『秘密の花園』-無花果-4- 

2014, 09. 16 (Tue) 22:27

 うっかりこちらの文章を打たないままUPしてしまいました・・・。
 『無花果』の4話です。

 母と息子のバトルはこれからですよ・・・。
 ドロドロのぎとぎとですみません。

 私の予定では、前回の最初の台詞と今回最後の台詞だけしかなかったのに、がんがん恐ろしい会話になってしまいました。
 だれか絹さまを止めて下さい・・・。

 今日は、秘密の扉とクローゼット部屋に放置していた本を整理しました。
 すごいな・・・。
 こんなに買ったんだ、私。
 本棚を増やすことはできないので、一部処分することにしました。
 衝動買いしたものの、やっぱり合わなかった・・・という感じの本、かな。
 一部、といっても、かなりの量になりそうですが。
 昔、結婚前に同人誌類を処分した時にまんだらけに売ったのですが、あの時、かなりのお値段になった・・・。
 そして、皿を買った・・・。
 今度は上京中の滞在資金、かな。
 前と違ってレアなものは何一つないので、そこまでなるかどうかはわかりませんが。

 明日も、続きを出来たら更新したいです。
 ではでは、ごきげんよう。


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  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『すいかずら -夏の声-』です。
  今回は特に短い。
  しかも、モノローグ多いし・・・。
  終戦直前に召集令状をもらってしまった蛍一の独白みたいなものです。
  
  とにかく、楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
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  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『秘密の花園』 -無花果-4-


 決断は、早かった。
 復縁は、無に帰した。
 逃げなければならない。
 出来るだけ、遠くへ。
 まやかしを嘆いて裏切りを憎む時間はなかった。
 ただただ、豹変を目の当たりにした恐怖が勝った。
 情熱的な抱擁も、甘い囁きも、どこか遠くへ投げ出され、霞んでしまう。
 新しい命に対する僅かな情も、真っ黒な闇が飲み込んでしまった。
 産んでしまったら、きっと子供を盾に桐谷と真神へ色々な事を要求してくるだろう。
 そして、それがだんだんと大きな物になっていくことも簡単に想像がつく。
 彼の果てのない欲望が、怖かった。
 獣のように、何もかも食い尽くされる明日が、怖かった。
 それよりもっと恐ろしいのが、今まさに自分の中で育ち続けている胎児だった。
 あの男の血を引く子供を世に送り出すことの方が、なによりも恐ろしい。
 化け物、と、震えた。

 どうやって男の元を辞したのか、覚えていない。
 気が付いたら、桐谷の、本家に駆け込んでいた。
 そこでは、総領である大叔父とそれに従う両親が、哀れみの表情を浮かべて出迎えた。
「やはり・・・な」
 大叔父のひとことで、全て決した。
 十六の頃に連れて行かれた、あの、病院の戸を再び叩く。
 子供の命は、あっという間に葬られ、消えていった。
 しかし、今度はそう簡単に終わらなかった。
 全て無に帰したわけではない。
 命のかけらが、胎内に残ってしまった。
 発熱と出血が身体を蝕む。
 執刀したのは前回と同じ熟練した医師と看護師だったにも関わらず、成功とは言い難い結果になった。
 知らせを聞いて駆けつけた春正だけが、手を握って涙を落とす。
「どうして」
 子供も、絹も守ると、言ったのに。
 母親が化け物と怯えて見捨てた命を惜しんだのは、血のつながりも何もない、名ばかりの夫一人だった。
 心優しい人。
 今まで出会った人々の中で、誰よりも誠実で、おそらくこれからもそうであろう人。
 この人を、この人だけを愛せたならば、自分は、きっと幸せだったのに。
 だけど。
 なぜか、彼を男として素直に求められなかった。
 だから。
 一緒に暮すことは、出来なかった。
 全てを水に流して、母として妻としては生きられない。
 ただ、償いの代わりに、東京を拠点にして生家と婚家を盛り立てていきたいと言うと、春正は困ったように微笑んだ。
「貴女がそう言うなら、今はそうしましょう。だけどもし、貴女を心から愛して大切いしてくれる人が現われたら、遠慮はいらない」
 貴女の人生は、貴女のものだ。
 真神に、嫁いでくれて、ありがとう。
 真神に、惣一郎を授けてくれて、ありがとう。
 真神家は、これ以上のことを欲しがらないことを約束する。

 その言葉に、女としての寂しさを覚えなかったというと嘘になる。
 
 でも、彼を愛し、彼が愛すべき人は自分でないと、思った。
 春正にこそ、必要だった。
 何もかも捨てても惜しくない、愛する人が。


「・・・峰岸夕子の墓は、未だにないそうね」
 峰岸夕子。
 本邸へ家政婦として幼い息子とともに住み込んだ、寡婦。
 春正が、初めて全てをかなぐり捨てて愛した女性。
「・・・知りません。真神に雇い人がいったいどれだけいると思っているのですか」
 彼女は、若かった。
 嫁の芳恵とたいして変わらぬ歳で、春正の子を宿す可能性が捨てきれなかった。
 だから周囲は動揺し騒ぎ立て、惣一郎も影ながら彼女の排除に荷担していた。
 心労がたたったのだろう。
 数年前に急逝し、それを追うように春正もすぐに亡くなった。
「あなたがそんなだから・・・」
 言いかけて、口をつぐむ。
 今は亡き春正の骨壺の中には、夕子の遺灰をそっと忍ばせてある。
 春正の、最期の、たった一つの願いだった。
 しかし今の息子が知ったならば、おそらく骨壺を破壊し、遺骨を洗浄するだろう。
 真神の血脈こそ真理と信じて生きてきたのだから。
 名も無き花を愛でることは、彼の矜持が許さない。
 顛末を知るのは、夕子の連れ子の覚と芳恵と秘書が一人、そしておそらく俊一だけだろう。
 
 真神に嫁いで五十年近く。
 その間、思うように生きさせてもらった。
 あれからも何度か恋愛のまねごとを繰り返した。
 お互いの立場を侵さない程度の、軽い恋を。
 政財界を操るまねごとも、少し、楽しんだ。
 しかし、どこかいつも虚ろなままの日常の中に現われたのが、真野芳恵だった。
 孫の俊一を産んですぐに亡くなった光子の後釜に据えられた、真神分家の娘。
 他にも縁談はあったというのにそれらを全て断り、進んで真神に飛び込んでくれたにもかかわらず、惣一郎は彼女を嫌い、常に蔑ろにした。
 それでも、芳恵は惣一郎を慕い、俊一を愛し、真神家を切り盛りするために奔走していた。
 すっかり名ばかりの家刀自となりかけていた自分をたてて、春正を看取り、十二分の働きをしていると思う。
 おかげで、この歳になって孫たちとこうして過ごす日々をゆっくり味わうことが出来た。
 芳恵にもらったものを、自分も芳恵に返したい。
 春正と夕子には、力及ばずたいしたことが出来なかった。
 そんな思いが、一年前の自分を思いも寄らない行動に走らせた。
 芳恵と、孫たちを守ることが、皆に恩返しすることにもなると、思いたい。

「惣一郎」
「はい」
「芳恵と、子供たちを桐谷にもらって良いかしら?」
「・・・は?」
「あなたがいらないなら、私がもらうわ」
「仰る意味がわかりません」
「桐谷絹の養子に、芳恵および清乃、憲二、勝己をしようと思ってるの」
 息子が言葉を失い、テーブルの上にのせたこぶしをぎゅっと固く握ったのを見ながら続ける。
「私に、あの子たちを頂戴」
 これは、賭だ。



        -つづく-




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