『女王陛下と俺-百年の、孤独-』-1- 

2013, 12. 04 (Wed) 21:08

 拍手御礼にするつもりだったものが長すぎたので、こちらに掲載します。
 ああ、つづきものばっかりでどうするんだ私。

 メンバーは、岡本、池山、江口、そして長谷川。
 名前のみで立石、佐古あたり。
 これをBLと冠するのはおこがましいのですが、まあ、バカップルがいると言うことで見逃して下さい・・・。

 時期はですね。
 『恋の呪文』の次の年の七月。
 ・・・は。
 この間に『恋愛事情』の冒頭が挟まっていることに今更気が付きました。
 あれも放置したまんまじゃんね。
 微妙に絡みまして、この話のあとに、あの話の続きが来るんだけど・・・。
 で、その前に、佐古も絡む・・・。
 そう言う意味ではそこそこ伏線的な話です。
 絡ませすぎて本人も解らなくなってきているあたり行き当たりばったりが露見してますね。
 エクセル表作っても意味ないじゃん・・・。
 時間テーブル的に
 池山と江口がくっつく→立石が渡米して、保坂がぐれる(笑)→梅雨時くらいに立石帰国、マンション内部屋割り大チェンジして、池山と江口が半同棲。
 その直後の話ということで。
 なに、この備忘録的説明。

 私は下戸ですが、お酒の味や香りで好きなものがあります。
 日本酒、ワイン、ブランデーとか、二十代前半の頃はまだ無理に飲まされていた分、試せたんですよね・・・。
 今は、本当にキケンです・・・。
 高級フレンチのデザートで頂いたコンポートで心臓ばくばくになって血の気が引いた事も・・・。
 
 ではでは、続きは必ず。



   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、池山・江口を中心に、『全て、夢の中』です。
  R指定・・・かな。
  なんせ、池山と江口ですから・・・。
  いちゃいちゃしているような、なんというか。
  そういうのが苦手な方はごめんなさい。  

  ともかく、楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。


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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『女王陛下と俺-百年の、孤独-』-1-



