『女王陛下と俺-夏の終わり-』-4- 

2013, 09. 06 (Fri) 10:16

 昨日、天気が良かったので洗濯機三回回してがーっと寝具をまるっと洗い尽くして・・・。
 家事が済んだら時間があいたので、えいやっと出かけました。
 向かったのは博多から特急で一時間のところにある、話題沸騰中の某図書館。
 なんせ午後からの出発で夕飯前に戻らねばならないので滞在時間が短く、なんと温泉にも湯豆腐にも指一本触れないまま、タッチアンドゴー的な突撃で終わりました。
 が。
 行ってみて良かったです。
 視察の人で混み合っていて、なかなか興味深かったですよ。
 しかしあまりにお腹が空いたので、結局、コーヒーとスイーツを喰らってしまいました。
 その間のロスタイムに悔いが残ります。
 しかも駅から往復タクシーだし。
 私ときたら根性なさすぎる・・・。
 しっかりお金を落としまくってるじゃん・・・。 
 それにしても、これほど公立図書館を虐げている国って先進国では日本くらいでしょう。
 為政者が唾を飛ばして言うほど無駄な出費№1ではないと思うけど、どこの地方で予算削減の格好の的ですね。
 どうして?と、首をかしげてしまうのですが、それは個々の愛着の違いなのかな。
 物心ついた時から図書館が身近だった私としては、ちょっと、納得できない部分があります。
 新しい試みを全否定する気は無いけれど、あれは・・・。
 ただのオシャレスポット・・・かな。
 ごめんなさい。
 私の中で、あれはすでに公立の図書館ではないです。
 だって、その場にいたほとんどの人が所蔵されている本に興味を示していないのだもの。
 百歩譲ってもうあれは私設だとしてしまえば、こんなにもやもやしないだろうに。

 愚痴になりました。
 毎度毎度お目汚しですみません。

 そんなこんなで、身体よりも心が疲れ果てて更新できませんでした。
 色々考えすぎて、頭がぱんぱんで、逆に夜眠れませんでしたわ・・・。

 それよりも、「女王様と俺-夏の終わり-」、今回をもちまして完了です。
 忙しかった・・・というより、収拾が付かなくなりまして。
 本当は、ブルマーの話と、体育祭が盛り上がると進学率が低くなる話を書くためだけに立ち上げたはずが、色々な方向に飛んでしまい、欲張って伏線なんか仕込みまくったので、長大になってしまいました・・・。
 ダラダラと長いだけで、退屈かもしれませんね。

 それでも、楽しんで頂けると良いな。

 



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  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、真神家次男と三男で、『秘密の花園-貴婦人- 』です。
  タピスリーを二人で見に行ったという設定で。
  起伏のない話で申し訳ないのですが、どうでしょう。

  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
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  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『女王様と俺-夏の終わり-』-4-

