『キスと接吻。-2-』(片桐、篠原、池山) 

2013, 10. 17 (Thu) 07:43

 予告通りに昨日更新できず、すみません。

 今日も、朝イチで頑張っていたのですが、時間切れ。
 ・・・仕事に行かねば・・・です。
 もうちょっと続きますが、それは、まあ、その・・・ですね。
 とりあえず書いたところまで取り急ぎUPします。






   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、昔話系パロディで、『シゲルとみけ』です。
  ・・・ええと。
  健全な世界を大切になさる方々にはナイショにして下さいね・・・。
  私の頭が、私の頭がいけないんです。
  とうとう壁を越えたしまいました・・・。
  それでも。
  書きたかったのです。
  ・・・てへ。

  ともかく、楽しんで頂けたら幸いです。



 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。


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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『キスと接吻-2-』

「そういや、あの張り紙、なんでお前のせいなわけ?」
 電子レンジで温め直した揚げ出し豆腐を箸で切り分けながら尋ねた。
「んー。ロッテンマイヤーさんが激怒したから」
「ロッテンマイヤー?ここ、外国人が居住してたっけ?」
 引越ししてからまだ日も浅いので、片桐はこの居住区の雰囲気を把握していない。
 ただ、全員オーナーの森本絡みであることは聞いている。
 そして、あのようなふざけた張り紙が出来るのも、子供が一人も住んでいないからなのだと推測していた。
「いるじゃん、二階とかにペクさんとか、ヤンさんとか、ワンさんとか・・・じゃなくて、見た目がロッテンマイヤーさんな人。ほら、アルプスの少女ハイジの・・・」
「ああ、あの、執事か」
「いや、あの人はセバスチャンさん。そっちじゃなくて家庭教師の、眼鏡掛けて、こーんな目をした神経質そうな女の人だよ」
「なんとなくわかりますから、わざわざ顔を作ってくれなくて良いですよ・・・」
 アニメを実際に見たことがなくとも、画像はだれもが目にしたことがある。
「いや、マジで3Dかよって言いたくなるくらい似てる・・・つうか、そのものなんだって!」
 池山の百面相に、篠原は横を向いて笑いをこらえる。
「そんな人、いたっけ?」
 片桐が首をひねる。
 ここはある意味、森本の友人ばかり集めたシェアハウスのようなものだ。
 その、神経質そうな人、というのは相容れない気がした。
「いたんだよ、この階の3LDKに。なんか森本さんの親戚らしいんだけどさあ・・・」
「で、何があったんだ?」
「何って・・・ナニですよ・・・、旦那」
 はああーっと、悩ましげに池山がため息をつく。
「先月だったっけなあ。あの日の朝、江口の国際線に合わせて早めに出勤することになったわけよ」

 会社の方針転換で海外進出したもののトラブル続きで技術面のフォローなどに江口と立石たちを向かわせたところ、予想以上の成果が上がったため、味をしめた上層部が何かと彼らを出動させるようになってしまった。
 そのせいで、離ればなれの日々が続く。
 まだ出張扱いで転勤になっていないだけましだが、辛いものがある。
 およそ三年、ほぼ同棲してきたようなものだ。
 それががらりと変わったことに、心も身体もついていかない。
 反動で、この部屋で一緒になれば当然濃密な時間を過ごすことになる。

 問題の日も、直前まで離れがたくて絡み合った末に時間が迫り、朝食も摂らずに家を出てエレベーターに駆け込んだ。
 しかしドアがゆっくり閉まるのを目で追いながらふと見上げたら、江口と目が合ってしまった。
「・・・耕」
 名を呼んだのが先だったか、首に腕を回したのが先だったか。 
 気が付いたら、抱き寄せられて、唇を合わせていた。
「ん・・・。んん・・・、こ・・・う」
 角度を何度も変えて、互いを貪った。
 痛みを感じるほど背中を抱きしめられて、肺から酸素が抜けてしまうかと思った。
鼻と鼻をこすり合わせて、
額をぶつけ合って、
つま先がほとんど床に着かない程抱え上げられて、
太い首に縋る。
「和基さん・・・」
江口の荒い息づかいを感じて、唇が、火にあぶられているように熱い。
舌も絡め合って、唾液が顎を伝っていくのを感じた。
「・・・ん、コウ・・・」
このまま、また溶けてしまいたいと思ったその時。
チン、というチャイム音がして、扉がスライドする気配とともにひんやりとした空気が入ってきた。
そして。
「・・・な、なにやってるんですか、あなたたち・・・!」
 攻撃的な声色に二人は抱き合ったまま振り向いた。
 そこには、顔を真っ赤にして打ち震える、四十がらみの女性が立っていた。
 髪の毛一本乱れなく、ぴしりと結われた頭に、冷たそうなメタルフレームの眼鏡、そして高級そうだが地味な紺色のスーツ。
「・・・ろってん、まいやーさん?」
 池山の、無意識の一言がさらに沸点を上げたことは言うまでもない。

