『肉食獣的な彼女』-3-(『ずっとずっと甘い唇』番外編) 

2012, 11. 30 (Fri) 20:29

 お待たせしました、第3話をお届けします。

 私が書く女の人は、みんなどうしてこうなんでしょうね・・・。
 そもそも、私の物言いはかなり直球で、時々その場に居合わせた友人達がばたばたと倒れ伏します。
 そして、帰り道に、やってしまったこと、ふかーく反省するのさ・・・。
 口から出てしまった物は、取り返しが付かないので、どうか忘れてくれと祈るのみなのですが、そう言う言葉に限って、友人達はいつまで経ったも覚えていたりします・・・。
 ・・・ま、そういうものさね。

 この話の発端はもちろん、『ラプンツェル』です。

ながいかみのラプンツェル―グリム童話 (世界傑作絵本シリーズ)ながいかみのラプンツェル―グリム童話 (世界傑作絵本シリーズ)
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 この童話・・・というか、昔話を思いついた人も、きっと、妊婦パワーのすばらしさを目の当たりにしたのでしょうね。
 昔、仕事場の先輩で、ものすごく酒好きの人が妊娠した時に、打って変わってケーキ好きになった時は、本当に人体の神秘を痛感しました。
 なぜならば。
 出産した次の日に尋ねていくと、物憂げに彼女は『そこの冷蔵庫に入ってるケーキを持って帰って。見たくないから』と顎で示したのです。
 子供が生まれたと同時に、甘い物一切がまた駄目になったのだそうで・・・。
 他にも、冷凍タコヤキの虜になった人や、ハンバーガーをひたすら食べた人など・・・。
 けっこう、執着型悪阻の方をお見受けしました。

 まあ、そんなネタです。

 続きは月曜日。

 土日にうっかり仕事を連打で受けてしまいました・・・。
 きっと、体力気力はそれでおしまいです。

 余力があればつれづれを書きたいです。



   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『ずっとずっと甘い口唇』の中村春彦の父の勇仁と、母の清乃、そしてコドモの片桐啓介で、+1人乱入です。
  お題は『オトナの階段』。
  楽しんで頂けたら幸いです。


 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。



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 もしもよろしければ、一言、くださいね。
 根が単純なので、高速回転で舞い上がります(笑)




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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『肉食獣的な彼女』-3-



「今日はいったいみんなどうしたんだ・・・」
 肉、と言う言葉にまるで断食をしていた獣たちのように群がっていく。
 しかも、全員かなり切羽詰まった顔をしているのは何故だろう。
「見過ごせないだろ・・・」
 エクセル画面を開いて、出席者と席数の照合を始めた。
 二十人ほどの席が空いたという話だったから、銀座サーバートラブルで一緒に対処したメンバーを主に集めたのだが・・・。
「そこが、片桐さんの、片桐さんらしい所だよね・・・」
 意外とマメというか、気配りの人というか・・・。
 そんな彼の背中を気の毒そうに眺めながら、有希子に話しかけた。
「有希子さん、どうしたの?ここまでくるの久々じゃない」
 有希子と岡本・立石は同じ部署に所属していた。
 しかし、内部規定で夫婦が同じ所に所属していることを禁じているため、彼女は本間とも繋がりのない課に異動となり、仕事関係のやりとりが激減した。
 そもそもが茶道の稽古で毎週末会っているので、疎遠になる事はなかったが。
「吉田課長へうちの部長からの届け物があって。ちょうど今、お茶時だったし」
 確かに、今、橋口がチョコレートを持参して上がってきたのもお茶時だからである。
「あ。有希子さんも召し上がります?ヘルシンキで買ってきたの」
 我に返ったらしい橋口が、袋の中から一本チョコレートバーを取り出した。
「・・・ごめんなさい、弥生さん・・・」
 悲しそうに眉を寄せて、ゆっくりと首を横に振った。
「今、どうにも甘い物が駄目で・・・」
「あ・・・。そうでした」
 すごすごと差し出しかけた手を引っ込める。
 人にもよるが、妊娠すると女性は味覚と好物が変るらしい。
 食べられないものと、食べ続けたいものの境界線がはっきりと現われるらしい。
 それまで人並みにスイーツ好きだった有希子は、妊娠するやいなやケーキやチョコレートと言った類が全く駄目になった。
 そして目下、彼女が執着する食べ物は、そのものずばり・・・。
「ああ、お肉が食べたいわ・・・」
 ほう、と、切なげに整った指先を頬にあててため息をついてみせるが、その優雅な様と口から出てくる願望がどうにもかみ合わない。
 本間から聞いた話では、もともとはさほど肉が好きと言うわけではなく、フレンチなどでは魚介類を指定することが多かったと聞く。
 しかし、今や、肉で始まり、肉で終わる生活で、その執着ぶりは鬼気迫る物があるらしい。
「ラプンツェルか・・・」
 詩織のお気に入りの絵本を思い出す。
 妊婦が、魔女の庭に生えているラプンツェルという植物がどうしても食べたくて、夫に頼んで盗みに入ってもらう。しかしもちろんそれが許されるはずもなく、結局はお腹の子供と引き替えにという約束でむさぼり食ってしまう話だ。
 岡本有希子にとってのラプンツェルは、肉全般と言うことか。
「竜也さん、私には今日はこの間の銀座事件の打ち上げとしか言わなかったわ。ケンケン亭だなんて聞いてない・・・」
 心なしか、瞳のあたりがじんわりとにじんでいるように見える。
 ちょっと、感情がコントロールできないのも、妊婦の特徴だ。
 母が詩織を妊娠した時も、片桐家はそれなりに大変だった。
 いつもは理性的な母も、何か別の生き物になってしまった。
 心の奥深くで眠っていたケモノのスイッチが作動してしまう。
 それが、妊婦というものだと骨身にしみていた。
 もうこうなってしまうと、そのケモノの気持ちが解らない男達はオロオロと女の周りで衛星のように回るしかない。

 慌てて、パソコンのメールソフトから岡本の携帯電話に片桐は一言送った。
『今、奥さんがこっち来てる。ケンケン、同行しても?』
 三分も経たないうちに、岡本が飛んできたのは言うまでもない。





     -4-へ続く





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