『女王陛下と俺-夏の終わり-』-1- 

2013, 08. 23 (Fri) 19:31

 今月の拍手御礼にしようと思っていた小説が、どんどん長くなっていったので諦めて、こっちに掲載します。

 ・・・ええと。
 BLじゃありません。
 女王様と俺、ですからねえ。
 みんなが群れて雑談と、思い出話です。
 実は、メインテーマにまだ辿り着いていません・・・。

 しかも今回は珍しく立石がウツウツとしています。
 ・・・というか、どんどん凡人になっていく立石。
 いや、煩悩の塊?

 それにしても、よくつるむな、こいつら・・・。

 時間の流れとして、『お引っ越し』のあとの夏です。
 この年は、色々な話が盛りだくさんなんですよね・・・。
 予定を見てクラクラするのですが、それを文章化できない自分か歯がゆいです。

 今回の話は前後編の予定で、後編は週明けにでも。

 あ。
 このブログの小説のリンクを色々貼り忘れてまして、それを、気が付いた分だけ「ごあいさつ」に掲載しています。
 後でやっとこうと思ってそのまま忘れたんだろうな・・・。
 まるで、モズの早贄状態。
 脳みそのキャパが猫以下なので許して下さい・・・。


 ではでは、今回の与太話を楽しんで頂けると嬉しいです。


 ああ、拍手御礼、代わりに何を書くかな・・・。






   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、真神家次男と三男で、『秘密の花園-貴婦人- 』です。
  タピスリーを二人で見に行ったという設定で。
  起伏のない話で申し訳ないのですが、どうでしょう。

  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。



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 お待ちしています。





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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『女王様と俺-夏の終わり-』-1-



「・・・で。なんで今日もお前らここに来る」

 前日まで仕事が押していたせいで午前様になり、疲れのたまっていた立石徹は珍しく昼近くまで熟睡していた。
 今は、8月の末も近い、日曜日。
 リビングへ続くドアを開けると、まずソファには家主でない池山和基が主人のように寛いでいるのが目に入る。
 視線を横に流すと、ダイニングのテーブル席には親戚でたまに同居人の佐古真人、6階の住人の片桐啓介がパソコンと書類を広げてコーヒーを飲んでいた。

