『肉食獣的な彼女』-8-(『ずっとずっと甘い唇』番外編) 

2012, 12. 11 (Tue) 18:19

 今日はいつもより早めにお届けします。

 今から表玄関トライしようかな・・・。
 絵本の話をしたくてうずうずしています。

 ところで、ようやく橋口嬢語る、です。
 その前哨戦で今回終わってすみません。
 次回が真打ち。
 話がかなり弾んでますが、彼女たちは箸を止めたわけではありません。
 ひたすら食いながら話しているとご想像下さい。



   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『ずっとずっと甘い口唇』の中村春彦の父の勇仁と、母の清乃、そしてコドモの片桐啓介で、+1人乱入です。
  お題は『オトナの階段』。
  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。



 アクセスして下さったり、拍手やバナークリックで励まして下さる皆さんに感謝しています。
 とくに、励ましの拍手をクリックして下さる方へ。
 面倒な操作なのに、本当にありがとうございます。
 頑張ります。

 もしもよろしければ、一言、くださいね。
 お待ちしています。

 そういえば、もうすぐ次の小話締め切りですが、今のメンバーなどでリクエストないでしょうか?
 たとえば、どれかのカップリングでクリスマス、とか。
 そういや、『ずっと~』は四月に入る頃に結末でしたね・・・。
 時間的にその後のクリスマスでも、それ以前のクリスマスでも構いません。
 こんな感じの話が読みたいと思われたら、迷わずメッセージ下さいませ!!

 



  記事の一番下の『拍手』ボタンをクリックして頂くと小話をご覧になれます。
  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『肉食獣的な彼女』-8-




「ここの男の人たちを見ていると、つまんない男に煩わされていたのが馬鹿みたいですね」
 村木が湯飲みを両手に抱えてぽつりと言った。
「・・・言っとくけどな、下の階は今頃無礼講の下ネタ満載だからな。片桐のところの吉田課長がいないからさすがに脱ぐヤツいないと思うけど、村木さんはその辺覚悟しといた方が良いだろう。男ばっかの仕事場だから」
 そもそも、アンタもちょっと前まで脱いでたじゃんと有希子から横やりを受けて、うるせえよと池山が歯を剥く。
「それでも、前の職場よりずっと良いですね。なんていうのかな。明るいエロ?」
「ああ、わかります!!そうそう、ここって開けっぴろげすぎて、エロい話もエロくないですよね」
 ぽん、と橋口が手を叩く。
「もう、畜産の繁殖を話しているような感じ?どこかドライというか」
「いやいや・・・。君たちの話は十分生々しいですよ・・・」
 密かに男達が小刻みに首をふるふると振った。
「少なくとも、飲ませて潰してどこかでやってしまえ、なんて股間を熱くしていないのが解るから良いんです」
「・・・は?」
 爆弾投下した橋口の手元を、まじまじと片桐が覗き込む。
 彼女の手に握られているのはジンジャーエール。
 ・・・アルコールは入っていないはずだ。
「やだ、そんなのいたの?」
 きゃっきゃと笑いさざめく魔女達は至って平静である。
「ええ。思春期過ぎた頃から、いろんな男に顔と身体がエロいエロいと言われ続けましたからね。単なる雑談なのか、やらせろと言いたいのかくらい見分けが付きます」
「ああ・・・。そうだね、弥生ちゃん、ここの受付になるまでけっこう漂流してるもんね」
 確かに、橋口の小さな白い顔と細い顎の中で濡れたような黒い瞳と大きめの厚い唇は非常に目立ち、男達の性欲をそそる。しかも、身体は日本人離れした凹凸ぶりで、瀬川美咲よりはるかに肉感的だ。
片桐達だとて友人として線を引いていなければ、本能的にかなりそそるものがある。
「まず本格的なセクハラ洗礼は、新卒の時の就活でしたね・・・。あの頃、怒らせる面接が流行っていたのか、とにかく、仕事の能力よりもセックスの話ばかり根掘り葉掘り聞かれました。集団面接でも、です」
 そして、あとで個人的に呼び出そうとする面接官が後を絶たなかった。
 その時点で、まずアウトである。
「一つは、私の出身大学が気に入らなかったみたいで、そこもネチネチやられましたね。よっぽどうちのOGにこっぴどく振られたんだろうとか、仕事でしてやられたんだろうとか考えることでなんとかこらえましたけど」
 橋口は伝統ある有名女子大出身だ。
 比較的裕福な家庭出身や帰国子女も多いため、卒業後は外資系に就職か親のコネで腰掛け就職。または留学を重ねるたりと、普通日本企業への就活を一般窓口からまじめに行う生徒は意外と少ない。
 彼女は普通のサラリーマン家庭で育ち、たまたま入学してしまったため、校風になじめないばかりか、その偏見と闘わねばならなかった。
「バブルはとうにはじけたのに、ブランドと男が好きな女のレッテルを貼られたまんまでしたよ」
 なんとかくぐり抜けて中堅企業に就職したのもつかの間、配属先の上司のセクハラとお局女子たちの妬みで疲れ果て、夏にはあえなく退職してしまった。
 そこからはおおむね派遣でしのいできた。
 もちろん夜や休日に専門学校へ通いながらスキルを身につけたりもしたが、なかなかそれが正社員の仕事へ直結することはない。
「そういや、あの彼氏は仕事で知り合ったんだっけ」
 あの彼氏、とは、お茶の時間に話題になったフィンランドへ追いかけていった相手のことだろうか。 
 ようやくその話が来るのかと、片桐は気が遠くなりかけた。
 そもそも、橋口が今日この席にいるのは、彼女の慰労会でもあったはずだ。
 女の話は、なかなか結末に辿り着かないと言ったのはいったい誰だったか。
「ああ、そうそう。セクハラ続きでクサクサしていたら、大学研究室の秘書の募集が出てたから一年契約で入ったんです」

 そこは、橋口が今まで見てきた中で最も静かな世界だった。
 たまたま所属した研究室は、教授を含めてスタッフ全員どこか修道僧を思わせる清廉さだった。
 ひたすら、もくもくと研究し続け、世俗にまみれる暇もない。
 いつ巡り会えるか解らない結果に向かって、昼夜を問わずに実験と検証を続けている。
 橋口は知的で静かな空間で仕事をしながら、ゆっくりと心の傷を癒した。
 仕事仲間達は時折話をしても、いつも穏やかでどこかおっとりと品がある。

 そんな中、一人のすらりとした若手研究者に出会った。
 草刈聖。
 名前もそのままに、まるで聖人のような高潔な瞳が美しい青年だった。






     -9-へ続く





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