『ずっと、ずっと甘い口唇』-39-(『楽園』シリーズ) 

2012, 08. 13 (Mon) 22:36

 今日も迷走中でごめんなさい。
 次回でこれは解決するかな・・・。
 あくまでも予定で申し訳ありませんが。

 あまりにも慌てて投稿したせいで、誤字脱字がひどかったので、一応8/14早朝に訂正しています。
 ・・・鞘と矛を間違えるって、どんな国語力・・・。

 そして、いつもおなじ文面で恐縮ですが・・・。

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 (例えば、タイバニのメイン二人のツンデレ話とか、『恋の呪文』の池山×江口のいちゃいちゃとか、本間VS.第三秘書とか・・・。ええと、もっとシチュエーションとか具体的な方がいいのかしら・・・)
 思い切って、エロのみとか、どうだろう・・・。
 それとも、チューのみがお好みかしら・・・。

 
 締め切りは、8/16の昼の12時です。

 

 これを機に、どうぞぜひぜひご参加下さい。



 江口と池山の話が一着オーダーなので、まずこれから行きますが、他にもご要望がありましたら、是非。
 
 それと、動作確認をしていて気が付いたのですが、FCSの拍手機能は、かなりいい加減です(笑)。
 特に、携帯キャリアは時々カウントされていないようなので、もしもメッセージをせっかく投稿してくださったのに、反映されていない場合は教えて下さい。
 右の柱の簡易メールの方でも構いません。


 こうなったら、拍手機能を別のに変えるしかないのかしら・・・。

 とりあえず、時間がないので現行で行きますが・・・。

 ではでは、相変わらず銀座様がアレですが、通過地点と思っておつきあい下さい。




 

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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
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 『ずっと、ずっと甘い口唇-39-』




 給湯室をのぞき込むと、先ほどの事務員の女性が俯いて湯飲みを洗っていた。
 長い髪を無造作に下の方でまとめ、重そうな眼鏡をかけて背中を丸めているが、彼女がかなり若いことに初めて気が付いた。
「お仕事中すみません」
 横から春彦がおそるおそる声をかけると、声に驚いた女性は湯飲みを一つ、シンクに転がしてしまった。
「あ・・・。すみません。うちの片桐がこのお茶を使って頂けないかと言うので・・・」
 じっと眼鏡のレンズ越しに春彦を見つめてから、タオルで水分を拭き取った手を差し出した。その手に茶葉の包みを渡すと彼女の瞳が揺れる。
「・・・武夷岩茶なんて、味がわかる人いないのに・・・」
 俯いたままの小さな呟きをなんとか聞き取って、小さく笑った。
「僕たちも、全くわかりませんよ。カツサンドに合うかどうかは置いといて、これも話の種になりますから。ただ、お手間を取らせてばかりでは申し訳ないので、手伝います」
 隣に立ち、横から洗い終わった湯飲みと布巾を手にとって片付け始めると、今度こそかなり驚いた顔をした。
「・・・そんな。そんなことさせたら・・・」
「せっかく作りたてを持ち込んでますから、ぜひ一口食べてみて下さい。たまに仕事でこちらに出られた時の楽しみなんですよ、あのカツサンドは」
 ふと、手を止めて首をかしげる。
「あ、もしかして、肉はお嫌いですか?」
「いいえ・・・!それはないです」
 細い顎をふるふると小刻みに振る、少女のような華奢な女性がこれ以上怯えないよう、細心の注意を払う。
 タイミング良く、コンロにかけていたやかんから蒸気が上る。
「なら、いきましょう。ちょうどお湯も沸いたことだし」
 急須に手を伸ばしてほほえむと、こくりと、彼女は肯いた。