「その後のことは、思い出したくもない・・・っていうか、覚えてないな、恐ろしくて」
 本当に時間のない江口は先に行かせて、早朝から森本をたたき起こして三者面談という羽目になった。
「驚いたことに、彼女、アレで三十前半だって言うんだ、詐欺だろ・・・!」
「・・・そこは、苦悩する所じゃないと思います」
 篠原の冷静な突っ込みに、片桐が吹き出す。
「いや、マジでガチガチのがっちがちで、前世紀すぎる女だったんだよ」
「で、森本さん、どこにいたんだ?」
 彼の所有するマンションはこの近所にもいくつか有り、それぞれ一角に自室を設けているだけに、神出鬼没だ。
「ここの八階。まるで示し合わせたようにな」
「と、いうと?」
「あの女、親族が差し向けた刺客で・・・」
「おいおい」
「いや、マジ。森本さんの許嫁だって言い張って、これがまた」
「ああ・・・。押しかけ女房的な?」
「そうそう、熨斗つけられても結構です、的な」
 もう、そのネタは聞き飽きたと言わんばかりに、篠原が頬杖をついた。
 つい先頃、似たような騒動を片桐中心に起こしたばかりだ。
「・・・森本さんの、資産ってどのくらいなの、実際」
「見当つかねえな。欲は全くないくせに、もうけの嗅覚は強いときてる。ピンポイントで投資したのか、全部大当たりなんだから、相当な額だろ。天性の山師だよな、あの人」
「しかも、独身ですからね・・・。今まで、色々な女性を差し向けてますね、親族の方々」
「秘書さん、調べたんだ」
「ええ。それが仕事ですから」
 篠原の言う「それ」が何のことを指しているのか、恐ろしくて聞く気にもなれない。
「今回のコンセプトは『秘書兼妻』だったようですね。財産管理系に長けていたみたいです」
 端末を軽く叩いて画面を見せた。
「この方でしょう?」
「ああ、それそれ、な、ロッテンマイヤーさんだろう?」
「コスプレかと言いたくなるくらい、ロッテンマイヤーだな。周りは指摘したことなかったのか?」
「・・・怖くて言えないんじゃないですか。こういう方の場合」
「たしかに」
 乾いた笑いが三人の間で広がる。
「で、どうやって撃退したんだ?ちょっとやそっとじゃ引き下がらないだろ」
「うん。ついでに、俺たちみたいな変態がいると森本さんが汚れるとかふさわしくないとかって、そりゃもうたいした騒ぎで・・・」
「森本さんは?」
「へらへら笑ってた」
「ああ・・・。そんな感じだな」
「で、そこに奥の部屋から女の子達がどやどや出てきて」
「女の子?」
「横浜の多国籍ガールズバーの従業員達が泊まっていた・・・と言うか、寮にしてたんだな、多分」
「それは、気が付かなかったな・・・」
「私も存じませんでした・・・」
「足と胸むき出しでぴちぴちの肌したかわいこちゃんたちが片言で『モリモト、ドシタ?』『ナンカ、コマッタノ?』なんてさえずってハグしてくるから、ロッテンマイヤーさんも泡を吹かんばかりだったよ」
「汚れるも、くそもないよな・・・」
「意外と身内だと気が付かないのかもしれないな、財産抜きでもかなりもてるのに」
「そうなんですか?」
「そうだとも。ブラックホールかってくらいに、森本さんに吸い寄せられていくんだよな、恐ろしいことに、・・・」
 老若男女問わないモテ男ぶりなのだ。
 何度か一緒に飲みに行った片桐と池山は、森本の神業を目撃している。
 彼は、見た目でいうならば中肉中背のごくごく普通の男だ。
 ひょこひょこした動きと、常に浮かべた笑いは軽薄にすら見える。
 むしろその軽すぎる空気が、女性の警戒を解き、するりと心を掴んでいるのだ。
「まあ、そんな男に太刀打ちできるわけないよな・・・」
 結局彼女は足音も激しく退場し、ついでにマンションからも速攻で去っていった。
 森本はといえば最初から最後までにやにやと笑い、状況を楽しんでいるのは明らかだった。
「それで、あの張り紙」
「そ。シャレというか、嫌がらせというか・・・」
「シャレと言うにはたちが悪いよな・・・。むしろ魔除け?」
「まあ、家賃は相場の半額以下だから、多少森本さんの玩具になるのは仕方ないよなあ」
 このマンションは立地条件、内装ともに破格の快適さだ。
 よそに引っ越すというのは考えられない。
「そういうもんか?」
「そういうもんだと思うしかないじゃん・・・」
 テーブルに突っ伏してよよと泣き崩れる。
 しかし立ち直りの早い池山はすぐに顔を上げて、にたりと笑った。
「で、片桐はほんっとーにやってないの?」
「は?」
「キス」
 んーっと唇を尖らせて差し出してきたのを、びたんと、はたき落とした。
「誰がやるか、馬鹿たれが」
「あ。ひどい」
 


  -もうちょっと、つづく-





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