『野分』-17-(刀剣乱舞二次創作) 

2017, 07. 10 (Mon) 23:26

 お待たせしました。
 刀剣乱舞二次の続きです。

 今頃になって『花丸』のアニメをようやく全部見たのですが、私、八話だけで生きていける・・・と思った。
 どんだけ、まんばちゃんが好きなんでしょうね。
 なんだかんだ言って、本丸博のチケットも予約してしまいました。
 ローチケ、初めて利用したけど当確通知を受け取って三日以内に支払いなんですね。これがかなり辛かった…。
 ただでさえ自宅周辺にローソンがないと言うのに、ちょうど豪雨と重なって泣きが入りましたよ。
 それでも頑張って支払いに行ったのは、やはり愛があるからで。
 はるばる足利市にも行きましたしね~。 

 今回も、湿原に咲く花を。
 「野分」のイメージです。

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 私の中の燭台切光忠は、紳士過ぎるようです。
 なかなか、羊の皮を脱いでくれなくて苦労しました…。
 次回は、暴走列車の予定。
 がんばれ、みっちゃん。
 私も、がんばります。



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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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  『野分』-17-


 ごうごうと空気が吠えている。
 あたりは真っ白な霧が立ち込めて数センチ先も見えない。
 身体はぼんやりと宙に浮いていて、まるで雲の中に横たわっているような感覚で、腹を貫いたはずの刀はすでに跡形もなく、触れてみても着物と皮膚には傷口の痕すら残っていない。
 山姥切がどこにいるか、首をめぐらせたところで見当たる筈もなく、気配も感じない。
 だけど頬をなぶる風の中に人の声がふいに現れ、いくつもいくつも耳元で囁いては通り過ぎていく。
『・・・本科に負けず劣らず・・・』
『美しい・・・』
『写しは所詮、・・・偽・・・』
『そなたは、その醜い姿をさらし続けるのだ。とこしえに・・・』
『・・・それでも、もののふの・・・』
『・・・無事で良かったと、言っては、・・・下さらぬのですね』
 男の声も、女の声もあった。
 若いものもあり、老いたものもあり、誰もかれもが、胸の内をさらけ出す。
『醜い・・・。ほんに醜いのう』
 憎しみを隠そうとしない、その声は。
『・・・すまない』
 そして、あわく、切ない囁き。
「山姥・・・」
 ぱあん、と破裂し、再び空間が四散する。

 すべては、そこにつきるのか。
 醜は悪で、
 美は善か。

 
 再び目にしたのは、手足を投げ出しうつ伏せに横たわる裸身だった。
「山姥切・・・」
 長い髪が四方に散って、藍色に変化した肌をわずかに隠す。
 痩せ衰えた身体はそのままで、獣めいた変化もそこかしこに残っている。
 だけど。
「ふ・・・」
 腕を持ち上げて自らの手の甲を見てみると、なるほど、己の肌の色も藍色に染まりきっている。
「と・・・、いうことは・・・」
 覚醒するにつれ、じわじわとこみあげてくるもの。
 それは、欲。
 目の前の、無防備な身体に対する残酷なまでの支配欲。

 欲しい。
 今すぐ、欲しい。
 欲しい・・・。
 柔らかな肌の最奥まで、己の物にしたい。
 深く深く、味わい尽くしたい。
 髪の一筋も、あまさず・・・。

 脳が、次第に侵されていく。
 今、自分の中にどれほどの正気が残っているのか。
 それを考えることすら、億劫だ。
「もう、猶予は…ないか」
 この期に及んでも、覚悟のできていない男を。
 笑うだろうか。
 憎むだろうか。
「山姥切・・・」
 息がかかるほどの距離まで膝でにじり寄り、伸ばした指先に触れたのは墨汁のように艶やかな黒髪。
「君を今から・・・」
 掬い上げて口づけると、骨の浮き出た肩がびくりと震えた。
 伏せていた腕の中からゆっくりと顔が覗く。
 水をはったようにきらめく、瑠璃の瞳。
 更に現れた藍色の唇が微かにふるえていた。
『しょくだいぎり』
 泣き出しそうな顔だと思った瞬間、必死でせき止めていたものがあふれだす。
 欲しい。
 「山姥切」
 余裕なんかない。
 乱暴にその身体を背後からかき抱く。
 ひゅっと、喉が鳴る音がした。
 だけど、それは腕の中に閉じ込めた男のものなのか、自分のものなのか、わからない。
 ただ、ただ。
 裸の背中に触れて、流れ落ちる髪の感触を腕に感じ、頬に彼の熱を受けたその時。
 何も考えられなくなった。
 ホシイ。
「俺を、君の中に入れてくれ」
 返事は待たない。
 目の前にある頼りなげな肩口に噛みついた。
『っ、あ――――っ』
 頭をそらして、彼が高い声で悲鳴を上げた。
 ぴりぴりと鼓膜を刺激する、高い音。
 全身にざわっと快感の嵐が通り抜ける。
 ふーっと、深く息をつき、余韻を味わった。
「・・・いいね」
 噛み跡のついたそこに舌を這わせると、びくびくと水揚げしたばかりの魚のように薄い背中がはねる。
『ア・・・ッ』
 こらえ切れず漏れた吐息は、まるで桃の果汁を飲まされた口に含んだ時のように、ねっとりと甘い。
「ほんとうに、きみは・・・」
 声ひとつで、こんなにも俺を狂わせる。





             -つづく-


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