 本間達アルバム探検はそのまま続いた。
「それにしても、この高校って、体育祭、力入れてるね~。文化祭はわりとテキトーなのに」
 なんとか復活した立石が、またもや律儀に答える。
「他の高校はどうだったか覚えてないけれど、うちは学生が飲食店を出すのを禁じていたから、ちょっと盛り上がり欠けていたんだよ。バザーもなし。外部業者以外売買禁止」
「ああ、なるほどね」
 その盛り上がりに欠ける文化祭はさらっと通過して、体育祭のページをくまなく探索した。
「あ。三年生の時は生さんと同じチームだったんだ。小山内真矢も一緒ね」
「・・・なんか、凄い顔ぶれですね。しかも全員学ラン・・・」
「見応えあるわね、この中央四人の迫力は」
 そこには、応援合戦の時に撮影された物だった。
 中心に小山内とすらりと背の高く顔の整ったの青年、その脇を長谷川と立石が固めていた。
 小山内も長谷川も背が高く、束ねた長い髪が宙を舞っている。
 欧米系ハーフにも見えるくっきりとした顔立ちで女性的な体つき、そして優雅な微笑みを浮かべる小山内と、長い髪をポニーテールに結っていてもきりりとまるで武士のような出で立ちの長谷川。
 そして、頤の細くて目元が甘く手足の長い青年と、水泳で鍛えた身体がかなり出来上がりつつある立石は硬派なイメージが、見事に合わさり、周囲の視線を集めているのも映り込んでいた。
「女子方の組長が小山内で、副が長谷川、男子の組長は・・・」
 何度も見たのだろう。
その写真の立ち位置をマグカップ片手に宙を見ながら説明しようとして、途切れた。
「・・・立石さん?」
 アルバムから顔を上げて本間が呼びかける。
「・・・組長が樋口で、俺が副長だ」
 一拍おいて、やや硬質な表情で続けた彼に、全てを悟った。
「ああ・・・。この人なんだ」
 樋口賢吾。
バスケットボール部の主将。
そして、開の、遺伝子上の父親。
 この場にいる全員がおおよその事情は知っている。
 若い恋が成就しなかったばかりか、今も禍根を遺していることも。
「・・・なあんか、納得いかないわ~。いない人の悪口は言いたくないけど、なんでこの人かなあ」
 むむ、と本間は唇をへの字に曲げた。
「んん?成分90%爽やか~で出来てる感じの、好青年じゃない。なんせ、顔が良いし」
 自他共に認める面食いの橋口は、バスケットボール部のページをめくり、反論する。
「顔は認める」
 片手を上げて、厳かに同意した。
「確かに、顔は、ものずごく良いですね。今で言うなら、特撮系ヒーローに出そうな感じで・・・」
「カイ君、将来はけっこう格好良い男の子になるかもね」
 にんまりと橋口が肉厚的な唇を上げて笑うと、「それも認める」と本間は肯いた。
「でもね」
 テーブルに頬ついて、物憂げにため息をつく。
「なんか、この時が頂点って感じ?あとは坂を転げ落ちるだけって感じ?」
「うわ、女って残酷」
 リビング組唯一の男子である池山も、本間の毒舌にさすがに引き気味だ。
「男だって似たようなもんでしょ。好みじゃない子にはとことん残酷という点において」
「う・・・」
 ぐうの音も出ない。
「それに打たれ弱そうって言うかあ・・・」
「ああ!!たしかに、そうかも!!」
 ぽん、と橋口が手を叩いた。
「お母さんが舐めるように可愛がれてきましたって感じよねえ。まあ、私が親だった場合でもそうなりそうな予感がするわ・・・」
「・・・自分をよくわかってんじゃん、弥生ちゃん」
「だから、次は中道を行こうと思ってはいるんですけどね。・・・」
 ぐるりと室内を見渡す。
 悪戯好きの猫のように奔放でフェロモンの塊と囁かれる池山、知性が前面に押し出された怜悧な美貌の篠原、天才と呼ばれつつもまるで海外のモデルのように華やかでいながら柔らかな雰囲気の佐古、半年前とはまるで別人かのように急激に男らしさを増し、仕事面でも頭角を現している片桐、そして、同性がうらやむような均整のとれた体つきと有能さを持ち合わせていながら何よりも包容力が勝る立石。
 この豪華メンバーに囲まれて、面食い街道も孤高の域まで極めてしまいそうだと、内心ため息をつく。

そして、彼らが揃いも揃って、運命だと思う人がいるのがミソだけど。
この、居心地の良い空間でしばらく休んだら、また誰かを好きになりたい。
素直に思えるようになった自分に、つい、笑みが浮かぶ。
大丈夫。
もう、かなり元気になった。

「それにしても凄い盛り上がりぶり。生さんも小山内さんも本気顔だし」
 中学生の時からダンス教室に通っていた二人がダンス指導に入ったため、見応えのある構成になってかなりの点数を稼げた。
「まあ確かに。いつも冷静でちょっと皆と距離を置いてるあいつらにしては熱くなっていたし」
 彼女たちと親しくなりたかった同級生達は喜び、それがさらに場を盛り上げた。
「距離置いてたの?彼氏はいたでしょ?」
 彼氏はいた。
 常に、誰かがいた。
 だがしかし。
「同級生とは、一度も付き合わなかったよ。いつも、年上でステータスもありそうな人が迎えに来たりしていた」
「それで油断したんだ、立石さん・・・」
「うん。子どもは相手にしないんだと思ってた」

 それを言い訳に、勇気のないままうろうろとして。
 たまたま告白してきてくれた子と付き合ったりした。
 結局、友達以上に好きになれなくて気まずい終わりを何度も繰り返し、何度も後悔したけれど。
 諦めきれないくせに、強引に前へ進む勇気もない。
 完全に拒絶されるのが怖くて、物わかりの良い男のふりをする。
 その頃の自分と、全く変わらない。
 あれからずいぶん経つのに。
 自嘲している場合ではないけれど、つくづく自分が嫌になる。

