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『ひかりのくに-2-』(YOI二次創作) 

2017, 11. 07 (Tue) 21:03

 今日は実家へ自転車飛ばして干し柿つくりを手伝いました。
 そして、母の友人宅まで柿の配達。
 するとそのご友人からお駄賃にチョコレート貰った。
 いや、身体を動かすことによって痩せることをもくろんだお使いだったんだけど、ありがたくいただきます、ありがとうございます!

 さて。
 間が空いてしまいましたが・・・。
 衝動で書きはじめたユーリの二次の続きです。
 終わるはずだった・・・と言うか、無理やり終わらせようかと思ったけれど、さすがにそれはアカンと思いとどまり、ここでいったん切ります。
 今回、オール・ロシア人コーチののろけ。
 ・・・。
 あああ。
 どうか逃げないで。
 めちゃくちゃのろけてますが、ここを乗り越えないとエンドマークにたどり着かないので!!
 皆さん、私の後ろからレッツゴー。

blogP_20170909_173443.jpg

 ところでヴィクトルが早朝にみつけた景色は、私が前にホテルの窓から見たものです。
 (こちらの浜辺の写真は夕方)
 秋の早朝の、引き潮の浜辺。
 とても不思議な世界でした。
 写真に撮ればよかったんだけどなー。
 海辺に泊まる機会がありましたら、ぜひトライして下さいね。
 ちなみに、上の写真を撮った頃よりもう少し後の逢魔が時に高校生くらいの男の子三人がめちゃくちゃはじけていて、めちゃくちゃ真剣に、ジャンケンをしていました。
 そして、最後は海へダイブしていた体育会系の男の子たちよ…。
 めちゃくちゃ楽しそうだなーと思う半面、ああ、男の子って、ほんとにばかだなーとも思いましたよ。
 男の子のお母さんって本当に大変だな(笑)。
 せっかく楽しい場面を拝見したので、ちょっとそれをネタにして味付けさせてもらいました。
 ごっつぁんです!

 明日は雨だし、配達物受け取りがあるので、明日こそは文章やります~。



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  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
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  『ひかりのくに-2-』


 障子越しのぼんやりとした明かりにふと目が覚めた。
 互いの吐息がまじりあうほどの距離に、ぐっすりと眠りこむ勇利の顔がある。
 眼鏡を外して、洗いざらしの髪もそのままで無防備に目を閉じた彼は、随分と幼く見えた。
「まつげ、ながい・・・」
 黒い睫毛の端に寝癖がついて少し曲がっているのを見つけて、胸の奥があたたかくなった。
 何度も近くで見て、解っているはずだけど、勇利はとても綺麗だと思う。
 時には透明な薄い氷のように繊細でたよりなく音を奏で、
 時にはしつかりと根を下ろす大樹のようにおおらかで頼もしく跳び、
 時には白い百合の花のように清らかで軽やかに舞い、
 時にはシンクの薔薇のように情熱的な瞳で心を鷲掴みにする。
 一瞬として同じ勇利は存在せず、まるで万華鏡をのぞき込んでいるようだ。
 くるくると表情は変わり色々なさまを見せてくれ、いつまでも魅力は尽きない。
 それはまるで、長谷津の海が見せる景色のように。
 ところが本人は常に自分を地味で平凡だと言うし、彼の周囲もそう評しているふしがある。
 なぜなんだろう。
 こんなにもまぶしく輝いているのに。
 僕には、勝生勇利の存在そのものが奇跡だと思う。
 いつまでも見つめていたいと思う半面、こうして近くにいると時々胸がざわめく。
 そして時々、どうしたらいいのかわからなくなる。
 しっかりと強く抱きしめてしまいたい自分と。
 ほんの髪の毛の一筋でも、触れてしまうのが怖い自分と。
 それを知られたくなくてわざと陽気に振る舞い、勇利と、周囲の目をごまかしている。

 白い光が、強さを増したような気がして起き上がる。

「う・・・ん」

 勇利が寝返りを打ち、仰向けになった。
 暑いのか掛け布団を勢いよくはねのけ、全身が露わになる。
 浴衣はすっかりはだけてしまい、薄明りの中、胸元から臍にかけてつるんと剥きたての玉子のような肌がゆっくりと呼吸に合わせて波打つ。
 帯もほどけて申し訳程度に腰に巻き付いて、ほとんど用をなしていない。
 昨夜はせっかくの宿泊だからと、勇利には料理を好きなだけ食べさせたし、飲酒も許可した。
 もともと酒が好きな方の勇利は、大喜びで地酒をレストランのスタッフに勧められるままに色々試していた。
 ただ、飲むのが好きでも呑まれるたちの彼は杯を重ねるごとに陽気になりあっという間に酔いつぶれてしまい、部屋に戻るなり布団の中に沈没してしまった。
 全身真っ赤に染めて隣室に響きそうなくらい大きな鼾をかいて眠るその緩み切った姿でさえ、物凄く可愛いと思ってしまった自分は、重症だとつくづく思う。

 重症?
 なにが?

