『肉食獣的な彼女』-9-(『ずっとずっと甘い唇』番外編) 

2012, 12. 13 (Thu) 23:48

 大脱線です。
 収拾が付かなくなった・・・。
 た、楽しんで頂けたら幸いです。

 慌てて更新したので、14日にも少し訂正します~。


   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『ずっとずっと甘い口唇』の中村春彦の父の勇仁と、母の清乃、そしてコドモの片桐啓介で、+1人乱入です。
  お題は『オトナの階段』。
  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。



 アクセスして下さったり、拍手やバナークリックで励まして下さる皆さんに感謝しています。
 とくに、励ましの拍手をクリックして下さる方へ。
 面倒な操作なのに、本当にありがとうございます。
 頑張ります。

 もしもよろしければ、一言、くださいね。
 お待ちしています。

 そういえば、もうすぐ次の小話締め切りですが、今のメンバーなどでリクエストないでしょうか?
 たとえば、どれかのカップリングでクリスマス、とか。
 そういや、『ずっと~』は四月に入る頃に結末でしたね・・・。
 時間的にその後のクリスマスでも、それ以前のクリスマスでも構いません。
 こんな感じの話が読みたいと思われたら、迷わずメッセージ下さいませ!!

 



  記事の一番下の『拍手』ボタンをクリックして頂くと小話をご覧になれます。
  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『肉食獣的な彼女』-9-




「まさに、初雪のような人でしたよ」
 サムゲタンのスープを飲み干しながら、ほう、と橋口が息をつく。
「まさかとおもうが・・・」
 毒も皿も一緒に喰らう勇気を振り絞って片桐が尋ねた。
「まあ、そのまさかですね。ほぼお初を頂きました」
 魅惑的な唇が、完璧な形で笑みを作る。
 むせかえるほどの色気に、若輩者の柚木がチヂミを喉に詰まらせた。
 目を白黒させて苦悶するその姿を見ているうちに、川で洗濯をしている女の太ももを見てしまったばかりに高僧が一発で煩悩に落ちた昔話を一同は思い出す。
「研究系は多いだろうなあ。出会いがなさそうだし」
「ましてや、キャバクラやフーゾクに連れて行く上司もいないしねえ」
 うんうんと池山と本間が肯く。
「こんなにまっさらな男が世の中にいたんだって驚愕しましたね。むしろ、こっちは汚れまくっててごめんなさいって感じで」
「いやいや、橋口さんはフツーだろ、今時」
 池山のフォローに、「でも、そんな奥手な人だったら、かえって苦労しそう」と、変らぬペースで肉を口に放り込んでいる有希子がしみじみと感想を述べた。
「ええ。半年かけてさりげなく外堀を埋めて、お付き合いが始まってからはキスまで1ヶ月、さらに時間をかけてクリスマスにかこつけてなんとか部屋に招き入れて・・・ってとこです」
「本当に、今時珍しい交際だな」
「いつでもソッコーで寝るアンタが基準じゃ、誰でもそうよ」
「俺はいつでもニーズに応えただけだけど・・・」
 ドスッと有希子の拳が池山の横っ腹を突いた。
「今思えば、かなり猫を被っていましたね。彼に引かれないようにって」
「まあ、女は誰でもそうじゃない?気持ち的に前の男はリセットだしね」
「ああそうそう。そんな感じです。色々お付き合いした人はいるけど、私にとっても彼は初めての人でありたいというか」
「なるほど・・・。確かに・・・」
 また、女同士で納得し合っている。

「はいはーい。ここで、皆さんの記憶力ちぇーっく!!」
 本間がスプーンをマイクがわりに口元にあて、もう一方の手を高く上げた。
「過去から遡って、現在に至るまでお付き合いした人の名前、全部フルネームで思い出せますかぁ~?」
「お前、肉に酔ってるのか・・・」
 片桐が眉をひそめると、んべーっと舌を出しておどけてみせる。
「いいえー。生憎と、素面です~」
「はい、質問。お付き合いとは、どのレベルのことを言いますか?」
 大まじめに池山が挙手した。
「それは、ご本人の基準にお任せします-」
「キスにしろ、セックスにしろ、肉体接触をカウントしたら、アンタの場合、108人越えるでしょ」
「そう言うお前だって、いったい何人斬ったと思ってんだよ」
 美形幼なじみペアが低次元な言い争いをしているのを眺めて、ぼそりと柚木が呟く。
「こういうのを、目くそ鼻くそっていうのかな・・・」
「せめて、ドングリの背比べと言おうよ・・・」
 村木が横から訂正を入れた。
「ん~。・・・無理。絶対無理。俺も長生きしすぎたもんだな」
 宙をにらんでしばらく指折っていた池山が片手の段階で放棄した。
「生きた年月の問題じゃないでしょ・・・・。私が今まで何人、アンタの付き合った女から苦情を喰らったと思ってんの」
 またしても、横やりがきちっと入る。
「・・・なるほど。今まで私、このお二人がとても親しいのになんで結婚されなかったのかなと思っていたのですが・・・」
「あー。そうそう、私も最初思ってました」
「親しすぎると駄目なものもあるんですねえ・・・」
「夫婦より濃いよね、あの二人」
「真理っすねえ・・・」
 最年長二人の掛け合い漫才を見ながら、若手達は人生をしんみり学んでいた。
「そう言うお前はどうなんだ?人にそんな話振っといて」
 蛇とマングース対決を繰り広げる年長者があまりにうるさいため、箸とノンアルコールビールのグラスを持って、空いていた片桐の向かいの席へ移動してきた本間に、頬杖突いて片桐は尋ねる。
「私はこう見えて情が深いからですねえ。一人一人が結構長かったりするので、実際はたいした人数じゃないな。
高校から始まって片手をちょっと越える程度よ。片桐さんは?」
「俺は・・・」
 しばらく腕組みをして考えたあと、ぽつりと言った。
「付き合うって本当にどういうのを言うんだろうな」
「ふうん?」
 ちろり、と本間が唇を舐めたのを片桐は気づかない。
「みんなそれなりに真剣だったはずだけど、今となっては付き合っていたと言えるかどうか・・・」
 前屈みになって、テーブルごしに話の続きを催促した。
「それで?」
「あいつ以外の名前を、俺は思い浮かべることができない」
 それまで縦に横にと大混戦だった会話が、片桐の一言でしんと静まりかえった。
「え?」
 驚く片桐に、全員がいっせいに笑い出した。
「うわ、うっわーっ!ごちそうさま!!」
「凄いのろけだ~。さすが片桐さん」
 慌ててその場を取り繕うとするが、大盛り上がりである。
「・・・あ、別にそういうつもりじゃなくて・・・」
 片桐の耳が朱に染まるのを見て、柚木が首をかしげた。
「え?やっぱヨリを戻したんですか?指輪のカノジョ」
 ハリー・ウイストン?と隣で村木も口にする。
「いやいや、それはだからカウント外。そんなんじゃなくてね~」
 おどける本間に片桐は飛びかかり、テーブルごしに口をふさぐ。
「余計なことは言わんでいい」
「いや~いいたい。この口がぜひとも言いたいと言ってるわ~」
 この盛り上がりっぷりを、階下の男達が実は戦々恐々と伺っていたことを知るのは、後のことである。




     -10-へ続く





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