「俺は、佐古と打ち合わせ。池山は・・・」
「暇だったから、来た!!」
 クッションを腹に抱えてひらひら手を振る池山の姿に、軽い頭痛を覚えた。
「・・・」
これは、デモンストレーションの一環なのだろうか。
「断じて言うが、江口が更にシンガポールへ行かされたのも、今帰って来られないのも俺のせいじゃないぞ」
 ついでに言うなら、自分も三日前まで同じくシンガポールへ二週間近く滞在している。
 ここのところ立石と後輩で池山の恋人の江口耕の部署の上司達は担当分野を海外へギアチェンジしようと画策し、そのとばっちりを中堅になりつつある二人で一身に受けるはめになり、この自宅も空けがちだ。
 先月、同居人の一人だった本間奈津美が隣の1LDKが空いたからと引越ししたが、その必要はなかったかもしれないと内心思っていた。
 しかし、相変わらず誰もが好き勝手にこの家へ出入りしている。
「集会所か、ここは・・・」
 その呟きは、更に玄関の方で聞こえてきた声にかき消された。
「たっだいま~。立石さん、起きたあ?」
 起きていなかったらどうしてくれよう。
 元同居人の本間が、元気いっぱい、はち切れそうな声で侵入してきた。
 両手に、スーパーの袋を複数握っている。
「あ、おはよう、立石さん、ごめんね騒がしくて」
 寝起きだと素早く察して、てへ、と小首をかしげられ、ため息を飲み込んだ。
 半年近くの同居生活で、もはや彼女は妹のような存在だ。
 その後ろから、ひょっこり受付嬢の橋口弥生が顔を出す。
「こんにちは、お邪魔します」
 香水は付けない主義だと言うが、いつも彼女の全身から麝香系の香りが立ち上っている気がするのは、そのしっとりした美貌のせいか。
「いらっしゃい、弥生ちゃん。今日も無駄にフェロモン垂れ流しだねえ」
「もう、何言ってるんですか、池山さんこそ」
 あはははー、と、明るい応酬に、パソコンを終了させながら片桐が呟いた。
「フェロモン対決・・・。いや、大戦?」
 同じく書類を片付け始めた佐古も苦笑している。
「・・・なんか、だんだん濃くなってきたな、ここの空気・・・」
「ハルはどうしたんだ、こっちじゃないのか?」
 片桐の隣に座って尋ねると、こめかみをポリポリ搔いて物憂げに答えた。
「・・・弟に攫われた」
「・・・ああ。夏休みだもんな・・・」
 片桐の同居人の中村春彦は、年の離れた腹違いの弟と最は近密に連絡を取り、可愛がっている。
「子どもには勝てないねえ」
 佐古がにやにや笑って片桐の顔を覗き込むと、むっと唇をへの字に曲げた。
「それで、仕事・・・?」
「いや、そうじゃないって。そもそも篠原が・・・」
「え?」
「こんにちは、えっと、お邪魔します・・・」
 今度はふんわりとした長い髪が森の妖精を思わせる、小柄な女性が白いおもてを覗かせた。
「村木さん・・・?」
 春先の得意先のトラブルが縁で関連会社に引き抜いた、村木美和がおそるおそる入ってくる。
 その後ろからは、高級そうなリネンのシャツを着こなした長身の男が段ボールを抱えて続いてきた。
「すみません、私もお邪魔します」
 片桐の祖父の秘書、篠原高志である。
「ああ、そういうことか・・・」
「そういうこと」
「遅くなってすみません、ちょっと手間取りました」
 そういいながらぐるりと視線を巡らし、瞳はカウンターの中でレジ袋を開けてキャベツをむき始めている本間にロックオンした。
「奈津美さん、手伝います」
「いえ、間に合ってます」
 即答である。
 にっこり笑い返すが、目が笑っていない。
「バドミントンのラリーを見ているようだぜ・・・」
 すっかり冷めたコーヒーを飲みながら片桐がため息をつく。
「・・・まるで、そこに結界が張られているように見えるのは、私だけでしょうか・・・」
 背中を丸めつつ、テーブルの空いたスペースに段ボールを下ろした。
「これは?」
 立石が見上げると、本間と篠原の間に立ってぴょこぴょこと首を巡らせていた村木が振り返る。
「あ。それは山形の親戚からたくさん果物が来たので、皆さんで分けてもらおうと思って・・・」
「そもそもの今日の集まりは、これ。・・・うっわ、良い香り」
 言い添えながら佐古が段ボールの蓋を開けて歓声を上げる。
 中には立派な桃と葡萄がみっしりと詰まっていた。
「さすがにこれだけの量を一人で食べるのは無理なので・・・」
「確かに・・・」
 鮮度が良いうちに食べた方が美味しいだろう。
「山形ってほんっと果物うまいよねえ」
 立石の帰国と同じくしてこちらのマンション入りしていた佐古が、事の次第の説明を続ける。
「昨夜、なっちゃん経由でこの果物の話が来て、じゃあ、みんなでお昼ご飯を食べようってなったんだよ。でも、徹が帰ってくるのが遅かったから、事後承諾?」
「お疲れのところ、ごめんなさい、立石さん・・・」
 一番若い村木が、心底済まなそうな顔をして、両手を合わせている。
「ごめんな?徹」
「ごめんね、立石さん」
「・・・」
 全員の視線が立石に許しを請うている。
 一瞬、なぜだかプレーリードッグの群れに囲まれているような錯覚に陥った。
 らんらんと目を見開いた獣たちに囲まれて、家主は白旗を揚げた。
「いや・・・。そんな、俺は別に構わないけど・・・」
「おっしゃ。いいってよ!!」
 すっくと池山がソファから立ち上がる。
「じゃ、昼にしようや。俺、朝はトーストだけだったから、腹が減ってさあ」
 すたすたと立石の前を横切ってするりとカウンターの中に入る。
 あ、と、篠原が小さく呟いたのは、おそらく立石と片桐にしか聞こえていない。
「本間、どこからやったらいい?」
 水道のレバーを上げて手を洗い出した池山に、まな板でキャベツを刻み始めた本間が指示を出した。
「じゃあ、そのボウルに卵割ってもらえるかな」
「了解」
「あ、佐古さん、冷蔵庫の空いているところにその果物をいつたん入れてもらって良いですか?」
「はいはい」
 佐古もカウンターの中に入っていくのをじっとりと羨望の眼差しで見送る篠原の肩を、片桐がぽん、と叩く。
「・・・まあ、とりあえずお疲れさん。お前はそこに座ってろや」
 許しが出ない以上、本間に近寄るのは不可能だ。
立石、片桐、篠原がテーブルに座って眺める中、残りの五人が着々と昼食の支度を調えていく。
ホットプレートがダイニングとリビングに一台ずつ設置された。
「・・・お好み焼?」
 本間達がキャベツともやしとタマネギを小麦粉と卵と水で和え始めていた。
「そう。一台は俺のところのホットプレート。それでそもそも呼ばれたんだけどな」
 片桐がコンセントを繋ぎながら篠原に視線を送った。
「で、篠原を呼んだのは池山。村木さんの果物とか運ぶのに車を出してくれって」
「なんで長谷川の車じゃないんだ?」
 実は、ここから車で15分ほどの所に、立石の同級生の長谷川生の住むマンションがあり、転職と同時に村木はそこに転居し、今では本間や橋口を交えて行き来をする仲だ。
「え?だって長谷川さん、今ごろ開君と御蔵島でイルカウォッチングだろ?」
「え?」
 目を丸くすると、篠原と片桐が気まずそうな顔をした。
「池山の姉さん家族と御蔵島に一週間くらい前から滞在していて、多分、帰りは明日じゃなかったかな・・・。いないから、篠原が運転手になったんだよ」
「そう・・・。そうだったのか・・・」
 衝撃に顔がこわばってしまう。
 好きな女のスケジュールを他人から、当たり前のように聞かされるのはさすがにショックだった。
 ここ最近の忙しさを知っている長谷川からは滅多に連絡が来ない。
 それ以前に、彼女との間の深い溝が埋まらないままだ。
「あ・・・。ええとな。おれのとこの詩織も一緒なんだよ。だから俺は知ってたんだけどな」
 九州にいる妹の詩織は、昨年仲間で片桐の実家を訪ねて以来、女性陣と何かと交流があるとは聞いていた。
「・・・ま。子どもに勝てないのはお互い様ということで」
慰めに肩を叩かれ、言葉もない。

それにしても。
これは結構来る。

うなだれている立石の横に、どん、と大きなボウルが置かれた。
「徹。こっち担当な」
 これは、池山なりの気遣いなのだろうか。
 見上げると、池山が両手を腰に当ててにやりと不敵に笑う。
「さっさと焼かないと、キスするぞ」
 女性陣が「きゃーっ」と黄色い歓声を上げる。
「何故に、そこで、キス・・・」
「腹が減ってるから」
 眼がギラギラ輝いているのは、演技に見えない。
 コイツは本気だ。
「・・・わかったよ」
 ため息をつきつき玉じゃくしを手に取った。


  -つづく-










 
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