『ずっと、ずっと甘い口唇』-45-(『楽園』シリーズ) 

2012, 09. 04 (Tue) 19:49

 思った以上に進みませんでした。
 えーっと、「エスコート編」?
 
 いやいやいや。
 自分で茶化してどうする。

 ちょっとあまりにもつまらない感じだったので、9/5の16時くらいまでにちょこちょこ修正を加えました。
 それ以前に一度読まれた方で何が加わったか気が付かれた方は、物凄い記憶力だと思います!

 ところで、前回の記事について実は、回答を頂きまして。
 日比谷公園、夜はカップルがかなり大胆にやらかしているようですね。
 そういや、夜の横浜・山下公園のベンチもそうだった。
 両親とそぞろ歩きしていてぎょっとしました。
 もう、二十年近く前のことだけど、きっと今もそうに違いない・・・。

 ・・・つうか、兄嫁がここを読んでくれていたことをすっかり忘れていました・・・。
 おいそがしいなか、速攻でお返事ありがとうございます。
 出来の悪い妹ですみません~。
 そして、今更ながら・・・。
 あんな話やこんな話、読まれているとは、ちょっと、恥ずかしいです。
 うわ、どうしよう。
 年末の里帰りの時にどんな顔をしたらいいか悩むわ~。
 きゃーって感じです。
 ・・・まだ先だから、まあいいか・・・。
 とりあえず、実親には永遠の秘密で!!
 そこん所宜しく、兄嫁さま!!(すっかり私信)
 年末にはぜひぜひサービスさせて下さいませ・・・。

 とにかく、続きます。
 そろそろ、そろそろなんとかしろよ、片桐。
 じれったいかと思いますが、おつきあい願います。


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  そこに、小話を添付しています。
  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、「恋の呪文」の江口×池山の 『はやく、はやく』 です。

 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。
 毎月16日の正午締めで、20日頃に新作アップという形を取りたいと考えています。






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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『ずっと、ずっと甘い口唇-45-』



 頭の中がどこかぼんやりとしたまま歩いていると、先ほど片桐と別れた場所まで戻っていた。
 彼は携帯電話を耳に当てて何事か話し込んでいたが、春彦を目に留めると、少し照れたように笑って片手を上げた。
 ・・・その笑顔一つで、軽い頭痛も治まってしまう自分は重症だと思う。
 どうしてこんなに彼が好きなんだろう。
 会話を終えた片桐が携帯電話を仕舞いながら首を傾けてのぞき込む。
「間に合った?」
「はい、ありがとうございます」
「それは良かった。ところで、これからちょっと歩けるか?もう帰りたい?」
 気遣わしげに見つめられて、否と言えるはずもなく。
「・・・いえ。大丈夫です」
 首を縦に振るしかない。
「そう。じゃあ、俺についてきて」
 雑踏の中、ゆっくりと足を進める。
 そして、ふと、思いついたように振り向いた。
「手、繋ぐ?」
「え?」
「はぐれそうだから」
 右に左に人が行き交う中、当たり前の顔をして手を差し出してきた片桐に、慌てて春彦は首を振った。
「いえ、いえ!大丈夫です。どうかお気遣い無く!!」
「・・・そうか。残念だな」
 本気とも冗談ともつかない顔で笑う片桐は、様子がいつもと違って混乱する。
 彼の出生を知ってしまったからなのか、久しぶりに近い距離にいるからなのか、それすらも解らない。
「それじゃあ、並んで歩こうか」
 すっと、彼の手が背中を優しく押して、先を促した。
「はい」
 まるでエスコートされているようだと埒もないことを考え、慌てて頭を振る。そして、すぐに離れた彼の手のひらの感覚を未練がましく思い出す。
「日比谷方面で思い出した店があるから、とりあえずそこで飯でも食おう」
「日比谷・・・?」
「ああ。詩織が好きな店なんだ。東京に来たら必ず一度は連れて行けと言われる。そういやこの近くだったなと思い出して」
「詩織さんが・・・」
 詩織様、と裕貴たちが呼んだのを思い出す。
 もしかして、高級な店なのだろうかと不安になる。
「うん。あそこのオムライスは中毒性があるって、この間も夜中に電話してきて力説してた」
 オムライス?
「オムライス、お好きなんですか?詩織さん」
「うん。まあ、ロケーションとか、店の雰囲気とか、色々他にも好きなところはあるらしいけれど、あいつのイチオシはオムライスとか、カレーかな。昔から洋食屋好きなんだよな、俺たち」
 片桐の妹とは福岡に滞在している間に、けっこう親しくなったと思う。
 彼女は高校生にもかかわらず、年上の自分たちにとても懐いて、しまいには兄と両親を説得して旅に加わり、とうとう鹿児島までついてきてしまった。
 頭の回転が速く、気持ちの良い子だった。
 懐かしさも加わって、会話も弾んでいく。
 そして、そうこうしているうちに大きな公園の入り口にたどり付いた。
「こっち」
 うっそうと木立の茂る公園の中へ招き入れられてたじろぐ。
 夜の公園は人影もまばらだ。
「ここを突っ切ったらすぐだから」
 そう言って腕をとられて更に進む。
 大きな噴水にたどりつくと、明かりの少ない公園の中にぽっかりと浮かび上がるようにして、洋風の建物が建っていた。
 かなり大がかりな造りとその重厚感に少し怖じ気づく。
「大丈夫。一階の方は庶民派だから」
 またさりげなく背中をやんわりと押されて足を進めると、見本のショーケースが見えた。確かに洋食屋の趣だ。
 予約を入れていたらしく、名前を告げるとウェイターに丁寧な応対を受け、席に案内される。渡されたメニューを見ると、片桐の言わんとしていたことも頷ける。
 詩織の好物と聞いたオムライスをオーダーした後、互いにほっと息をつく。
 まもなく提供された料理は、品良く盛りつけられているにもかかわらず、どこかじんわりと懐かしい味がした。
「今、なんか懐かしいなって思っただろ」
「はい。詩織さんがお好きなわけがなんとなくわかりました」
「うん。昔は有名人御用達だったらしいけれど、こういうのが好きだったと思うと、なんか親近感沸くよな」
「有名人?」
「んーと。孫文とか?」
「・・・そんぶん・・・」
 確かに誰もが知っている有名人だが、昔過ぎる。
 思わず吹き出して笑った春彦に、片桐は嬉しそうな顔をした。
「やっと笑った。普通に笑ってくれたな」
「・・・」
 思わず顔がかあっと熱くなる。
 すると、片桐は急に下を向いてスプーンを口に運び始めた。
 少し慌てた感じを受けたが、それでも、彼の食べ方は綺麗だった。
「・・・ま、とにかく腹が減っていたし・・・。うまいな」
 そして、とても美味しそうに租借する。
「ええ。おいしいです」
 彼と食事をするのが楽しいといつも思っていたことを思い出す。
「連れてきて貰って良かった・・・」
「そうか」
「はい」
「それは良かった」

 その後は片桐の不在時に会社で起きたことを話し、吉田課長が本間に小言を毎日言われ続けていたと言うと、彼は物凄く楽しそうに笑ってくれた。
 和やかに話をしているうちに食事も終わり、コーヒーを飲みながら窓の外を眺めると、木々の中から白いものがちらりと見えた。
「あれは・・・桜でしょうか」
「うん。桜だろうな。ここはもう咲いているんだな」
 優しいコーヒーの香りの向こうから片桐がゆったりと笑った。
「後で、少し見に行ってみるか」
「はい」
 暗いと思った公園の木立が、もう、怖くはなかった。






 『ずっと、ずっと甘い口唇-46-』へつづく。







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