『ずっと、ずっと甘い口唇』-60-(『楽園』シリーズ) 

2012, 10. 05 (Fri) 20:24

 ぎりぎり更新。
 風邪をいい加減治すためにごろごろしたり、家事をしたり、栗を剥いていたら、時間が無くなってしまった・・・。
 今晩のメインは栗ご飯。
 昔ホームセンターで見かけた栗の皮むき器が欲しくなりました・・・。
 おかずは手抜きで、フライパンに適当に白菜と豚バラ肉を重ねて周りにキノコを散らして酒を注いで蓋をして蒸し焼きにしたものに、ポン酢をかけてという簡単料理に。

 とにかく時間の無いまま、短いですがUPします。
 慌てているので、おかしい部分があるかもしれませんがご容赦を。


 ちなみに今日のBGMはこれ。
 ・・・まだ販売されているのかしら・・・。
 いや、アマゾンで画像が出ると言うことは取り扱っているのですよね。
 映画「ピアノレッスン」のサントラです。
 これ、確か当時のアカデミー賞総なめだったのでは・・・。
 子役のアンナ・パキンが最年少助演女優賞を取ったのですが・・・。
 今、現在の画像を探したら、私の中のアンナはもはやいなかった・・・。
 やはり欧米系の方は、女性でも少女期と成熟期は顔の形が別物ですね。
 マイケルナイマン作曲のサントラで、私がBGMに使えるのはこの一枚のみです。
 あとは独特すぎてむり・・・かな。
 幻想的なピアノ曲で、実は楽譜付き。
 私は高校までピアノを習っていましたが、譜面を見て弾くことが苦手なまま終わりました・・・。


 
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(1993/12/08)
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 どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、「ずっとずっと甘い口唇」の保坂VS.第三秘書の篠原です。
  お題は「アタシ、猫」。

 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。

 
 これからも何かご希望がありましたら、是非リクエストを拍手コメントかメールフォームでお願いします。


 ここを覗きに来て下さる皆さん、拍手やバナーを押して下さる方々、どうもありがとうございます。
 続きは月曜となります。
 しかも、まだ「真神家の一族」(←もう、自分で茶化さないとやっていけない・・・)は、もう少し続きます。
 ちょこちょこ、今現在のカップルのいちゃいちゃを挿入するという姑息な手段でお茶を濁しておりますが、どうかお許し下さいね。






  記事の一番下の『拍手』ボタンをクリックして頂くと小話をご覧になれます。
  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

 アクセスして下さったり、拍手やバナークリックで励まして下さる皆さんに感謝しています。
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 『ずっと、ずっと甘い口唇-60-』


 不運が続いた。
 精神的ショックから立ち直れないまま、清乃の悪阻は重度のまま臨月まで及んだ。
 点滴でなんとか命をつないだものの、清乃は最後まで苦しみ続けた。
 月足らずで産気づいた時も陣痛は長引き、母子ともに危険な状態にもかかわらず、立ち会った産科の医師は帝王切開に踏み切ることを渋った。

「どうして?」
 片桐は医療に詳しくないが、彼女の身体の細さと精神状態を考えると、早くから帝王切開を打診するのが自然なことに見える。
「・・・今では違うかもしれませんが、当時、帝王切開はよほどの事故でない限り出産に失敗したと烙印を押されていました。自然分娩でないと母性は育たないと。そして母性のない女性に子育ては不可能だとも。さらに心的ショックは自然分娩という荒療治でしか治せないというでたらめな見解を、祖父母はその医師を信頼していたからこそ、鵜呑みにしてしまった」
「でも、逆効果・・・だったんだな」
「そうです。俺は心拍が止まった状態でとりあげられ、母は大量出血を起こし、へりで都内の病院へ搬送されることになりました。二人とも本当にギリギリのところでなんとか助かりましたが、それがよかったのかどうか・・・」
「良かったに決まってる」
 片桐は春彦を膝の上に横抱きに乗せ、肩を強く抱きしめた。
「そんな状態でも、今は、お前、生きてここにいるじゃないか」
 両手で顔を包み込み、額と額を合わせる。
「生きているから、こうして、触れることも出来るんだ・・・」
 春彦は冷たくなった指先で、片桐の両手にそっと触れた。
「片桐さん・・・」
 暖かい。
 片桐の手から、暖かな、命の力を感じる。
目を伏せて顔を僅かに傾けると、片桐がそれを追うように唇を合わせてきた。
「ハル・・・。お前が生きていて、本当に良かった」
 暖かな唇。
 優しい吐息。
 ・・・生きている。

 命を取り留めた清乃と春彦はしばらくの療養生活を送った後、惣一郎の邸宅に増築された離れに移った。当然のごとく事件のあった初夜の離れはとうに取り壊され、庭園に改造されて、母子の居住区はそこから最も離れた場所に位置していた。
 目と鼻の先に新婚夫婦の為に建てられた新居があったが、そこは勇仁のみが暮らすことで生活が始まる。
 やがて総選挙となり、惣一郎と勇仁が立候補し、あたりは一気に慌ただしくなった。
 母を含め、秘書や親戚など総出で選挙活動を行わねばならず、地元の挨拶回りと演説、東京への根回しなどで忙しい毎日で、病身の清乃は取り残された。
 つまり、実家に戻ったところで、清乃の世界は閉じたままだった。
 凍り付いた人形が床に伏せている、それだけだった。
 母乳もあまり出ず、更に負わされた傷の痛みに堪え続ける日々の中、少しずつ光が差す。
 僅かな時間でどんどん成長していく赤ん坊を目の前にして、彼女の顔に表情が戻っていった。
 しかし、勇仁が彼女の元を訪れることはなかった。
 本宅に足を踏み入れたとしても、惣一郎に挨拶をするのみで、春彦を抱いたことすらほとんど無いにもかかわらず、世間では愛妻家で、そして長男を設けたばかりの幸せ者で通した。
 若くて美しい妻をこよなく愛する婿と、そんな彼を可愛がる舅、それを全面に押し出して好感度を上げ、やがて二人は当選。
 傍目には順風満帆に見えた。
 しかし、二人の関係は一つも変らなかった。
 清乃が何度もPTSDを発症したため、二人きりにすることが難しく、なかなか状況改善しなかったためである。
 そこで、惣一郎が一つの決断を下す。
 勇仁は若い盛りであることを考慮し、東京都内の真神家別邸とは別にマンションを買い与えて勇仁の東京での生活拠点とし、彼がそこで女性と交渉を持つこと黙認すると。
 関係者にそれを周知し、決して彼を責めてはならないと極秘の通達を出した。

 それもまた新たな火種になるとうすうす勘付いていながら、惣一郎はそうするしかなかった。
 すべては、いつまでも立ち直れない哀れな娘のためであり、不運な婿のためであり、真神家のためだと思ってのことだった。







 『ずっと、ずっと甘い口唇-61-』へつづく。







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