恋愛事情-4- 

2010, 10. 27 (Wed) 15:55


 急に寒くなりました。
 パソコンを買い替えてからちょっと作業の場所が変わりまして…。
 家の中でおそらく一番風通しの良い場所に座ることになりました。
 暑いころはそれでよかったのですが、そろそろつらいかも…。
 パネルヒーターはそうとう電気を食うし…。
 湯たんぽを足元にセットするしかないかな。
 末端冷え症なので、湯たんぽの上に足を置いて、ひざ掛けをしていたらおそらく大丈夫。
 そもそも、日本海側といえど九州地方の冬は本州や北海道にくらべたら甘っちょろうもんですからね…。
 とはいえ、首都圏や関東地区より冬は寒いのですよ、福岡は。
 よく、関東地区の人たちが真冬に出張してきたときに「寒い!!」と怒っていたのを思い出します。
 次からは学習してそれなりの服装で来ますが、本州の方々の頭の中の福岡は沖縄や鹿児島と同列なので、初回はたいていしくじります(笑)。
  
 ところで。

 数年前に買ったはずの湯たんぽを探して狭い家の中をさまよっています。
 どこにやったかなあ・・・。

 今日も短いですが、拷問ワインレストランのつづきをどうぞ。





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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
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 『恋愛事情-4-』



「・・・なんだか、とっても聞きたくない」
 腰を浮かしかける池山のすねを尖ったパンプスの先で思いっきり蹴る。。
「ここにいるからには聞きなさいよ。和基、映画の『創世記』って見たことある?旧約聖書の映画版」
「ん?ああ、アダムとイブとか、ノアの箱船とか・・・」
「そう。あれでとある町に嵐が襲って来て、逃げ惑った人々の中でたまたま振り返った母親が潮柱になる場面、覚えていない?」
「・・・なんだそりゃ。海がぱっくり割れる話とかは覚えているけどな、そんな場面あったっけな?」
「ええ。絵画の題材にも良く出てくるけど、『ソドム』と『ゴモラ』という街があってね。すっかり人々の心が悪に染まっていたから神がその街も住人も滅ぼそうと考えるのだけど、当時の預言者であるアブラハムが『その中に善良な人もいる筈だから滅ぼさないでくれ』って頼むから、様子を見るために二人の天使を遣わせるの。そしてそこで唯一善良なロトという人が彼らに出会って『外は物騒だから自分の家にお入りください』と迎え入れるのよ」
「そどむ、ごもら、あぶらはむにろと・・・」
 酔いがそうとう回っているはずなのに、この女はどうしてこんな小難しい話が出来るのだろう。
 見知らぬ人名地名に池山の頭の容量はいっぱいいっぱいになってしまった。
 それなのに、そんな彼の呟きを黙殺して有希子は続ける。
「ところが、色と欲におぼれた街の人々が天使を味見させろと詰め寄るの。そこで彼が返した言葉も振るっているわ。『うちには男を知らない娘が二人いるから、この子達をあなたに与えます。なんなりと好きに扱っても構いませんが、客人に手を出すのだけは勘弁してください』というのよ。客人を大切にするのが中近東の伝統だとしても、かわりに血のつながった娘たちを輪姦しろとはどういう父親なのかしら」
「・・・ほんとに、聖書にそんな恐ろしい話が載っているのか?」
 姉と有希子は幼稚園からキリスト教系の学校に通ったが、池山は宗教と無関係な学校に通い、まったく聖書も讃美歌もかかわらずにいた。
 しかめつらしい教訓ばかりが載っているものと思っていただけに、少し興味がわいてくる。
「もちろん。でも、話の核心はここじゃないわ。激昂した街の人々が彼に襲い掛かるのを見た天使は街を滅ぼすことを決めて、ロトの家族だけを逃がすの。ロトとその妻と、処女の娘二人。彼女たちにはそれぞれ許婚がいたけれど、天使の慈悲を世迷言と笑ったために彼らは滅びたわ」
「そりゃ、いきなりこの街は神様が壊しますといわれてもな・・・」
「穢れの酷いソドムやゴモラは低地の街で、天使が滅ぼすのはその周辺だけ。高台は大丈夫という話で、天使は逃げる彼らに一つ忠告を与えたの。『逃げるときに振り返ってはならない』と。日本の古事記にも、ギリシャ神話にも同じ話があるわよね。振り返ったら全てはご破算っていうの。お約束通りに振り返って塩柱になったのはロトの妻だった」
「あーあ。好奇心に勝てなかったんだな・・・」
 そして、その好奇心で身を滅ぼそうとしている男がここにいる。
「親子三人で高台に向かって逃げて逃げて、とうとう未開の山奥の洞穴に住む事を決めたの。それで、仲良くひっそりと歳をとっていけば良かったのに・・・」
「・・・食い物の取り合いで殺し合いでも?」
「いいえ。子供を作っちゃうの」
「・・・は?」
 和基は耳を疑う。
「だって、血のつながった親子って、お前、言ったよな、さっき」
「ええ。婚約者も母もなくした姉妹はこれで血が絶えることを恐れて、協議の結果、父を毎晩泥酔させ、前後不覚になったところでその唯一の男であり父である人の体からそれぞれ子種を頂いたの。父親は娘たちの策略なんて全く気がつかないまま子供は生まれ、望み通りに子孫は脈々と続いた」
「男を知らないって、どういう意味なのかなぁ。その、巧妙なテクニックはいったい誰に教わったんだ・・・」
「伊達にソドムで生活していないということなのかしらね。それとも、これこそが女の本能なのかもしれないわ。未開の地で目の前に男がいるのは父親だけ。なら、この人の子供を残そうって」
「女の本能・・・」
 ここに来て、ようやく保坂の言わんとすることが飲み込めた。
 『一泊二日の旅行に賭けていた』と、彼女は言った。
「まさか、お前・・・」
「ええ。立石君をぐてんぐてんに酔わせて、頭からぱくりと戴く計画を立てていたのよ」
「ぎゃー・・・・」
 怖い。
 怖すぎる。




  「恋愛事情-5-」へ続く


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