『秘密の花園』-佳客の宴 2- 

2014, 06. 04 (Wed) 23:55

 ええと、遅くなりました。
 本当は現在6/5の1時ですが・・・。
 設定を6/4の23時にいじっています。
 予定では、本日も夜には更新するつもり・・・です。

 だらだらしていますが・・・。
 勝己、二人に翻弄されるの巻は、まだ続きます。
 次では多分終わらない・・・。
 いつも目測が適当でごめんなさい。
 傷の手当てについて、医者にもかかわらずそこらの保険医のような対応でごめんなさい。
 しかも整形外科医だよな・・・と己に突っ込みを入れながら書いています。

 そして、憲二が誰よりもザッパーになっていく・・・。
 良いのかこれで。
 「秘密の花園」の世界をぶちこわしているんじゃないかと不安になりつつも、生きている彼らに抵抗できませんでした。
 こんな話ですが、楽しんで下さると嬉しいです。


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 ではでは、続きは本日またすぐにでも。


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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
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『秘密の花園』-佳客の宴 2-



「傷口を拝見するわね」
 向かいから憲二の手を取り、絆創膏を剥がして覗き込む。
「・・・ざっくりやったわね。痛かったでしょう」
「あ・・・っと思った時には刃物が身体に入っていたから」
 思わず耳をふさぎたくなるが、クッションを握りしめて勝己は耐えた。
「給湯室にある包丁って、いつの時代からそこにあったか解らない代物でさ・・・」
 この話は、まだ続くのか。
 目眩すら感じる。
「ああ、あるある。あるわあ。うちの医局にも。基本、切れないのよね。誰もケアしないから」
「そうそう。だから、変に力を入れたら思いの外ざーっと行っちゃって・・・」
 既に往年の友人のような会話を続ける二人のそばで、クッションにもたれたままの勝己は立ち直れないでいた。
「で、勝己はへこんでるの?それとも貧血起こしているの?」
「両方・・・」
「マルチで名高いあなたがよもやお兄さんの怪我を見て貧血起こすなんて、教授たちもびっくりね」
「へえ。こいつ、マルチなんだ?」

 ふと、気が付いた。
 普段から、弟は自分のことをほとんど話さない。
 いつも、穏やかに笑っているから、それが当たり前で。
 何も、知らないのかもしれない。
 こんなに長い間、そばにいるのに。

「そうよ?専門を決める時に教授たちがもめてもめて・・・。体力あるし、力もあるし、決断は早いし、なのに手先は器用で細やか。分析にも長けてるしね。私、部長に色仕掛けして来いって真顔で言われたわ」
「え・・・?」
「いろじかけ・・・」
「いやあね。私があの馬鹿部長の言いなりになるわけないでしょう。それに、付き合いだしたのって、あなたが医局に馴染んでからじゃない」
「それも、そうでした・・・」
 ぼそりと呟き、ついでにクマのようにのっそり立ち上がって勝己は物置から救急箱を取ってくる。
「ついでに新しい絆創膏貼るか。憲」
「もう、大丈夫なの?」
「多分・・・」
「あぶなかっしいわね。私がしましょ」
 市販の消毒薬を吹きかけて、首をかしげた。
「絆創膏、二種類あるけどどちらが良いかしら。湿潤治療の方だと傷口も綺麗に治るし貼りっぱなしでお風呂も楽なんだけど、合う合わないがあるから・・・」
「俺、そっちはダメみたい。だからここへ来たんだけど・・・」
「え?」
 きょとんと目を見開いた可南子に手を取られたまま、憲二は隣を仰ぎ見た。
「勝己。頭と顔洗って欲しい。意外と難しいと解ったらどうにもこうにも我慢できなくてさ」
「は?」
「果汁が飛んだからさあ、顔を洗おうとしたわけ。そうしたら以外と出来ないんだよ、傷口を避けようとしたら。左手の人差し指なんか、端っこだから関係ないやと思ったんだけど、これが意外や意外、重要なんだよな」
 のほほんとした憲二に、すかさず現役医師たちの真面目な説教が飛ぶ。
「そりゃそうだろう・・・。これ以上粗末にしないでくれ」
「重要でない指なんて、どこにもありません」
 深々とため息をついた可南子は、二人の男性を見上げた。
「なら、今、お二人でお風呂済ませてしまえば如何?ポトフが出来るまでまだ少し間があるし」
「え・・・?」
 勝己はたじろぐ。
「せ、狭いよ、ここの風呂。大人二人は無理だろう。酸欠になるぞ」
 あわあわと反駁すると、憲二の眉間に皺が寄った。
「お前の所はどうだか知らないけどさあ」
 形の良い唇を尖らせて続ける。
「俺の研究室って、いろんな機材があるわけよ。それで、それぞれが稼働していると物凄い熱を発してくれて、今の季節は亜熱帯かってくらい暑いのに更に白衣も着て、もう体液絞りまくりでドロドロでガビガビなんだよ」
「ドロドロでガビガビ・・・」
 何を想像したのか、口元を押さえて赤くなる弟に、憲二はキレた。
「あー、もう。なんでも良いから、俺を洗ってくれ、誰か!!」
 見た目にはツヤツヤの髪を乱暴にがりがり搔く。
 意識すると、汗臭さとほこりっぽさが全身を覆っているような気がしてイライラしてきた。
「なら、私が洗いましょうか?」
 すっと白い手を挙手する可南子に二人は目を向いた。
「・・・は?」
「え?」
「別に人の裸なんて見慣れてるし、勝己よりずっと小柄だし」
「いやいやいや、ちょっと待って、可南子さん」
 あっけにとられた憲二はさすがに声も出ない。
「え?だって、勝己がまた貧血起こすよりましじゃない?私は患者さんだと思えば別に・・・」
「いや、大丈夫。俺、もう大丈夫だから。患者だと思えば、憲二も大丈夫だから」
「あらそう?」
「ああ、大丈夫。大丈夫だとも」
 挙動不審な弟と、見た目よりもドライな彼女のやりとりを、ふーっとため息で吹き飛ばして、襟元のボタンに手を掛けた。
「どうでもいいや。とにかく早く風呂に入りたい」
 ぷちぷちと寛げ始めたのをすかさず勝己が押しとどめる。
「待て、憲二。頼むから脱ぐのは五分で良いから我慢してくれ」

                   -つづく-




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