「・・・ま。予測が付かないのが人生だろ」
 ぽそりと池山が呟いた。
「誰が想像するかよ。こんなノリノリになって踊ってる長谷川」
 アルバムを凝視する眉間に皺がくっきりと浮かんでいる。
「俺は、今、自分の目が信じられない・・・」
「・・・っ!!」
 ぷふーっと本間が吹き出した。
「た、たしかに・・・!!確かに!!ありえないよね。チアガール姿の生さんとか、ポニーテールの生さんとか、アイドル笑いしてる生さんとか!!」
 腹を抱えてゲラゲラ笑い出した本間の横で、村木が途方に暮れている。
「笑いすぎです、本間さん・・・」
 が、しかし、その向かいでは橋口が肩をふるわせて両手の指先で絶妙にマスカラを抑えながら呼吸困難になっていた。
「く・・・くくくっ。アイドル笑い・・・。たしかに、これ、アイドル笑いよね・・・。昔懐かしの・・・。意外すぎて泣ける・・・。いや、泣きたくない~」
 女子全員の顔を見るとそのような演出だとは解るが、彼女自身がそれに習うとは、確かに誰も想像したことがない。
「・・・いったいどんな写真なんだ、それ」
 リビング側の喧噪に気を取られている立石達に気づかれないように佐古はひっそりとひとりごちた。
 物凄くそそられたが、とりあえず、本気で彼女に惚れ込んでいる立石の名誉のために、あえて見に行くのをあきらめて、興味のないふりをした。
 後で、こっそり見てみようと心の中でにんまり笑いながら。

「ところで今気が付いたけど、これって三年の秋よね?県内一番の進学校よね?なのに、受験は大丈夫なの?」
 本間の素朴な疑問に、うっそりとした答えが返る。
「うちの学校には体育祭を始めて以来のジンクスがあって・・・」
「うん」
「体育祭で盛り上がった年は、必ず不作の年になると」
「は?どういうこと?」
 全員の頭に疑問符が飛び交う。
「受験そっちのけで体育祭に集中した分、結束は固いんだけど、それが仇になってその余韻が受験まで続いて・・・」
「うん」
「結局、受験モードにならないまま1月を迎えて、失敗続出だと・・・」
「え?」
「とくに俺の学年は開校以来最高の割合で浪人が出たんだよ」
「それはまた凄い記録ね・・・。でも、立石さんと生さんは一発で受かったよね?」
「長谷川はともかく、俺は下が詰まっているから、とにかく必死だったし・・・」
 妹たちはとにかく県外の大学へ行けとせっついていた。
 なだめすかされ脅され蹴飛ばされ、はては模試の結果が悪いと泣き落としまでされた暗黒の時代を思い出す。
「でも、俺も第一志望は落ちたから、ジンクスはそのままだな」
「ああ、それでイバラギ・・・」
 第一志望はおそらく都内の大学だったのだろう。
 片桐が佐古へ視線を送ると、彼は小さく肯いた。
「じゃあ、なおさら、生さんは目立ったわね」
 長谷川生はさくっと最高学府へ進学した。
 ちなみに、その年にストレートで合格したのは彼女を含めて三人しかいない。
 どちらかというと一匹狼的な性格の者ばかりだったために、生が出産したことも同期に知れ渡ることがなかった。
「そして、この爽やか君は浪人でしょ。そりゃ、プライドもズタズタのボロボロで、初めての挫折?」
 気が付いたら、樋口は「爽やか君」と呼ばれている。
「挫折というか、アッパーカット・即ダウンだな・・・。受験終えて久々にあったら、妊娠しました、それでも帝大行きます、じゃあな」
「まあ、気の毒というか何というか・・・」
「廃人同然だな。・・・というか、記憶を消し去っただろうね」
 そして、今、開は10歳になった。
 ここに来て、まっすぐに育った彼を知って急に欲しくなった樋口家と生の母方の実家である高階家が何かと接触してきて、それを避けるためにか頻繁に旅に出るようになった。
 御蔵島なら、そう簡単に追えないという思惑があったのだろう。
 そう、立石が思いを馳せていると、傍らで片桐が携帯電話を取りだした。
 メールを受信したらしく、操作を始める。
「あ、詩織だ」
 言うなり、液晶画面を立石に向けた。
「ほら。笑ってるよ?」
 そこには、子供たちと海で遊んでいる生がいた。
 笑っている。
 太陽の下で、子供たちと変わらぬ笑顔の生がいる。
 いっさいの壁を取り払って、腹の底から笑っている彼女を見て、改めて思った。

 ああ、やっぱり好きだ。
 どうしようもなく好きだ。
 
 自然と、口元に微笑みが浮かぶ。
「・・・明日、休めば?」
 静かな声が、耳に届く。
 顔を上げると、佐古がテーブルに肘を突いて視線をマグカップのふちに向けたまま続けた。
「たまには休んで、迎えに行けばいい」
 
 会いたければ、会いに行けばいいんだ。

 彼の、心の声が聞こえた気がした。

「・・・ああ、そうだな」
 画面の向こうに、澄み切った青空と入道雲が広がる。
 陽の光よりも眩しい笑顔に胸が熱くなった。
  
 季節が変わる前に、思いっきり。
 夏の香りを、抱きしめたい。





        -おわり-








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