『どんなに、どんなに?-3-』(本間、橋口、村井、池山、篠原、片桐、中村) 

2013, 11. 11 (Mon) 22:37

 今回はなんとか終わりまでこぎ着けました。
 『どんなに、どんなに?』、終了です。
 この間、途中で中断している小話を自分で列記して、ついでに時系列に並べて気が遠くなりました。
 どれだけ飽きっぽいんだ、私。

 ちなみに、この『どんなに?』と、『夢の中』は『ずっとずっと甘い口唇』のすぐ後の六月。
 その前の五月に『おひっこし』、そして『キスと接吻』。
 8月に『夏の終わり』と『共鳴』
 で、九月に『秋茄子と』・・・です。
 更にその先の十二月に『聖なる夜と』で、年を越えて二月に『バレンタイン・ラプソディ』と続くのですが・・・。
 さあ、この中で終わりに辿り着いていない話がいくつあるんだ、私!!
 ええと、順次行きますからね、順次。
 次は『夢の中』の後日談の方。

 あ。
 ちなみに今回は、物凄く甘くなりました。
 トルコにバクラヴァという甘いデザートがありますが、それに肩を並べると私は密かに思います・・・。

DSCF2896_convert_20131111223120.jpg
 食べかけで悪いですが、これのこと・・・。
 ナッツ入りパイの蜜漬けって感じ。

 たまには甘い物も食べたくなるかなと・・・。
 た、楽しんで頂けたら嬉しいです。



   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、池山・江口を中心に、『全て、夢の中』です。
  R指定・・・かな。
  なんせ、池山と江口ですから・・・。
  いちゃいちゃしているような、なんというか。
  そういうのが苦手な方はごめんなさい。  

  ともかく、楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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「どんなに、どんなに?」-3-


「で、お前はこの後どうするんだ?」
 橋口と村木はもう少し本間に話があると言って残った。
 二人は現在、それこそ歩いて帰れる距離のマンションにそれぞれ入居しているため、よく行き来しているらしい。
 中村は池山に言い忘れたことがあったと一足先に部屋を後にしている。
 見送りがてらにエレベーターを待ちながらふと疑問を口にした。
「・・・お前、まさかこの後仕事か?」
「そうです。明日は軽井沢でちょっとしたパーティがあるので」
 ちょっとした、という表現は建前で、庶民の感覚で計り知れない規模と豪華さが篠原の仕える長田家の恐ろしいところである。
「ある程度準備は終えていますから、お気になさらず。今から現地に向かいます」
 既に時刻は夜十一時になろうとしている。
 もう夜中なので車の動きはスムーズだろうが、二時間半ほどかかるだろう。
「篠原・・・。お前なあ」
「わかってます。でも仕方ないじゃないですか。ものすごく綺麗な桜桃だったんですから」
「・・・は?」
 富貴子夫人の供で回った先で出会った果物は、勧められて義理で口にしたところ、驚くほど美味かった。
「食べさせたい、食べているところを見たい、ついでに笑って欲しいなと思うのは、いけないことですか?」
 三時間。
 彼女の顔を見るためだけに時間を割いた。
 骨の髄まで長田家のものと定めて生きてきた篠原にとって、それはかつてない行動だった。
「いや・・・。それは」
 悪いことではない。
 むしろ、歓迎すべきことだろう。
「でもなあ・・・」
「啓介さん」
 篠原が言葉を遮った。
「今まで何度言っても本気にとられていないようですが、私の好みのど真ん中は、啓介さん、貴方ですよ」
「・・・は?」
「子供の頃はそうでもなかったですが、大学に入った頃から随分好みの身体になってきて、美味そうだなあと、会う度思ったものです」
「はああ?」
「そもそも私はゲイに重きを置くバイセクシャルです。寝て楽しいのは男ですね。解りやすく征服欲を満たしてくれますから。更に身分がはっきり上だと俄然燃えますね。だから、貴方の尻を見る度に、なんとか機会を作れないものかと本気で考えた事もありますよ?」
「お前なあ・・・。本人を前にそこまで言うか?」
「言いますよ、この際ですから」
 するりと形の良い指先が伸びてくる。
 顎を掴まれ、鼻と鼻が触れ合いそうな距離にまで顔を寄せられるが、あえて動かずに見つめかえした。
「あなたを屈服させて、快楽の限りを教え込んで溺れさせたら、どうなるかと、想像するだけでも楽しかった」
 黒く、濡れたような瞳が瞬き、あたりを闇で覆い尽くす。
「・・・そりゃまた、ずいぶんネタにしてくれたもんだな」
「ええ。頭の中であなたをどうこうしようと、それは私の自由ですから」
 しかし彼が欲望を口にすればするほど、なぜか余計に遠く離れているような気がした。
「まあ・・・。確かに」
 背後でひくっと息をのむ気配がする。
 おそらく、戻ってきた中村春彦だろう。
「命拾いしましたね、啓介さん」
 ちらりと、流し目を片桐の背後に送って艶然と微笑む。
「今は、あなたの何処を見ても食指が沸きません」
 久々に見る、魔物めいた、壮絶なまでの美しい笑み。
「そもそも、啓介さんの笑顔を見たいなんて思ったこと、一度もありませんでしたし」
 喉元に爪をかけていたのをすっと引くように、指先が離れる。
「つまりは、そういうことなのでしょうね」
 くるりと優雅な身のこなしで背を向け、壁のボタンを押して既に到着していたエレベーターのボタンを押す。
「おやすみなさい、良い夢を」
 夜の匂いを色濃く残して、彼は去っていった。