 とりあえず布団をかけ直してやり、頭に浮かんだ言葉を振り切るように窓辺に向かって歩く。
 障子を少し開けてみると、外はうっすらと明るくなっていた。
 まだ太陽は顔を出していないのに、浜辺の波打ち際が輝いて見えた。
 ずっと続く、白銀の、光の帯。
 まるで砂そのものが生きていて、自ら光を放っているかのよう。
 夜明け前の、白みがかった空。
 ゆっくりと静かに打ち返す波。
 海と砂浜をこんなにじっくりと眺めたのは初めてだ。
 この一瞬を画像に残しておきたいと思ったけれど、鳥すら眠っていそうな静けさと荘厳な光景に身動きすることすらためらわれる。
 ただただ窓辺に座り込んで、呆けたように海と空と砂浜のなせる技を見つめ続けた。

「ヴィクトル?」

 背後から声をかけられ、勇利が起きたことにようやく気付いた。
「なんしよおん?」
 寝ぼけていると、勇利は時々お国言葉みたいなものが無意識のうちに出てくる。
 少し舌っ足らずな発音が幼げで可愛らしい。
「おいで」
 いざり寄ってきた彼の腕を引き寄せて、前に座らせる。
 くしゃくしゃに皺が寄った浴衣ごと背後から両腕で抱きしめて、肩の上に顎を載せ、囁いた。
「海が、綺麗だなって」
「・・・ああ、ほんとだ」
 薄い木綿ごしに温かな勇利の身体を感じる。
「きらきら、ひかってる・・・」
 頬を寄せてくっつけると、彼がふっと笑った。
「ヴィクトル、ひゃっこい」
「ひやっこい?」
「やけん、冷たかって~」
 冷たい、ということだろうか。
「なんだか冷めちゃったから、あっためて勇利」
 ふざけて両足も絡めるとひゃっこい、ひゃっこいと言って身体を縮めながらながら勇利は笑った。
「昨日もヴィクトルのせいでずぶ濡れになって・・・」
 文句を言う勇利を、両足で挟み込んで全力で閉じ込める。
「それ、俺だけのせい?」
 もごもごと反発する勇利のつむじに、音を立ててキスをしてやった。

 昨日は、浜辺でかなりはしゃぎ過ぎたという自覚はある。
 もう、経緯は覚えていない。
 靴を脱いで裸足で浜辺を走り、そのうちふざけて追いかけっこをしているうちに、出来心で勇利を海の中に引きずり込んでしまった。
 そして、濡れたついでにちょっと泳いだりもした。
 シャツにジーンズと軽装だったけれど着衣のまま海に入るというのも新鮮で、胸よりちょっと下くらいの深さのところで遊び続けた。
 ついつい二人とも熱中してしまい、偶然気付いたホテルのスタッフたちが心配してとんでくるまで日没も過ぎてしまったことに気がつかなかった。
 ぐっしょり濡れた姿で結構本気のお叱りを受けたが、その状況自体もちょっと面白くて笑ってしまい、勇利からも叱られた。
 最後には冷たい冷たいと悲鳴を上げながら、ホテルのプールに設けられたシャワーを浴びて潮と砂を落としたのも、なんだかわくわくして実はとても楽しかった。
 楽しくて楽しくて腹の底から力が沸きっぱなしで、何もかもが、キラキラ輝いている。

 誰かを驚かせようとか、
 楽しませようとか。
 なんて小さなことを考えていたのだろう。

 今、自分が驚きと楽しみの真ん中にいて、貪るように喰らい続けている。
 果てのない日々の中に、ああ、これがライフというものなのかと気がついた。
 勇利と長谷津のない頃、いったいどうやって時を過ごしてきたのかなんてもう思い出せない。
 家には愛犬のマッカチンがいて、リンクに行けばヤコフがいて、ユーリたちリンクメイトがいて、ファンは世界中にたくさんいて、恋もたくさんした。
 多少の怪我はあるけれど、試合に出れば必ず良い結果を出せた。
 何も不満はなかった。
 毎日楽しかったはずだ。
 だけど。
 心の中に小さな隙間が空いていたような気がする。
 それは、まるでジグソーパズルのピースのようなもの。
 どんな形が足りないか解っているのに、どこにあるかわからない。
 途方に暮れていた時、見えない力に引かれて見た世界。
 そこには、勇利がいた。
 ジャンプはことごとく失敗し、ロスした時間の分だけプログラムの構成が崩れていく。
 彼の心の中にあるのは、焦りと失望と悲しみ。
 なのに、ふとしたはずみに垣間見える愛。
 色々な物が一緒くたになったまま、勝生勇利は懸命にステップを刻んでいた。
 絵の具の色は混ぜれば混ぜるほど、暗い色に変わり、最後には淀んだヘドロのような黒になる。
 だけど、音に包まれて氷の上を滑る勇利はその指先ひとつで輝きを放つ。
 きらきら、きらきらと。
 ただただ無心に、
 尽きることなく、
 無限に広がっていく。
 彼はこぼれ落ちていく時を諦めることなく、スケートへの愛を語り自らの全てを捧げていた。
 これほど眩しいひとを、今まで見たことがない。




        -つづく-


 
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