は、自分たちと同じ轍を踏もうとしている。
 母絹も、光子も、芳恵も、そして清乃も、真神に関わる女は誰一人として幸せにはなれなかった。
 それを知った上で、また同じように金と政治の中に身を投じようとするのか。

「私は、あの日、間違えたのだな・・・」

 母と、芳恵と、清乃と、憲二と、勝己、そして俊一と・・・覚。
 愛情に満たされたあの王国を、蹴散らしたのは自分だ。
 あの時、どうして素直に勝己を抱き上げられなかったのか。
 歌う子供たちに、良くやったと褒めてやれなかったのか。
 後悔があとからあとから押し寄せてくるが、今更どうにもならない。
 孫たちを愛した母の後を追うように、俊一と覚が逝き、今ここにいるのは自分と勝己だけだ。
 芳恵は、清乃と春彦を伴ってあの別荘で過ごすことが増えた。
 それもまた、自分の愚行が招いたことだ。
 この手から、いったいどれだけのものがこぼれ落ちていっただろう。
「お前にまで、私は重荷を負わせてしまうのか・・・」
 そして、何を守るべきなのか解らなくなっている。
「いいえ、そうではありません、お父さん」
 驚くほど近くに、勝己の声を聞き、顔を上げた。
「ちがいます。これは、単なる俺のわがままです」
 足もとに膝をついて、目線を合せてくる。
 打ちのめされた自分を励ますかのような柔らかな笑みに、肩の力が抜けていく。
 これが勝己の医師としての日常なのだろう。
「お父さん・・・」
 だがどこか思うところがあるのか、一つ深呼吸をしてから息子は話を続けた。
「むかし、俊兄さんが言ったのです、俺は、憲のものだと」
 次男は「憲二」と呼ばれることを嫌う。
 出生届の期限ぎりぎりになって、適当に付けた名前だと、知っているからだ。
 いや、そうではない。
 あくまでも「憲二」は「俊一」を越えられない、越えることを許さないという意味を込めた。
 悪意の籠もった名前を、忌み嫌うのは当然だろう。
 勝己は、物心ついた時から兄を「憲」と呼んでいた。
「憲のために、俺は生まれたと、ことあるごとに聞かされました」
 俊一は、幼い弟妹を可愛がっていた。
 彼らの間には自分のあずかり知らない絆が存在する。
「そして、俺は、憲のものだと」
「それは・・・」
「暗示をかけられたわけではありません。ただ、赤ん坊の俺を兄たちで取り合って、憲が勝ち取ったのだと言う話を聞いて・・・」
 理知的な瞳が、瞬いた。
「俺は、とても嬉しかった」
 ふいに、無花果の熟れた甘味を思い出す。
「とても、嬉しかったのです、お父さん」
 まるで小さな子供が宝物の詰まった箱をそっと差し出すかのように、勝己は静かに言葉を父の手の平に置いた。
 その中には、いったい何が隠されているのか。
 問えば、答えてくれるだろう。
 だが、今はその時でないと思った。
 いや。
 聞かずとも、解っていたような気がする。
 こうして息子と向き合う前から。

「・・・そうか」
「はい」

 それを、嬉しいというのなら。
 悪くないのかもしれないと、思った。

「・・・お前の、思うようにするが良い」
「ありがとうございます、お父さん」

 太陽が天空の最も高いところから陽の光を解き放つ。
 どこか甘い土の匂いと立ち上る水の気配を肌で感じた。
 夏が、広がっていく。
 風に揺れる若木のざわめきを聞きながら、その通り道を探した。
 花は、咲いたであろうか。


                   -完-





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