 階段を上り、廊下を歩く間、二人は無言だった。
 と、いうより、春彦のこわばった横顔に、どう話しかけて良いのか解らなかった。
 部屋の前へ辿り着くと先に歩いていた春彦がポケットから鍵を取り出して解錠し、振り返ることなくするりと中に入っていく。
 一つため息をついてから片桐が閉じかけたドアに手を掛けて一歩踏み込むと、いきなり腕を掴まれた。
「・・・!」
 気が付いたら玄関の壁に背中を叩きつけるように押しつけられていた。
 春彦の、弾んだ息が、首元をくすぐる。 
「ハル・・・?」
 両手で頬を挟まれ、頭を抱え込むように引き寄せられた。
「ん・・・っ」
 熱い唇が、片桐のそれをふさぐ。
 下唇に軽く歯を立てられて口を緩めると、するりと舌が入ってきた。
 いつになく性急な求め方に、片桐自身も煽られて応える。
 背中に手を回して強く抱きしめると、熱い身体がしなった。
「んっ、んっ・・・。啓介さん、けいすけさん・・・」
 全身で求められ、靴を脱ぐいとまもない。
 唇から漏れる吐息と水音が、しんと静まった玄関に響く。
 そして、春彦の指先がのど元に降りて、シャツのボタンにかかる。
 二人とも仕事帰りに本間の元へ立ち寄ったので、Yシャツにスラックスのままだ。
 唇を合わせたまま、懸命にボタンを外そうと試みているようだが、ボタンホールが固くて簡単に外せない。
「・・・ハル?」
 背中を緩く撫でてあやすが、焦れた春彦が力任せに襟元を開いた。
「ん・・・っ」
 びっと裂けるような音とともに、小さな物が廊下にあたって転がっていく音も聞こえた。
「・・・あ」
 シャツに手を掛けたまま、春彦が呆然と固まる。
「・・・ごめんなさい、おれ・・・」
 一転して青ざめたその顔は、まるで憑き物が落ちたかのようだ。
「大丈夫。気にするな」
 つむじに唇を落とすと、そのまま額を肩に押し当ててうなだれる。

「時々・・・。篠原さんが、気になって・・・」
「うん」
 首筋を優しく愛撫しながらこめかみに唇を押し当てる。
「家の繋がりとか、色々事情があってのことなのはわかっているんだけど、どうしても・・・」
「そりゃ、あんな台詞吐かれている最中に遭遇したら、誰でもびっくりするよな」
 額に音を立ててキスをすると、おずおずと顔を上げてきた。
「・・・びっくりして・・・」
「うん」
「少ししたら、ものすごく、腹が立って・・・」
「うん」
「なんで、なんで、そんなに簡単に触らせるのかって・・・」
「そうだよな、ごめん」
 すんなりとした鼻筋に唇をゆっくり這わせると、ぷるりと睫が震えた。
「もう、あんなことはないから」
「・・・」
「ハル。本当にない。あいつも食指がわかないって言っただろ」
「それでも・・・」

 不安になる。
 あの、薄闇の帳の向こうにあった二つの影が頭から離れない。

 つきんと感じた胸の痛みをそのままに、春彦は握り締めた男のシャツに伝える。
「ハル」
 屈んできた片桐と鼻と鼻を軽く擦り合わせた後、唇をちゅっと吸われた。
「好きだ」
 また、唇を吸われる。
「お前だけ、好きだ」
 瞼を閉じて、唇を、舌を、吐息を感じる。
「誰よりも、言葉に出来ないくらい、すきだ」
 両腕を伸ばして首に縋った。
 合わさった胸が、暖かい。
 抱きしめられて、夢見心地になる。
「・・・月に・・・」
「うん?」
「月まで行って、帰ってくるくらい?」
 ふっと、合わせていた唇がほころんだのを感じた。
「覚えてたのか・・・」

 どんなに、
 どんなに。
 きみが好きだと・・・。

「そうだな・・・」
 深く、唇を求められて、求め返す。
「でも俺は・・・」
 甘い、かすかな囁き。
 互いの身体の熱が、上がっていく。
「お前を、優しく寝かしつけるだけだなんて、まず無理だ」
 唇で、心を分かち合う。
「お前が、欲しいよ」

 
 どんなに、
どれだけ、
君を好きだろう。

 指先で、唇で、語る。




             -おしまい。おつかれさまでした・・・・-





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