『ハーモニー』-1- 

2013, 09. 11 (Wed) 20:02

 本当は拍手御礼に使うつもりだった話が、長くなってきたので、これも結局普通掲載にします。

 ・・・どないしよう、もう、9月も半ばだよな。
 もう一つの話も中断したままなので、気が遠くなっています・・・。

 とりあえず。
 出来ることからしますね。

 今回の話は、時系列としては前の『女王様と俺-夏の終わり-』の割とすぐ後です。
 会話ばかりの話ですが、楽しんで頂けたら・・・。
 嬉しいです。

 BLジャンルにするには心苦しいのですが、まあ、池山がいるということで勘弁して下さい・・・。


 明日はちょっと忙しいので、与太話になるかと。
 ただ今、円陣さんの例のイラスト集が届いて、ウハウハです。
 文字通り垂涎ものでしたわ・・・。





   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、真神家次男と三男で、『秘密の花園-貴婦人- 』です。
  タピスリーを二人で見に行ったという設定で。
  起伏のない話で申し訳ないのですが、どうでしょう。

  楽しんで頂けたら幸いです。
 

 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。


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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『ハーモニー』

 まるで、対になるかのように2つの声が絡み合う。

 Are you going to Scarborough Fair?
 Parsley, sage, rosemary and thyme,

 ともすると互いの息のかかりそうなほど近い距離で、見つめ合い、微笑んで歌う。
 しかしそれは、恋を語るよりも、もっと深い、魂の共鳴のように見えた。


「すみません、篠原さん。もしかして、池山さんと待ち合わせですか?」
 覚えのある声に顔を上げると、唇の綺麗な美女が、少し困惑したように傍らに立っていた。
 彼女の名は橋口弥生。
 今、頭に浮かべていた女性の友人の1人だ。
 「そうですが・・・」
 こちらも、困惑の色を隠せない。
 そもそも、この中華料理屋の半個室へ呼び出したのは池山だ。
「・・・実は、私も池山さんから招待されたのですが、篠原さんがご一緒とは聞いてなくて」
「・・・ですよね」
 しかし、彼の頭の中では3人で食事をすることに決めていたのだろう。
 席を立ち上がり、向かいの椅子を引いた。
「とにかくお座り下さい。お疲れでしょう」
 今日はまだ水曜日。
 池山達がメインテナントとして入っているオフィスビルの受付嬢を勤める橋口は、単純に考えて先ほどまで仕事だったと思われる。
「ありがとうございます」
 背筋をすっと伸ばして歩み寄り、なめらかな動作で椅子に腰掛けた。
「さすが、篠原さんですね」
「え?」
「エスコートがお上手。一つ一つの動作が洗練されていて時々見とれます。お育ちがよいのですね」
 これは、よく言われる。
 たいていの人には微笑みで煙に巻いてしまうが、目の前の女性には正直でありたいと、急に思った。
「いえ・・・。実は、単なる訓練の賜物なんです」
「あら、そうなんですか?」
「はい」
「ふうん、そうなんだ」
 背後で脳天気な声が割って入る。
 2人で視線を上げると、そこにはスーツを綺麗に着こなした池山が立っていた。
「悪い、お待たせ。俺も混ぜて?」
「まぜるもなにも・・・」
 橋口が、仕方のない人、と苦笑する。

「まあ、もともとは弥生ちゃんにお礼がしたかったんだけどさ」
 それぞれの好みで適当に頼んだ料理を小皿に分け合いながら、池山がようやく今夜のコンセプトを話し始めた。
 数日前に顧客が池山を訪ねてきたが、渋滞に巻き込まれていたため帰着が少し遅れてしまった。
 そこで、本当は休憩時間だった橋口が急遽相手をして時間稼ぎをしてくれ、事なきを得た。
「でもさ。俺と二人きりで食事したら、噂になっちゃうだろ?」
 昔、長谷川生とホテルの最上階のラウンジで酒を飲み交わしているのを騒がれたことがある。その後も彼のそばにいる女性は取りざたされた。
「秘書さんと三人なら、文句ないだろうと思って」
「・・・別の意味で噂になると思いますよ。いや、良いですけどね、今更なので」
 美形二人に挟まれて食事。
 もしもこれを見かけた人がいれば、あっという間に話題になるだろう。
「色気も何もない、庶民派中華だからダイジョブ!!」
 ぐっと親指を突き出す彼に、二人はようやく納得した。
「ああ・・・」
「それで、中華・・・」
 しかし、池山の猛烈な食べっぷりを目の当たりにして、果たしてそれが真実なのか迷うところである。
「でも、どうして私なんですか?」
 素朴な疑問を投げかける。
「啓介さんとか、他にもいらっしゃるでしょう」
「んー。俺が、秘書さんに会いたかったんだけどさあ・・・」
 池山にしては歯切れが悪い。
「江口が、秘書さんと二人きりで会うと、怒るから」
 橋口と篠原は、箸を止めて顔を見合わせた。
「なんですか、その、一石二鳥的な答えは」
「いえ、それよりも、のろけですか、池山さん」
 どちらとも二人きりで食事をすると、恋人が妬くからこの際一緒にした。
 そして、おそらく彼は中華料理を物凄く食べたかったのだ。
「い、いや、それだけじゃないよ?」
 慌てて両手を振る池山にますます疑惑が深まり、二人の眉間に皺が寄る。
「ほらこの間、本間と佐古が仲良く歌ってんのを見て、すんごく秘書さんが落ち込んでたような気がしてさ、その辺、弥生ちゃんに解説してもらった上で今後の対策建てようかと思った・・・んだけど・・・あれ?」
 焦るあまり、直球を投げてしまった。
 篠原の顔が一気に固まった。
「・・・いけやまさん・・・」
 橋口が、はーっとため息をつくが、もう遅い。
「・・・あ。あれ?俺、もうちょっとうまーく、話を持って行くはずだったのに」
 唇に手を当てて、小首をかしげた。
「ごめんね?なんか、俺、腹が減りすぎてたみたい」
 きゅるん、と上目遣いに見上げられ、篠原と橋口は絶句した。
「・・・」

 どうしてくれよう、この男。

 しかし、そんなところを可愛いと思い始めたあたり、自分も毒されてきている。
 確かに、二人きりはキケンだ。
 江口耕は正しい。



   -つづく-





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