恋愛事情-7- 

2010, 10. 30 (Sat) 23:32

 今日も深夜ぎりぎりの時間になってしまいました。
 ちょっと今はどうにも、睡眠不足と体調周期が重なって低空飛行です。

 さて。
 『恋愛事情』は、ここでいったん、一区切りです。
 つ、続きがまだできていません。
 構想はあるんだけど、指と脳みそが間に合いません…。
 こんなところで切るんかい、なら前回のところでいいじゃんと突っ込まれそうですが、まあそういわずに(笑)。
 この話は、ええと・・・、コメディの方になるのかな、と思います。
 池山~保坂ラインはコメディ担当と言う事で。
 なんせ、幼稚園くらいからの幼馴染だとカラーが似ているというか。
 来週は江口と池山の小話でも行こうかなと思います。

 そのあと、『恋愛事情』か、『ずっと、ずっと甘い口唇』かのどちらかを連載したいと思っています。
 ここからは、どちらも仕上がっていないので今から頑張るという形になりますが。
 
 ええと、皆さんとしてはどちらの続きがいいのかしら…。
 どなたか希望を言ってくださると、子ザルは木を登りますですよ(笑)。

 ではでは、まずは、『恋愛事情-7-』のつづきをどうぞ。






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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『恋愛事情-7-』




「仕方ないか・・・。仕方ないよな・・・」

 結局、独りで帰せる状態でない有希子を自分の部屋へ連れて帰り、ソファに座らせてコーヒーを入れている間に、彼女はぐっすり眠ってしまった。
 仕方がないので、寝床使用にソファを作り替え、毛布を掛けてやる。
 その間、有希子が目覚めることはなかった。
 次に、池山はため息を吐きながら受話器を取り、ゆっくりゆっくり電話番号をプッシュする。
 深夜に近い時間なのだからこの際眠ってくれていると良いのにという願いも虚しく、数コールで電話口に低目の少し鼻に掛かった甘い声が電話口に出た。
「はい、保坂でございます」
「・・・夜分遅くに申し訳ありません。池山の和基ですが」
「あら、和基君なの?おひさしぶりねぇ。群馬のご両親はお元気かしら?」
「はあ、多分変わりないと思います」
 正月三が日以来、顔を合わせていないし連絡も取っていないが。
「和徳さんのところもまたお子さんがお生まれになって、今は可愛い盛りでしょうね」
「はい、多分」
 長兄の和徳とは昔から気が合わず、会ったら説教と血の雨が降るだけなので、これもまた慶事と法事など公式の場でしかあったことが無い。
「千鶴さんも、お仕事が順調のようだし・・・」
 ・・・姉の千鶴に至っては毎週末稽古事を一緒にしている我が娘と会っているのだから言うまでもない。
 だいたい、実家とはなるべく距離を置こうとしている和基よりも、娘同士が親友で家族ぐるみの付き合いだった有希子の母の方が、だんぜん池山家に関して情報は早いはずだ。
「・・・あの」
 そう早くも無いこの時間に彼女がだらだらと世間話を繰り広げようとしていることに今更気付いた池山は、なるべく控え目に口をはさむ。
「あら、なにかしら?」
 のんびりまったりした口調だが、油断は禁物である。
「お宅の娘さんなのですが・・・」
「それって、有希子のことかしら?有希子ならいないわよ?」
 一っ子の有希子以外に保坂家にはいったいどこに娘がいるということなのかとツッコミを入れたいところだが、一拍置いて断念する。
「はい。今、俺のマンションにいますから」
「あらまあ、そうなの」
「で、ですね。俺が飲ませすぎたみたいで、すっかり酔いつぶれてしまったんですよ」
「まあまあ、保坂の子とは思えない失態ね」
「もうぐっすりお休みなので、うちで預かろうかと思うんですけど・・・」
「・・・・」
 一瞬、電話回線に静寂が訪れた。
「あ、でも。でもですね?俺、もう少ししたら酒が抜けると思うので、少し遅くなると思いますが車でお送り致しましょうか?」
「いいえ、飲酒運転で捕まったら、群馬のご両親に申し訳ないわ」
 俺に申し訳なくはないのかと問いただしたいところをぐっとこらえる。
「では、明日の午前中には必ずお返ししますから・・・」