 ふと、気になっていたことを口にした。
「誰か、これから来るのか?」
「んん?なんでそう思う?」
 正面に座って書類のチェックをかけていた池山が不思議そうに首をかしげる。
「気配・・・つうか・・・」
 岡本は目をすがめてぐるりと部屋の中を見回す。
 ここはマンション・プレシャスTの7階、2LDKのリビング。
 広いローテーブルに、ノートパソコン三台と書類を広げても余裕がある。
 そもそも引越ししたての部屋だから、綺麗なのは当たり前なのだが・・・。
「まず、いつもより妙に片付いている。次に、なぜかグラスを四つ、そこに用意してる。最後に江口が妙に緊張している」
 先ほどからこの部屋の新しい主であるはずの江口は集中力を欠き、やたらと立ったり座ったりしている。
 今は土曜日の夜。
 金曜日に仕上げ損なった仕事を、午後から江口の部屋に集合して池山と三人でやっつけている最中だ。
 とりあえず晩ご飯は出前を取り、ビールを飲みながら続きをやっていたが、なぜかここにきて江口がつまみや果物の用意など始めている。
「ああ・・・。そういえば、遅いな。どうしたんだろ」
「遅いですね、珍しく」
 仲良く顔を見合わせる二人に、話が見えない岡本は少しいらついた。
「だから、誰だよ」
「イク。・・・じゃなくて、ええと、長谷川」
 長谷川生。
 池山の元彼女の名前に、岡本の片眉が上がる。
「は?聞いてねえよ」
「うん。だって、来るって話になったの、今日だもん。あ、そうだ。さっき岡本がトイレに行ってる間?」
「疑問型で言うな。俺は当事者じゃねえんだから」
「そうだよな、用を足していたんだからな!!」
 何が受けたのか、ゲラゲラ笑い出す池山の頭を、丸めた書類でぽん、と叩く。
「で、何しに来るんだよ、あの女」
「ん、まず、俺と江口が情報処理系の本を貸してたから、その礼に希少酒持ってきてくれるってのが一つ、それと、じいさまの新刊が出たからサイン付のを頼んでたんだよな」
「じいさまってなんだ?」
「ああ、知らない?長谷川周だよ、あいつのおじいさん。ほら、俺の姉貴と保坂たちが鎌倉で茶の稽古してるだろ、父方の実家なんだよ」
「長谷川周って、大御所作家の?」
「うん、そうそう。今度、ヨーロッパ旅行記出したみたいでさ。発売前に貰ってきてくれたんだ」
「長谷川周なら、うちに長期滞在したことあったはず・・・。それこそ随筆にされたっておふくろたちが感激してたけど」
「あ、鹿児島滞在記って、あれ、岡本の実家だったんだ」
 岡本の実家は鹿児島で有数の老舗旅館を営んでいる。
「じゃ、その辺の話なんかして、たまには友好を深めたら?」
「友好もなんも、俺、どうもあの女は・・・」
 うまく言えないが、苦手である。
 ついつい「あの女」呼ばわりしてしまうくらい。
「まあまあ、そう言わずにさあ・・・」
 さらりと流して池山は携帯電話を取りだし操作する。
 呼び出し音がきこえるが、相手がなかなか出ない。
「おっかしーなあ・・・」
 首をかしげた池山が回線を切ろうとする直前、低い女性の声が聞こえた。
「・・・あ、長谷川?」
 池山の明るい話し声に、岡本はちらりとカウンターキッチンに立つ江口を見る。
 通話中の池山を見守る江口の顔に、少し複雑な色が浮かんでいるように見えるのは、自分の勝手な想像だろうか。
 池山と江口は、現在この部屋で半同棲中だ。
 営業という職業柄と着道楽でやや持ち物の多いの池山は、自分名義の4階の1LDKをほぼクローゼット兼書庫代わりにしていて、たとえ江口が出張に出かけても7階で寝泊まりしているらしい。
 一分に満たない会話が終わり、通話を切った池山は満足げに報告してきた。
「もうすぐ来るってよ」
 酒、酒♪と楽しげに歌う池山に、江口が疑問を投げかけた。
「もうすぐって、エントランスにいるって事ですか?」
「いや、5階って・・・。あれ?5階って言えば」
 春先まで長谷川はこのマンションの5階に息子と住んでいた。
 だから、近所で親しかった人への挨拶に行ったのだと池山は解釈していたが・・・。
「・・・立石のとこか」
 今年の初めだっただろうか。
 オーナーの森本が徒歩15分くらいの土地にマンションを新築した。
 前々から話が付いていたのか、そのなかの分譲区域の一部を長谷川が買い取り、春先に引越しをした。
 それで空いた5階の3LDKに空き部屋待ちだった江口が入る予定だったのを、話を聞きつけた立石が滞在中のニューヨークから待ったを掛けて、結局強引に彼がそこへ転居、次に空いた7階の2LDKへ江口が入居という、ところてん式の顛末となった。
 いつもおおらかな立石にしては、珍しいごり押しだ。
 彼は、中学の頃に模試会場で見かけた長谷川に一目惚れして以来、それを今も引きずっている。
「・・・もしかして、取り込み中だったかな?」
 んー、と唇を尖らせて池山は思案顔になる。
 ここ最近誰からの目で見ても、立石の執着は度を超していた。
 いやな空気が流れかけたところでチャイムが鳴る。
「・・・あ、来た」
 すぐに腰を上げて池山は玄関へ向かう。
 扉が開き、二人が会話をしているのが漏れ聞こえたが、しばらくして静かになった。
 そして、池山一人が手に二つの袋を提げて戻ってきた。
「えっと、先にやってろって」
 書籍が入った袋を適当なところに置いた後、もう一つから複数の保存容器と酒をとりだした。
「・・・どうしたんですか?」
「うーん・・・。シャワー貸してくれって言うから、どうぞって。俺の服をついでに貸すけど良いよな?」
 了解を取られて、江口は困惑する。
「良いも悪いも・・・」
 男女の骨格の違いはあるが、長谷川の身長は池山とほぼ同じ。
 さらに10センチ以上高い江口は筋肉質な体格のぶん横幅もあり、それを着るよりかはましだろう。
間もなく、洗面所の方からシャワーの音が聞こえてきた。
「・・・お取り込み中、つうか、そのものだったみたいで、ちょっとあいつにしてはめずらしくボロボロで。・・・あのまんまじゃあ帰れないだろ」
「・・・どうなってんの、あいつら」
 正直なところ、知り合った当初から謎である。
「俺的には、あの女の都合の良いようにされてるとしか見えねえけど」
「んー。やっぱりそう思う?」
 へらりと笑われて、岡本の中で確固たる物になる。
「なんだよ、そうなんだろ?」
「さあねえ、どうなんだろなあ。俺の立場としては、中立にならざるを得ないって言うかさあ」
「・・・その持って回った言い方、なんなんだよ」
 と、そこへ江口が割って入った。
「池山さん、そのタッパー、どうしたんですか?」
「ああ、鱧の湯引きしたやつとか、なんか持ってきたんだってよ。さっきまで茶の稽古があったからその時のヤツって」
 開いてみると、綺麗に詰められた正方形の容器の中には、いかにも懐石料理らしい趣向が凝らしてあった。
「稽古で懐石?」
「ご苦労な話なんだけどさ。明日の早朝にやる茶事の用意とかなんとか・・・」
 朝茶か。
 ふと、頭をよぎる。
 夏の暑さを避けて、早朝六時頃から始める茶事をたいてい朝茶と呼ぶ。
「有希子たちと作ったって」
 何気なく出された名前にどきりとした。
「あんまり朝早いからあいつらは鎌倉に泊まってるらしいんだけど、長谷川は野暮用でいったんマンションに戻ったから、ついでにこっちにも来たんだけどさ・・・」
 そして。
 沈黙が落ちる。
「・・・やめやめ。とにかく、開けるぞ。耕、氷と水」
「はい」
 江口がキッチンへ戻っている間に、池山が箱を手に取り、しばし眺めたあと、満足げな微笑みを浮かべた。
「・・・なんだそれ」
「え?お前しらねえの?百年の孤独だよ、ひゃくねんのこどく!!」
「・・・ああ、そういやそんなのが宮崎に・・・」
 独特のデザインのパッケージを見て合点がいく。
「確かに、希少といえば希少だな・・・」
「だろ」
 江口がグラスの中に氷を入れると、池山がゆっくりと琥珀色の液体を静かに注いだ。
「焼酎、だよな、確かこれ」
「そうだけど、限りなくウィスキーだと俺は思う」
 勧められて一口含んでみると、とろりとした芳香が全身に広がった。


       -つづく-






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