『肉食獣的な彼女』-13-(『ずっとずっと甘い唇』番外編) 

2013, 01. 09 (Wed) 19:06

 うわ、白紙状態のままうっかりエンターキーを押してしまいました。
 慌てて内容を貼り付け直して投稿しています。

 お待たせしました、13話です。

 で。

 1時間以内に14話(最終回)を更に投稿予定です。
 長くなったので、いったんここで切りました。

 ちなみに、この話の流れで、ちょっと番外編のようなものをもう一つ用意しています。
 お題は「はつこい」。
 やはり、一応このサイトはBLと冠していますので、少しは色めいたことも・・・。

 それに関しては、また後日。

 とりあえず13話を楽しんでいただければ、幸いです。




   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『ずっとずっと甘い口唇』の本間奈津美中心です。
  お題は『聖なる夜』。

  楽しんで頂けたら幸いです。



 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。



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 とくに、励ましの拍手をクリックして下さる方へ。
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 頑張ります。

 もしもよろしければ、一言、くださいね。
 お待ちしています。



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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『肉食獣的な彼女』-13-




「ああそうだ。これもお土産に買ってきました」

 橋口がバッグの中に手を突っ込んで、取り出したのは、キャラクターもののストラップだった。
「あ。ムーミンですね」
「フィンランド、と言えばムーミンよねえ」
 女達は一斉に目を輝かせる。
「専門のショップがあったので、女子用土産に。まあ、今時ネットで買えますけど、行ってきました記念と言うことで・・・」
 橋口の小さなバッグの中からざくざくとプラスチックケースに入ったストラップが出てきて、「メアリーポピンズの鞄か・・・」と、片桐がこっそり呟いた。
「・・・でも、さりげなくムーミンよりスナフキンの方が多いね。弥生さん、スナフキンがタイプなの?」
「多分、私の知合いに好きなの選んでと言えば、スナフキンを掴む率高いだろうなと思って」
「確かに。ついつい、ムーミン一家ではなくて、スナフキンかミイを選んじゃうわねえ」
「え?私なら、ニョロニョロだけどなー」
「そう言うと思ったから、奈津美さんには、ニョロニョロを・・・」
 しずしずとテーブルに置かれて、本間が喜びの声を上げる。
「うわ、ありがとう!大切にする!!そういえば、実はヘムレンさんも好きなのよね~。やることなすこと駄目駄目すぎて~」
「お前の趣味が解らんよ、本間・・・」
 片桐が頬杖をつくと、
「いいんです-。女は謎が多い方が~」
 と、本間が返した。
「で。ムーミンのショップに行って終わり?」
 池山が先ほど一端途切れたフィンランド滞在の話を促す。
「いえ、キリスト教系の有名な建物をいくつか見て、博物館と美術館、それからマリメッコとアラビアのアウトレットにそれぞれ行きました」
「え?それ、2日やそこらでこなせるの?」
「はい。帰りは夜の便だったし、トラムが通っているし、ヘルシンキ市内だったらコンパクトですし。独りだと自分の興味のあることだけに時間をかければいいので、そんなもんですね」
「そういうもんなんだ」
「ただし、アラビアのアウトレットでは段ボール一箱分がっつり買い物をしたので、それは後ほど・・・。おいおい届きます」
 アラビアとは、北欧を代表する陶器製造会社で、テーブルウェアはもちろんのこと、洗面台やトイレまでも作ると言われている。
「何を買ったの、そんなに・・・。ムーミンのマグカップでも?」
「いえ、それはもうさすがに買わなかったのですが、あそこ、アラビア社以外の物を色々取り扱っているので。イッタラのグラスとか、ハックマンのオールステンレスの鍋とか、ロールストランドの食器とかで気に入ったものを手当たり次第でそうとう数・・・」
 ぺらぺらと呪文のように北欧ブランドが羅列される。
 いつでも冷静な橋口にしては、かなりやってしまった感が出ているのは否めない。
「買っちゃったんだ」
 失恋ハイ、恐るべし。
「ええ、買っちゃいました。しばらくこの仕事は辞められません」
 その前に、橋口の独り暮らしの部屋が北欧からの荷物でぎっしりになるのは容易に想像が付く。
「いいなあ、ハックマンの鍋、こっちで買ったらあり得ないくらい高いから、一度現地で買ってしまいたいと思っていたのよね」
 有希子はうっとりと頬に手をやった。
「身二つになったら行けますって」
 村木がフォローすると、柚木が首をひねる。
「生まれてからの方が大変っしょ?安定期に入った時が狙い目かもしれませんね。その頃には雪もないだろうし」
 若いくせになぜか妊婦に詳しい柚木は、テーブルの向かいから身を乗り出して有希子の湯飲みに茶を入れながらそう言うと、池山が制止した。
「コイツは本気でやるから、煽るなよ・・・」
 女の行動のすべての理由は、本能に直結しているとつくづく思うのは、姉の千鶴と幼なじみの有希子を見てきたからだ。


「あの・・・。そろそろお開きにしようかって下の連中は言ってるんだけど、どうかな?」

 おそるおそる、引き戸をあけて岡本が顔を覗かせた。
 ここへやってくるのに、そうとう勇気がいったのだろう、全身緊張しているのが誰の目にも明らかだった。
 しかし、この焼き肉の宴が開催されてからすでにもう2時間以上経っている上に、盛り上がりついでに二次会をしたい者も出だしたため、やむにやまれず・・・といったところか。
「ああ。こちらもちょうど落ち着いたところだ」
 片桐がさらりと答える。
 ・・・肉の宴も、暴言暴発大会もな。
 池山は心の中で付け加えた。
 今回はタイミングを間違えなかった岡本に拍手を送りたい気分だ。
「あ、竜也さん」
 居住まいを正した有希子はほんのりと笑みを浮かべて、新妻の顔になる。
 先ほどまで、呼吸するがのごとくの食べっぷりだった事など露ほども感じさせない、楚々とした風情である。。
「・・・べ、べつじん・・・」
 有希子の変貌ぶりを目の当たりにした柚木の顔が引きつった。
「・・・日本昔話のなんとか女房を思い出すな」
 夫の前では、別の顔。
 彼のいない時の姿は誰も見てはならないし、うっかり目に入った場合は口外してはならないのである。
「帰ろうか」
「ええ」
 お茶時の対決はどこへやら、見つめ合う二人の間に甘い空気が流れる。
「それじゃ、悪いけど先に帰るな」
 妻の荷物を持ち、そっと背中に手を添えた岡本に、誰も口を挟む気力はなく、愛想笑いを浮かべて手を振るのみだった。




     -14-へ続く





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