『ずっと、ずっと甘い口唇』-41-(『楽園』シリーズ) 

2012, 08. 17 (Fri) 19:53

 ごめんなさい、ここの挨拶の言葉をうっかり前回のものをそのままそっくり貼り付けて忘れてました・・・。
 08/17、23時30分頃にこの挨拶文、そして41話の内容を多少修正しています。

 ミスを思い出して修正しようと思ったらちょうどサーバーメンテナンスに入ってしまい、ハラハラしました~。

 そして、いつもおなじ文面で恐縮ですが・・・。

 いつもアクセスして下さる方、拍手やランキングバナーをクリックして下さる方に感謝しています。
 とてもとても励みになります。
 一気読みして下さる方にも、感謝しています。
 
 本当に、時々書いていてこれの続きを読みたいと思う人がいったいどれほどいるだろうと不安になる事があるだけに、誰かが読んでくれると言うことはやる気の元になります。
 とにかく、今書いているこの話を終わりまで、出来るだけ平日は毎日更新するという方針で頑張りたいと思います。

 初めての方も、どうか、彼らの話を楽しんで頂けると嬉しいです。

 ちなみに、ここ最近出張っていた柚木は別の話でメインの予定です。
 始めは彼をここに出す予定は、全くなかったんですけどね・・・。


 ところで、一応ご報告。↓


 『勝手ながら夏を乗り切るぞスペシャル』終了しました。

 拍手お礼ページに掲載する小話の希望を募った件ですが、結局の所、『「恋の呪文」の江口池山のベタ甘』となりました。

 ええと、他のオーダーを出したはずなのにと思われる方は是非挙手願います。
 ほんと、ここの拍手機能ってバグだらけみたいで・・・。
 反映されていない可能性もあるようなので、どうかよろしくお願いします。
 
 お礼ページを更新しましたら、またこの場でお知らせします。
 参加有難うございました~。 

 




 ではでは、ちょっと間奏的な41話ですがおつきあい下さい。

 次からは少し動きますよ~。

 あ。
 明日は週末ですね。
 今日は大好きな夜更かしフライデイでした。
 次の更新は月曜日と思って下さいませ。

 ではでは、みなさま良い週末を。




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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『ずっと、ずっと甘い口唇-41-』




 その後の巻き返しは早かった。

 情報処理についての知識を学生時代に取得していた村木は、実はこの情報管理課で一番仕事に対する理解があり、彼女の記録を元に解析するとほぼ完全に洗い出すことが出来た。
 彼女が異変に最初に気が付いたのは一月ほど前で、仕事熱心でないはずの吉川が時々早朝に通勤したり、残業をすることがあったこと、昼休みにマシン室へ入って何事か作業している様子を見かけたことから始まる。
 そして、時々、キーボード操作すらままならない年配二人組のパソコンの電源が立ち上がったままであったことなどから一つの推測が成り立った。
 吉川は彼らの端末を操作してそこから何かをしようとしている。
 あってはならないことだが、村木以外の部下四人は自席端末起動とマシン室への入室の鍵であるIDカードを鍵のかからない机の引き出しにそれぞれ入れっぱなしだったので、容易にそれらを利用することは可能だった。
 あからさまな裏工作に、ますますそれがよからぬ事だと確信した。
 しかし、付け焼き刃の状態でどれほどのことが出来るか、そしてどうしたいのか解らなかったのでしばらく知らぬふりを通して様子を見ているうちに、ターゲットが誰なのかも読めてきた。
 村木和香子。
 福岡支店で現地採用された女子社員。
 そもそも、地方支店の女子社員は処理能力の他に裏の採用条件が存在する。
 それは、容姿端麗であること。
 営業業務で顧客の歓心を得るのが容易いという目的の他に、男性社員の花嫁候補として目的の方が大きいとも言われる。
 なので、本社勤務を経て将来有望な男性が独身だった場合、あえて一度地方支店へ異動させて結婚相手を見つけるよう誘導することがあり、これを「博多人形を買う」と福岡のほうでは言うらしい。
 彼女は容姿で言うならばいかにも『博多人形枠』であったが、それ以上に仕事の処理能力に長け、学歴以外に役に立たない吉川へ思いっきり肘鉄をくれてやった。
 彼にしてみれば、田舎の女なんかちょっと遊んでやっただけでも感激するだろうと軽く考えていたのに、相手にもされなかったばかりか見下されたことがどうしても我慢ならず、いつまでも忘れられなかった。
 そんなときに思いついたのが、彼女の個人情報の流出か給与や功績の改ざん操作をすることである。困らせることが出来ればもはや何でも良かった。
 しかし、計画通りになかなかうまくいかず、朝な夕なにマシン室をうろつくことになってしまった。そして知識のないままいじり回しているうちにだんだんと手に負えない事態になっていったようである。
 一方、村木の方は彼の挙動にいずれ破綻を予想していたものの、社内の誰に報告したものか考えあぐねていた。おそらく、今回も訴えたところで火の粉を被るのは自分だろう。それどころか、主犯にすり替えられてもおかしくない。
 ならば、事が発覚するまで待つしかないかと、とりあえずとれるだけの記録をとりつづけた。
 そうこうしている間も、吉川の陰湿すぎるハラスメントは続いた。
 自分が堪えきれなくなるのが先か、露見するのが先か。
 まるでチキンレースのような状態が続き、村木が音を上げそうになったところでシステムダウンになった。
 あとは、どうするか。
 そこにやってきたのが、システム納入者のTENのスタッフである。
 彼らは、まごうかたなき救世主だった。