「いえ、なんなら一生そちらで預かってもらって結構なんだけど」

「は?」
「そうよ、この際、そうなさいな。2人ともいい年になったんだから、周りもとやかく言わないわ」
「ち、ちちちち、・・・ちょっと待ってください。俺達は決してそんな仲では・・・」
「そんな仲も、こんな仲も、それだけ仲が良いなら一緒に暮らしているうちになじんでいくわよ」
「いや、待ってください、俺の意志ってもんは・・・」
「そんな面倒なことをいちいち考えているから、いつまでたっても有希子はイガズ後家なんじゃない。ここらで観念なさいな」
「観念できませんって・・・」
「なによ、うちの娘のいったいどこが不満だと言うのよ!!」
「ふまんなんて、そんな恐ろしいこと俺が口にできると思うんですかっ!!」
「不満が無いなら、何がいけないって言うのよ!!はっきり言ってくれないと今すぐ婚姻届を出しに行くわよ!!」
 頭の隅で警鐘が鳴る。
 やる。
 この女ならばたとえ深夜の役所で守衛をたたき起こすという常識破りな行動を、気合一発で見事やりおおせるに違いない。
 恐ろしい想像が大車輪でくるくる池山の脳みそをめぐった為に、正常な判断は根こそぎ失っていた。
「・・・お、お宅の娘さんに不満は全くございませんし、大切に思っていますが」
 ましてや、未婚の彼に婚姻の手続きは届け出用紙のほかにも昼間に役所で手続きをして取り揃えねばならない書類があることなど解る筈もなく。
「なら、いいじゃない」
 打てば響くように答える目の前の敵をどう追い払えばいいのか見当もつかず、最悪の台詞を口走ってしまった。
「いや、だから、俺には有希子よりもっと大事な男がいるからダメなんです!」

「・・・おとこ?」

「あ・・・」
 しまった。
「・・・・そう」
 やってしまった。
「そういうことなら、有希子をもってしても無理よねぇ。仕方ないわね、許してあげるわ」
 鴨が葱をしょって、ついでに鍋に入って「食べて?」とお願いしているようなもんだ。
 もちろん、この絶好の機会を逃すはずもなく…。
「ねえ、和基くん。明日のお昼、空いてるかしら?空いているわよねぇ。有希子を預かれたくらいだから」
「は?」
「代官山にとてもすてきなレストランを見つけたの。その、『有希子よりもっと大事な男』くんとやらと一緒にお昼をしましょう。私は貴方のこちらでの保護者がわりだし」
「お、おばさん・・・・っ!!」
「美和子さん」
「は?」
「今、ここで、美和子さんと呼ぶか、お義母さまと呼ぶか、二つに一つよ。さもないと・・・」
「さもないと?」
「受話器を下ろしたら、指が勝手に群馬へ繋いでしまうかもね」
 鎌倉のマダムにはあり得ないこの脅迫のテクニックはいったいどこから・・・。
 聞いたところで無駄だと身に染みている池山は頭を垂れた。
「・・・わかりました。勘弁してください、美和子さん・・・」
「じゃあ、11時までには迎えに来てちょうだいね。朝一番で有希子を入れて4人と予約はきちんといれおくから。じゃあね。おやすみなさーい」
 さわやかに「おやすみなさーい」と言われて、膝の力も抜けた。
 へなへなと床に座り込む。
「・・・俺は、いったい誰を怨んだらいいんだ・・・」
 仕方がないので、今度は携帯電話の短縮ダイヤルを押した。



  「恋愛事情-8-」へ続く


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