『バレンタイン・ラプソディ』-4-(楽園シリーズ) 

2013, 05. 01 (Wed) 19:49

 もう五月なのにバレンタイン。
 ・・・気にしないで進めましょう、そうしましょう。
 次回は回想が終わって、池山のターンです。
 嗚呼、道のりが長い・・・。

 楽しんで頂けると嬉しいんだけど、どうだろう。
 真夏にバレンタインやるよりましかと歯を食いしばっております。

 次回は連休明けになりますごめんなさい・・・。
 明日から連休中まで仕事さ・・・。
 頑張れ私、負けるなわたし。
 連休明けたら色々楽になりますのでお待ち下さいね。
 サイト再編も連休明けに。
 ・・・ビルダー買うかな、めんどいから・・・。


   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『silent love 』の瑠佳目線での出会いの話です。
  お題は『silent love 出会い』(相変わらずなんのひねりもない・・・)。

  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。



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 お待ちしています。



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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 営業フロアの視線を一身に浴びてしまったので、場所をいったん変えて三人で額を付き合わせる。
 橋口はそろそろ受付業務に戻らねばならない時間なので、「手短に言いますね」と前置きした。
「私の従姉が数年前に玉の輿に乗ったもののヒマなんで、今はプチセレブ相手の料理教室をやってるんです」
「・・・ならほど」
 受付を見下ろす2階の打ち合わせ用テーブルを囲んでの密談だ。
 何人かそばを通り過ぎるものの、三人の醸し出す濃い空気に、触らぬ神にたたりなしを決め込み、中には迂回する者までいた。
 しかし、今はそんなことに構っている場合ではない。
「で、忙しい時だけ私が助手として入るんです。主にクリスマスディナー、おせち料理、バレンタイン。この三つは臨時講座を設けるので。今年はとくにバレンタインの希望者が多くて、奈津美ちゃんもちょっと手伝ってもらったわけです」
 隣でこくこくと本間が首を縦に振っている。
 まだ少し警戒モードなところが、ますます小動物めいていて可愛いと言ったら、パンチを食らいそうでやめておいた。
 「ん。それで?」
 頬杖をついて先を促した。
 彼女たちの話をによると、高級住宅地という場所柄とヨーロッパへ数年駐在していた経験で箔が付き、彼女の思いつきで始めたサイドビジネスは絶好調なのだそうだ。
「こちらも色々と忙しくて、朝一番の講座は免除させてもらったのですが、その片付けの時に・・・、見かけたんです」
「誰を?」
「海野さんです」
「うみの?・・・誰だっけ・・・」
 首をひねると、本間がぽそりと答えた。
「有希子さんの後釜の人。九月から事務職で入ったでしょ」
「・・・ああ」
 そういえば、そんな子がいたような。
 保坂有希子は池山の幼なじみで、同僚の岡本と結婚するまでは立石、岡本、江口の所属課の事務職で、結婚してからは同じフロアの別の課へ異動し、さらに産休育休に入った時にどうしても後任が決まらなかったので派遣で繋ぎ、九月になってからコネで中途採用した若い女性に収まった。
 ただし、池山とは接触のない部署だったため、印象はかなり薄い。
「ええと・・・。どっかのお嬢さん、だよな、コネだから」
「そうそう。旧財閥の流れのお家だったかな。とはいえ、うちに入る程度の、なんだけど、イギリス帰りのご令嬢。」
「それで、プチ・セレブ・・・」
「そう。それくらいのプチ・セレブ」
 ハードワークのこの業界に腰掛けとは言え仕事に就くと言うことは、世界を騒がすホテル王一族のご令嬢に比べたら庶民のようなものだ。
 有名私立幼稚園から大学までエスカレーターに乗り、少し留学、そして習いごとをしつつ社会勉強を数年したら結婚。
 一昔前の女性像のようにも見えるが、意外なことに今も結構存在する。
「・・・もしかして」
「はい」
「その料理教室で作ったチョコレートを、江口が受け取ったって事?」
「ご名答」
 覚えの良い生徒を目の前にした教師のような、満足げな微笑みを橋口が浮かべた。
「従姉のは菓子作りからラッピングまで面倒見るから人気が出たんです。もちろんラッピング素材もヨーロッパから取り寄せたのを色々用意して生徒同士が被らないようにして・・・。ただし、その講座の準備は私と奈津美ちゃんが昨年から取りかかっていたから紙もリボンもある程度覚えていたんです」
 だから、受け渡しの現場を見ていなくても、先ほど立石達に義理チョコを届けた本間と橋口は江口の持ち物の中から見えていたチョコレートを見てぴんと来た。
「スタッフで入った私達に気が付かないくらい真剣にラッピングしているなあとは思っていたんだけど、まさか江口さんにとはねえ」
 くふふと、本間が握り込んだ拳を口元にあてて笑う。
「ちなみに、その講座、材料費込みで一万円ぽっきり」
「え?そんなにするの?」
 思わず前のめりになって尋ねると、二人はいたって涼しげな顔である。
「まあ、安い方ですよ。上には上があります」
「いちまんえん・・・」
「でね。岡本さん達にちらっと聞いたんだけど、どうやら思い詰めた風でチョコレート持ってくる女の子、けっこういたらしいよ」
 岡本が言うなら、それはデマではなく真実にちがいない。
「なんで・・・。なに?モテ期かよ?アイツいつの間にブレイクしたの?」
 少し目眩を感じて額を押さえる。
「確実に、何回目かのモテ期ですね。いまやこのビルの夫にしたい男ナンバーワンですね、きっと」
「わけわからん・・・」
「池山さ~ん、だいじょーぶう?頭抱えている場合じゃないよ?今、江口さんは『だるまさんが転んだ』状態なんだから、キケンだよ?」
「・・・だるまさんがころんだ?」
「・・・相変わらず、奈津美ちゃん、上手いこと言いますねえ」
 はーっと、橋口が感嘆のため息をつく。
「なに、それ。だるまさんがころんだって、どういうこと?」
「ようは、ちょっと前を向いている間にだんだん・・・と、後ろから距離を詰められる感じ?どの子も悪い子じゃないけど、静か~に、じっくり、じっと~りと、しずしずさりげなく近付いていって・・・」
 がしっ、といきなり両手で腕を掴まれた。
「わっ!」
「・・・とまあ、こんな感じで生け捕りになるっていうか・・・」
「し、心臓に悪いって・・・」
「どの子もおとなしめで育ちが良いけど、こうと決めたら怖いよ?江口さんも人前で泣かせるわけにはいかないからどれも受け取ったみたいだけど、大阪冬の陣みたいに外堀からちまちま埋めていくタイプは、マジ怖いから」
 本間の瞳は真剣そのものだった。
「・・・で、オレにどうしろと・・・」
 小さな呟きを聞くやいなや、二人は顔を見合わせ、にいいと笑った。
「・・・バレンタインって、そもそも女から告白するためだけの日じゃないから」
「そうですね」
 彼女たちの言わんとすることは・・・。
「たまには江口さんをとろけさせてみたくない?」
 本間はポケットの中から小さく畳んだ紙片を開いて見せた。
「・・・それって、ほんとに秘策なのかな」
「秘策ですよ、もちろん」
「そうそう、秘策中の秘策」
・・・詰め寄る女達の笑みはますますぎらぎらと力を増し、池山は早々に白旗を上げた。
「・・・負けました」




 

         -つづく-



 
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