 部屋へ戻ると、そこは相変わらず吉川課長の独壇場だった。
 応接セットの上座に彼がどっかり腰を下ろし、それを囲む形でTENの関係者が座る。
 証券会社側の三人は自分の席に座ったまま、そこで一箱ずつ抱え込んで食べている。
 ふんぞり返ったまま言い散らすのを、片桐と柚木と石川が穏やかに受けている最中に、猫背眼鏡が帰還した。
「戻りました」
「おう。遅いぞ」
「ちょっと私用で出ていたんですが、カツサンドの方が早かったですねえ」
 彼らの大根芝居に柚木が喉を詰まらせ、目を白黒させている。
 隣の石川が同情たっぷりに背中をさすっている所に、中村と女子社員で茶を配り始めた。
「そういえば、先ほど片桐さんをお見かけしたのですが、どちらに電話されていたんですか?」
 腰巾着がきらりと曇り眼鏡を光らせた。
 その瞬間、吉川の神経質な顔が見事にゆがむ。
 ほらきた、と一同は心の中で深々とため息をついた。
「あー。見てたんですか。私用電話だから、さすがにここでかけるのはどうかと思って」
「私用電話?別にそのくらい気にしないで、堂々とかければいいじゃないか。それとも何か?聞かれて困る話なのか?」
 とことん、根性の曲がった男だとあきれ果てながら、用意していた言い訳を口にする。
「いや、実は彼女からで。上海で買ってこいと厳命されていた物があったのですが、その件で」
「ふうん、買い物ねえ。で、何を買わされたんだ?」
 嘘と決めてかかっているのか、彼は追及の手を緩めない。
「光り物です。あちらで買った方が安いですから」
 春彦の視線を感じて、内心焦りを感じながらも話題を転換できない。
「で、だからどこのブランドの何を買わされたんだ?参考のためにも聞きたいね」
 にやにやと嫌な笑いを浮かべて片桐の顔をのぞき込む男の顔に、拳を叩き込んだらどんなにせいせいするだろうと思う一方で、部屋の隅の事務机で件の女性と一緒に箱を開き始めた春彦が気になって仕方ない。
 まずい。
 このままでは、春彦に誤解を与えてしまう。
 彼に場を切り抜けるための嘘だと説明したくても、この状況で出来るはずもなく、作り話に現実味を帯びさせるためについこの間までの経験を切り売りするしかない。
「・・・ハリー・ウィストンの指輪です」
「何カラット?」
「俺の月給だと0.5カラットを後払いでせいぜいですね。・・・頼みますから、これ以上は勘弁して下さいよ」
 正直、この会話から早く解放されたかったが、相手はなかなか矛を収めてくれない。
「その多忙さで、本当にいるのか、そんな女」
 無造作に湯飲みに口をつける吉川に、柚木が慌てて割って入った。
「俺、会ったことありますよ、片桐さんの彼女。可愛くて物凄いナイスバディなんですよね。社内でみんな羨ましがっていましたよ」
「あ、俺も知ってます。手足細いのに超・巨乳でしたよね。・・・あれ?そういやヨリ戻したんですか?一月くらいに別れましたよね?」
 ここで、更に話に加わった春彦の同期の江藤が末席から片桐を奈落に突き落とす。
 現実味もへったくれもない。
「ははは・・・。ま、まあ丸く収まったというか」
「なんだ、本当にいるのか」
 吉川が複雑な表情を見せた。
「ええ、まあ。困った時には光り物ですかね?」
 半ばやけっぱちになって笑うと、彼は訳知り顔に繕って肯いた。
「そりゃそうだろう。女にはそれに見合った対価を払えば足も開く」
 そして、顎を上げて女性社員に向かって言い放った。
「もっとも、一銭も払う価値のない女もいるけどな。貧乳とブスは使い物にならんな。なあ、村木?お前、生きていて楽しいか?」
 村木。
 それが彼女の名前か。
 片桐たちはこの時に初めて知った。
 しかし、名指しされ、辱められた女子社員は一瞬にして青ざめたまま動かない。
 新たな爆弾投下だと、柚木は頭を抱える。
 一瞬にして静まりかえった室内で、片桐がのんびりした声を上げた。
「吉川課長は、食わず嫌いなんですねえ」
「はあっ?」
 銀座様の眉間のしわが深くなり、次に何を言い出すか、皆、固唾を呑む。
「人それぞれ、好みの問題じゃないですか。俺の知人のように間口が広すぎるのもどうかと思いますが、こだわり過ぎるとせっかくの出会いも逃してもったいないですよ?」
「なんだ、あんた俺に説教する気か?」
「いいえ、そんなとんでもありません。それに俺とか、脱いだらもう凄いですよ?」
「何が?」
「見かけだおしっぷりがたまらないと、よく、言われます」
 顎をそらし胸を張って答えると、TEN関係者一同吹き出した。
「あははは。確かに片桐さん、見かけ倒し度、ハンパないですよね~」
 柚木が膝を叩いて笑うと、石川はそんな彼の背中を小突きながらも目尻に涙を浮かべている。
 場を盛り上げてくれて有難うと感謝すべきだろうが、そこまで言われるとさすがにちょっと柚木が憎らしくなる。
 半分空元気とも言える笑いに満ちている中、そっと村木が俯いたままゆっくり立ち上がり、やがて部屋を出て行った。そして慌てて春彦が後を追う。
 それを横目に見た片桐と柚木は、一瞬目を交わした。
「と言うことは、アンタ、短小か?」
 大まじめな問いにげっそり肩を落とす。
 口を開けばますます下卑た方向に流れていくのにうんざりしながらも、腕時計を盗み見る。

 あともう少しで五時。
 終業時間になりさえすれば、この馬鹿馬鹿しい時間稼ぎの宴もお開きになる。

 試合終了のゴングが鳴るまであと少しだ。
 




 『ずっと、ずっと甘い口唇-40-』へつづく。







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