『秘密の花園』-佳客の宴 1- 

2014, 06. 02 (Mon) 23:11

 結局、拍手御礼はまたしても延期です。
 なぜなら、またもや長くなりそうなので・・・。
 三回くらいの連載になると思います。

 今回は三つどもえの話(?)。
 時間軸はこの間の桜の少し後です。
 藤とか桐の頃かな、関東なら。

 ところで、こちらは新タマネギが旬です。
 BL道場の師匠から頂いたタマネギがメロンのように立派だったので、今夜は手羽元と人参ジャガイモを合わせて使ったポトフです。
 昆布出汁で作ります。
 で、和風ポトフだから、残りは全て和食。
 ごはん、納豆、おきうとの酢の物少々。
 いつも九時過ぎに晩ご飯なので、こんな感じです・・・。
 
 この『おきゅうと』。
 福岡の食べ物です。
 週末に義母から貰いました。
 最近、地元の生協の商品からなくなったみたいなので、嬉しい頂き物です。
 ところてんの海草をもっと増やした感じで雑味が強いかな。
 ところてんは筒に固めますが、これちらは板に薄く延ばします。
 口当たりは少しざらつきますが、表面はつやつやぺろんとしていて、私は数ミリの細切りにして酢醤油と塩もみキュウリ、千切り青じそや胡麻などと合わせて頂くのが定番。



 これよりもっと粗くて固いのが、長崎の『えげれす』。
 羊羹みたいな形になっているのを薄くスライスして酢醤油和え・・だっけな。

 暑くなると、こういうものが必須になる九州の食卓です。
 勝己のご飯はどうでしょうね。

 さて、話が逸れましたが。

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 ではでは、まだまだ青い勝己をお楽しみ下さい(笑)。

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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『秘密の花園』-佳客の宴 1-


「かつみー、風呂-・・・」
 なんのためらいもなく合い鍵を使い、なんの確認もせず玄関に踏み込んで、後悔した。
 前々から、弟からは訪ねるなら一度電話を入れてくれと言われていたのに。
 目の前に並んだ、女もののスマートな靴。
 回れ右をすべきだと思ったが、行動に移す前にリビングへ続くドアが開いてしまう。
「風呂って、いったい・・・」
 困惑顔の勝己を見て、舌打ちしたいのをこらえた。
「なんですぐに出てくるんだよ」
「なんでと言われても・・・」
「お邪魔なら帰りましょうか?」
 少し低い甘めの声と供に勝己の背後からひょっこりと顔を見せたのは、頤の細くて顔の小さい、栗色の髪の長い女性だった。

「初めまして、松永、可南子と申します。本当に、私は帰りましょうか?ちょっと寄っただけですし」
 結局、そのまま上がり込むことになった。
 1DKの勝己の部屋には大きめのローテーブルが真ん中に置かれ、そこにロータイプのソファが合わせてある。
 テーブルの上には二台のノートパソコンと書類らしきものが広げられていた。
 睦み合っている最中でないことがわかり、ひそかに胸をなで下ろした。
 憲二の向かいでぴんと背筋を伸ばした女性は、富士額の美しい、日本的な顔をしている。
 小柄な身体を包む柔らかなワンピースは上質で、きめの細かい肌からしっとりとした色香を放つ。
 ほのぼのとした笑顔に、憲二は半笑いを浮かべるしかなかった。
「いえどうかそのままに。こちらこそ、初めまして。兄の憲二です」
 かなり、上等な女じゃないか。
 心の中で勝己に悪態をつく。
 どうみてもこの部屋に馴染みすぎている。
 付き合いはそこそこ長そうだ。
 どうして今まで気が付かなかったか、不思議である。
 それに・・・。
「ああ、お察しの通り、私の方が勝己どころか憲二さんより年上で、一時期は上司でした」
 憲二のかすかな表情もあっというまに読み取って、さらりと流す。
「え?」
 思わず眉をひそめると、紅茶を淹れた勝己がマグカップを検事の前に置いて説明した。
「・・・可南子さんは同じ医局の、助教なんだ」
「助教って・・・」
 勝己が属している大学は学閥の中でもかなり強い権限を持つ、いわば最高峰とも言える所で、さらにそこでそれなりのポジションにいるならばかなり有能だと言うことである。
 無意識のうちに左手をテーブルに載せ、マグカップの取っ手をいじった。
「研修医の時にお世話をしたのがきっかけで・・・。あら?怪我をされているの?」
 めざとく見つけられ、苦笑いをする。
「ああ、これ・・・」
 突撃訪問をしてしまった、そもそもの理由をようやく思い出した。
「憲・・・。どうしたんだそれ」
 すぐに隣に回り込んだ勝己が、左手首を掴む。
 大きめの絆創膏を巻いた人差し指を差し出すと、手首を握る手が冷たい。
「ええと、今日、教授の所にお土産で西表島のパイナップルが届いて・・・」
「もしかして、お前が・・・」
「うん。たまたま秘書が数日休みを取っていて、でも完熟だから今食べたいなーって話になって・・・」
 憲二は勝己の病院と同じ敷地内の理系棟で、同じく助教として研究三昧だ。
 しかしさすがにパイナップルを切るために弟を呼びつけるのはためらわれた。
 だから、なんとなく右手に包丁、左手にパイナップルを手に取った。
 すると、食に飢えている院生たちの目が期待に輝いたのだ。
「皆まで言わなくて良い・・・」
 心なしか、弱々しい声が制止する。
「あら、勝己、あなた大丈夫?」
 言われて弟の顔を覗き込むと、彼の厚めの唇から色が抜けていた。
「なんで?」
「なんでって・・・!!そもそも、ろくすっぽ包丁を握ったことのない憲がなんで率先してパイナップルなんかに挑んでるんだよ!!」
「だってこの前、勝己が切ってるのを見たから、あの通りにやればいいんだよなあと思って」
 先週、それこそ実家経由の頂き物の八重山産パイナップルをここで食した。
「ああ、あの八重山パイン、美味しかったですよね」
「食べたんですか?」
「ええ。残りを病院に持ってきてくれたから、医局のみんなで」
「なるほど」
 あっというまに打ち解けた二人とは対照的に、勝己はソファーのクッションにぽすんと音を立てて顔を埋めた。


                   -つづく-




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