『秘密の花園-夏の夜明け-2』(真神俊一) 

2013, 07. 03 (Wed) 20:18

 書きながら・・・。
 これはBLじゃねえな・・・と、自分で突っ込みました。
 すみません、暗黒の真神家で。
 そのうち誰かが額にローソクさして、マサカリ持って暴れてもおかしくないですよね。
 池の中に、V字型に足を開いた死体が出ても、なんか当たり前・?って感じ?

 しかも、まだまだ続きますよ・・・。
 こんな筈じゃなかったと繰り返しながらの第二話です。
 こんなはずじゃなかったけれど、しかも、説明文のみですが、つなぎと思って読んで頂けるとありがたいです。

 あ、それから。
 ご新規の方も、前からいらして下さる方も、ここを読んで下さり有難うございます。
 もう七月になりましたが・・・。
 今年も半分になってしまい、かなり焦っていますが・・・。
 読んで下さる方がいる、というのは、本当に嬉しいです。
 私の中の力になります。
 拍手も、コメントもありがとうございます。
 明日もこの話の続きですが、また見にいらして下さると嬉しいです。





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  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『秘密の花園』の、真神家長男とそのつれあい。
  しかも、攻めサイドです。
  お題は『秘密の花園-夏-』(もう、なんもおもいつかん・・・)。

  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
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  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
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 『秘密の花園 ー夏の夜明けー②』




 それなのに。
 覚は出て行った。
 一言の断りもなく、ふらりと、まるで死期を悟った猫のように。

 ぞくりと、背筋に寒気が走る。
「まさか、まさか・・・。覚は・・・」
 がくがくと芝生を握り込んだ指を振るわせると、骨張った手が額に触れた。
「落ち着きなさい、俊一」

 祖父の、深い声に呼び戻される。
「覚は、学びに出ただけだ」
「・・・学び?」
 ぼんやりと見上げる俊一の頬を、固い指がそっと通り過ぎた。
「覚は、必ず戻ってくる。だから、今は、行かせてやりなさい」
 祖父の言葉がうまく理解できない。
 目を見開いたままの俊一に、噛んで含めるように説明を始めた。
「夕子の通夜の時に、覚と一晩かけて話し合って決めたことだ。惣一郎が手を打つ前に、ここを出るべきだと」
 いきなり、父の名前が出てきたことに混乱する。
「芳恵も無事出産して、憲二の成長もだいたい目処が付いて、夕子の葬儀も終えた。さすがの惣一郎もそろそろこちらに戻ってくるだろう」
 現在真神家の当主である父の惣一郎は、与党で重要な位置についているために多忙で、継母の出産にも立ち会わなかった。
 当時、発症していなかった家政婦の峰岸夕子と芳恵の実家が出産の準備を整え、祖父の秘書達や覚もそれに加わっていた。
 父は、生後三ヶ月を過ぎようとしている憲二の顔を未だに見たことがない。
 いや、見ようともしなかった。
 都心とこの真神の家は多少離れているが、俊一のように努力をすれば戻って来れないことはない。
 それをあえてしないところに、父の、意図があった。
 憲二は、決して真神家において重要な子どもではないと。
 そもそも、父は母の妊娠がわかった頃からこちらに顔を出さなくなった。なので安産祈願から始まって、初宮参りにすら参加しない冷徹さに、芳恵の親族達は内心憤りを隠せないようだった。
 かろうじて名前だけは考えていたようだが、それすら秘書の一人に持たせただけで連絡すらしなかった。
 さすがに祖父母が叱責したようだったが、忙しいの一点張りで聞く耳を持たなかったと聞いている。
 落胆する母に、祖父母を含めた真神家側の親族も出来る限りのことをしたと思う。
 しかし、その頑なな態度は、端から見れば異常だった。
 憲二は、惣一郎の子どもではないのかという憶測が流れたくらいだ。
 それを覆したのが、憲二の瞳だった。
 顔立ちは芳恵のように赤ん坊にしては整っていて、瞳は黄金色がかっている。
 直系の血を引かねば現われない特徴だった。
 祖父の子ではないかという話も出たらしい。
 それを耳にした芳恵は倒れ、以来寝込見がちな日々を送っていた。
 そんな中、頼りにしていた家政婦の一人である夕子が突然亡くなり、この本邸は一気に暗くなった。
 憲二の百日祝いも目前だ。
 ここにきてようやく、惣一郎は帰郷する気になったらしい。
 ヨーロッパ外遊から戻り次第、本邸へ顔を出すという知らせが届いた。
 それが、夕子の通夜の最中のことだった。

 なぜ、父はここまで冷酷になれるのか。
 幼い頃に偶然居合わせてしまった父と母の情事を思い出す。
 あれはまだ小学校も半ばの頃。
 覚とふざけて父の書斎で遊んでいた。
 その日父は不在で、父の机の下を秘密基地がわりに籠もっているうちに二人で肩を寄せ合って眠ってしまった。
 異様な状況に気が付いたのはそれから随分経ってのこと。
 自分たちの頭上でせわしない音と声が聞こえ始めて目が覚めた。
 覚は自分より先に起きていたらしく、声を上げようとした自分の口をふさいだ。
 机の上で絡み合っている、父と、継母。
 褒美だ、受け取れ、と冷たい父の声が聞こえる。
 それに感謝の言葉を返す継母のすすり泣きが聞こえた。
 がたがたと打ち付ける音。
 服が裂ける音。
 何か、ぐちゃぐちゃとした音。
 それは、夫婦の営みではなく、どこかいびつな、主人が飼い犬に気まぐれに与える褒美のようなものだった。
 あくまでも冷徹な父の扱いに、清廉な母は泣いて縋って受け入れていた。
 父の言う褒美、とは、先日両親に伴われて出席したパーティで自分が立派に努めたことに対するものだと、二人の切れ切れの会話から知る。
 母は、この、適当に放り投げられた肉のような褒美のために、今まで尽くしてきたのだと、男女の交わりもまだよく知らなかった自分は理解した。
 貶められ、虐げられても、抱かれたい。
 そんな母の一途な恋心を、父はあざ笑い、いたぶった。

 そして、そんな不毛な関係は、今もまだ続いているのだ。

 なぜ、そこまで残酷になれるのか。
 なぜ、そこまでせねばならないのか。
 全ては、自分のためだった。

 父は、生母の光子を心から愛していた。
 光子だけしか、見えない。
 真神家をもり立てること、そして、光子の残した俊一を高みへ上げることだけに、父は心血を注いだ。
 俊一が後を継ぐ時に、盤石であること。
 それだけが父の望みであるのは、誰にでも容易に推測できた。
 歪んでいる。
 妄執だけがそこにある。
 その歪んだ王国の中に、自分は一人囚われなければならないのか。
 机の下ですべてのからくりを知ったあの日から、父が、心底恐ろしかった。



            -つづく。-






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