「このあと、彼女どうするかな」
 システムの修正とアップロードなどを経て、正常に作動していることの確認を取り終え、解散命令が出たのは結局翌日の夕方だった。
 結局、各方面関係者一同はほぼ徹夜のまま突っ走ることになった。
 銀座中継局も課長らの正式確認後、ようやく解散になり、全員その場にへたり込んだ。
 別室に設けられた特別待機室には段ボールを敷いた床に何人か転がって気を失っていて、そんな中を片桐と柚木は床にあぐらをかいて向かい合い、胸ポケットから煙草を取り出して火をつける。
 こんな時、煙草がいやに美味しく感じられるのは気のせいだろうか。
 二人で天井に向かって煙を吐き出した。
「辞めるんじゃないっすか?なら、うちの会社に欲しいっすね」
「ああ、そうだな、ここで事務してるより、俺らと動き回っているのが向いてそうだよな」
「俺、メアド交換したんですよねえ。ほとぼり冷めたらハンティングしてみようかな」
「相変わらずぬかりないな、お前」
 おおかたの予想通り、システムダウンの原因は公にされることなく、銀座様への処分も保留のまま、微妙な状態である。
 村木の記録がなければこれだけ早い対応は不可能だったが、おそらくはじき出されるのは彼女の方だろう。
 しかし、最後まで現場で立ち会った彼女の顔は晴れ晴れとしていた。
 なら、心配することはあまりないかもしれない。
「銀座様も惜しいことしたよな。あんなに可愛い子だったのに」
「いや、もともと銀座様の好みは、ほぼ夜の蝶ですから」
「あ、そうか・・・」
「もしくは、片桐さん」
 柚木たちが給湯室で伝送活動している間、片桐は吉川にベルトをつかまれ押し倒されそうになり、館内の他の職員が駆けつけて取り押さえる騒ぎになった。
 なにがなんでも片桐のイチモツを確認せずにおれるかと言い放つ銀座様に、皆、心底疲れ切った。
 これではハラスメントの域を超えており、尋常ではない。
「いや、それは勘弁してくれよ・・・」
「なんか、片桐さんってそそるんですよねえ。銀座様もそこら辺で火が付いたんじゃないっすか?」
「は?」
「どっか征服したくなるっつーか」
「なんじゃそりゃ」
「モトカノにも押し倒されて乗っかられことあるでしょ?」
「あー。確かに・・・」
 つい二週間ほど前の料亭事件を思い出す。

『結婚して、啓介』
 ・・・そもそもの始まりも似たような感じだった。

「昨日も俺が戻ったら、みんなで団子になってて、もう、むちゃくちゃでしたね~」
 柚木も止めに入り、その騒動の最中に春彦と村木が戻り、二人は目を丸くしていた。
 その時の春彦の凍り付いた顔は今も忘れられない。
 吉川の手をやっとの思いでむしり取りながら、正直、穴があったら入りたいと半泣きだった。
 そして、事故を装って銀座様の股間に膝蹴りを入れたのは、半分以上八つ当たりだったのは言うまでもない。
「男難の相があるのか、俺・・・」
「なんせ、隠蔽工作のことをころっと忘れて夢中になるくらいですからねえ。心底惚れてますね、アレ」
 膝蹴り一つお見舞いしたところで、決して諦めないだろうと暗に言っているようなものだ。
 逆にますます惚れたんじゃないかと柚木に笑われ、血の気が引いていく。
「いやいやいや、無理。それがマジだとしても、ムリ。俺はありったけのコネを駆使してアイツから逃げてみせるからな」
 もう、二度とお目にかかりたくない人間の一人である。
「ホントあんな危険物、どこかの山荘に隔離してくれるとありがたいですね」
 思い出して、更に疲れが両肩にかかってきたところで、ひょっこり石川が顔を出した。
「おい、帰って良いってよ。というか、とっとと帰ってくれってさ」
「なんですか、それ。用済みは出て行けって、たいがいですね」
 唇をとがらせる柚木に、石川が慌てて肩を叩く。
「こら、顧客先だっての。そいつら起こして帰るぞ。床に寝ても疲れがとれねえだろ」
「はいはい」
 灰皿に煙草を押し当てて、柚木はしぶしぶ立ち上がった。
「あ、片桐さんはもうちょいいてくれって。もうすぐ本社の書類を取りに行ったハルさんが戻ってくるんで、それを上で承認印を貰って欲しいとそっちの部長から伝言がきたから」
「・・・了解」
「そんじゃ、この二人は俺らが連れて行きましょうか?用無しですよね?」
 柚木が親指で肩越しに指した先には、器用に椅子を並べた上で熟睡している設計部の後輩二人がいた。
「たしかこいつら朝霧寮ですよね?俺も今そこなんで」
 柚木たちは社用車で出動していたため、二人くらい追加になっても大丈夫だと胸を叩いてくれた。
「石川さん良いですか?」
 上司を飛び越して勝手に安請け合いする柚木に苦笑しながら石川に尋ねると、彼も笑って手を振る。
「ああ。このまま放り出してもホームから落っこちそうで怖いしな。ユズと一緒に朝霧で落とすからいいよ」
「では、遠慮無く。今度、近いうちに打ち上げしましょう」
「もちろん。飲まずに済ませられるか、こんなヤマ」
 手際よく人と荷物をまとめ上げた柚木が石川に声をかけた。
「じゃ、行くわ。お先」
「はい、お疲れ様でした」

 あっという間に全員出て行ってしまい、ぽつりと片桐は取り残される。

「さて・・・」
 顎に手を当てると、ざらりと伸びたひげが指先を刺激する。
「とりあえず、髭と顔、なんとかするか・・・」
 上に行かねばならないからな、と誰が聞くわけでもない言い訳を呟きながら、片桐は部屋を出た。





 『ずっと、ずっと甘い口唇-42-』へつづく。







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