『春を待つ。』-3-(『シークレット・ガーデン』番外) 

2013, 02. 12 (Tue) 20:26

 あわててます・・・。
 ええと、今回これで完結。
 慌てて掲載して、どうにも穴だらけだったので、13日早朝に修正済みです。
 どうだろう。
 本当は書きたかったことの半分もかけていないのですが、これ以上加筆するとなんだかバランス悪かったので諦めてしまいました。
 載せたかったエピソードはまた別の話でも。

 ではでは。
 ちょっとRな話になりましたが、楽しんで頂けると嬉しいです。


『バレンタイン特集』も勝手に開催予定。
 今まで出た誰かを使ってバレンタインをテーマにした話をいくつか書きたいと思います。
 こちらも、ご希望がありましたら、是非。



   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『女王陛下と俺』の立石徹とその家族の話です。
  お題は『バイオレンス・バイオレンス』。

  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。



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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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  『春を待つ』-3-



 唇に、熱を感じて覚醒する。
「ん・・・」
 薄く目を開けると、勝己の顔が間近にあった。
 仰向けに眠っていた自分の上に弟が覆い被さり、腕に抱き込まれている。
「大丈夫か?」
 心配げな眼差しに、自分は気を失っていたのだと知った。
「・・・かつ・・・み?」
 声が、かすれて思うように出ない。
 すると勝己は身体を少し離してベッドサイドに置かれたボトルを口に含み、再び顔を近づけてきた。
 薄く口を開いて彼の唇を待つ。
 流し込まれた水はひんやりと冷たく、喉を潤していった。
 ほう、と息をつくと、こめかみにキスをされる。
「ごめん・・・」
 額にゆっくりと勝己のそれがこつんと当たった。
 どうやら、反省しているらしい。
「・・・なにが?」
 彼の緑がかった瞳を見上げると、何度か瞬きした。
「抑制が効かなくて・・・」
「ああ・・・」
 なんだ、と言いかけて飲み込む。
「・・・どうかしたのか?なにかあった?」
 手を伸ばして男の硬い髪を撫でた。
 子供の頃、実家で飼っていた雑種犬の手触りを思い出す。

 あの犬も、自分なりに反省している時に限って、こんな風に寄り添っていたっけ。

 口元を緩ませると、ふいに手首を取られ、手の平にやんわり口付けられた。
「あんまり綺麗に笑うから・・・」
 手の平を彼の好きにさせながら続きを促す。
「ん?」
「怖くなった」
「怖い?何が」
 まだ熱が熾火のように全身に残っていて、脳が蕩けたままだ。
 うまく、勝己の言いたいことを察してあげられない。
 指先で軽く頬を撫でると、勝己が長いまつげで伏せられていた瞼を上げた。
 上目遣いに見つめられて、一瞬身体に何かが走った。
 気を失う直前に、勝己の瞳の緑色が増し、激しくきらめいていた。
 まるで、強い光に射貫かれたような心地を覚えた。
 彼の雄芯と瞳に身体を貫かれて、これ以上は無理だと許しを請いながら乱れ、あとは真っ白になった。
 普段はとても穏やかな勝己が、この部屋では時々別の顔を見せる。
 激情に焼き尽くされるその瞬間こそ、自分が一番欲しいものだと言うことに、なぜか彼は気づいていない。
「憲が、昼間に見せた顔・・・」
「昼間?」
 ようやく合点がいく。
「ああ・・・。なんだ・・・」
 そんなことで。
 吹き出すと、強く抱き込まれた。
 広い背中にゆっくりと手を回して、ぽんぽんと軽く叩いた。
「勝己。だって、啓介はお前が・・・」
「それでも、憲があんなに優しく笑うなんて・・・」
 駄々っ子のように必死でしがみつくさまが新鮮で、つい笑いが後から後からわき起こる。
 こんな一面があったなんて。
 笑えば笑うほど、腕の力が強くなった。
 骨がきしみそうなほど抱きしめられて、もっと、と望んでしまいそうになる。
 でも。
「勝己、痛い」
 文句を言うと、彼の瞳が見慣れた弟の色に戻った。
「あ、ごめん・・・」
 ぱっと腕を解かれ、熱が逃げて行ってしまった。
 名残惜しくて、勝己の肩を押して仰向けにし、その上へ腹ばいに乗る。
 そして顎をそらして、音を立てて唇を軽く吸った。
「お前も、啓介がもしかしたら身内だったかもしれないと思ったから、可愛がってるんだろ?」
 ちろりと舌を伸ばして、勝己の少し肉厚の唇を舐める。
「それは・・・そうだけど」
 啓介の母の絢子は、この真神家と浅からぬ縁を持っている。
 今頃兄嫁と呼んでいたかもしれない女性だ。
 そして、甥と呼んでいたかもしれない、啓介。
「・・・啓介がうちにいたなら今頃、真神も少しは違ったかもな。あんな光が、うちには必要だったんだよ」
 少年のようにひたむきで純粋なのに、闇の誘惑を知らないわけではない、瑞々しい光。
 絶妙なバランス感覚と相まって、どこかほっと寛がせてくれる、そんな存在。
「それに、清乃が前にさんざん言っていた紅茶王子って、啓介のことだろ?最初は本家のタラシの毒牙にかかったかと思っていたけど、昼間に話をして、ああこいつだったのかと妙に納得した」
 政治家の長田有三および国内最大手の長楽製薬に連なる『御曹司』は、外孫の啓介を含めて結構な数だ。
 中でも、富豪と言って良い本家筋の青年達はかなり自由奔放に暮し、少年期から浮き名を流している。
 とはいえ、それは彼らの魅力に吸い寄せられる女達にも責任があるが。
 彼らの派手な行状に比べて、九州を拠点に置く啓介は堅実で地味だ。
 そんなところが逆に好感を持てる。
 おそらく、清乃もそうだったのだろう。
 いつも夫の勇仁に伴われて東京へ出る度に疲弊して帰ってくる姉が、一度だけ明るい顔をしていたことがあった。
 それからは、果物で煮出した紅茶をときどき嬉しそうに春彦と飲んでいた。
 鬱々とした毎日を送る彼女にとって、それはとても希有なことだ。
「それがまたこうして俺たちが出会うなんて、いったいどんな縁なんだか・・・」
 言葉を、勝己の唇に遮られた。
「けん・・・。憲」
 容赦ない力で舌を吸われて、付け根がぴりりと痛む。
 ここにきて、本気で妬いているのだと悟った。
 啓介を語ることを勝己が嫌がっている。
「まったく・・・」
 何度も何度も唇を吸われながら、憲二は笑った。
「何も啓介が欲しいわけじゃない。あれがそばにいるのはいいかと思っただけだ」
「・・・それでも」
 顔を両手で抱え上げて更に深く口付けられて、次第に熱が上がっていく。
 唇で、舌で、吐息で、両手で。
 身体の全てを使って訴える。
「駄目だ、憲・・・」
 まるで愛を語っているようだ。
「そんなに簡単に、あいつに、心を動かさないでくれ」
 唇に、熱を刻まれる。
「なんでだよ・・・」
 深く深く、心の奥に入れるのは勝己だけなのに。
 お門違いの嫉妬が心地よい。
「なんででも・・・」
 合わさった互いの胸の突起が次第に固くなっていく。
 背中を反らして押しつけた。
「ん・・・」
 ゆるゆると身体を揺らして肌を擦り合わせているうちに下肢も熱くなっていく。
 息が、熱い。
「俺が、嫌だからだ・・・」
 炎が揺らめく。
「かつみ・・・」
 彼の大きな手が背中を滑り、双丘を何度も何度も撫で、やがてゆっくりと意志を持って奧を押し開いていく。
「憲・・・」
 期待に、鼓動が早まっていった。
 両足を大きく開き、頼もしい腰にまたがる。
 汗ばみ始めた男の身体が、自分を大胆にさせた。
 固くしなる竿の上をゆっくりと谷間に沿わせ、何度か行き来する。
 唇を、彼の耳に寄せて囁いた。
「・・・来い」
 勝己の瞳が、深い緑に染まる。


 お前だけ。
 お前さえいればいい。

 そんな言葉を、勝己の情熱と一緒に飲み込んだ。

 お前がイイ。


 雪のように白い花が、静かに開く。

 春を、待つ。


  ―完―






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