『心の月。』-2-(『よる。』シリーズ) 

2017, 05. 18 (Thu) 23:41

 今、ちょっと農閑期で色々チャンスなのですが、時間ははがんがん過ぎて行っています…。
 とりあえず、冬物ちまちま洗っているんだけど、梅雨までに間に合うだろうか。
 明日こそはホットカーペットを洗剤で拭きあげて天日干しするんだ、ことだまさま・・・。
 ところで昨日、Twitterのアカウントが一瞬乗っ取られまして。
 気が付いたのが割とすぐだったので速攻で対処しましたが、アレはめっちゃ不快ですね…。
 おかげで、桁数がそこそこあっても数字オンリーのパスワードはあかんと学びましたが、腹が立つもんは腹が立つんだよ、やったヤツよ。
 軽く呪っといたから覚えてろよ。
 多分呪ったのは私だけじゃないだろうから、満期になるのを楽しみにしていやがれ。
 ・・・一日経っても、思い出すたびに腹が立ちます。
 で、怖い気持ちもあるので、昨日はパソコンの中のデータのバックアップして、今日はパスワードの管理をしました。
 いざまとめ始めると、どれほどたくさんの機関に登録しているか思い知ることになりましたが。
 ・・・多すぎるわ。
 どこもここも色々個人情報登録しているじゃんね。
 気が遠くなりましたわ。

 とりあえず、好きな色を頭に思い浮かべて心の鎮静化を図りました…。
 
 miniDSC_0691.jpg

 で。
 『心の月』の続きです。
 当初の計画から大幅にずれておりますが、まあ、まだカフェに座ったばかりですから…。
 二人のゆるゆるした話を楽しんでいただけたら幸いです。
 これの続き、なるべく早くあげたいです…。
 がんばる。



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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『心の月。』-2-


 駅の喧騒から離れて少し歩いたところにあるホテルへ入り、フロントと同じ階にあるカフェに落ち着くとハンバーガーを注文し、ボリュームのあるそれをお互いに思いっきりほおばった。
「うん、うまい」
「よかった。気に入ってもらえて」
 七月にはなっていたがまだ夏休みシーズンに入っておらず、平日の昼間だったせいか周囲は仕事の打ち合わせに使っている大人ばかりで、体格は成人男性並みでも制服で高校生とわかる将は少し目立っていた。
「それにしても、たっちゃんが英語に堪能って知らなかった」
 今回の上京の理由は、前日の日曜日に開催された英語論文の表彰式だった。
 そのまま帰宅することは可能だったが、将はあえて一泊することにした。
「いや、俺は大したことないよ。本当は吉央の方が凄い」
 答えつつも将は食べ続け、両手の中のバンズはあっという間に小さくなっていく。
「そうなの?知らなかった」
 正方形のテーブルの角を挟んで隣に座る奈津美も負けてはおらず、二人はぽつりぽつりと会話を交わしながらも、どちらかというと食べることに集中している。
 皿に盛られたポテトの山もどんどん減っていき、やがて綺麗になくなった。
「うん。最初に推薦の打診を受けたのは吉央だったんだけど、辞退したから俺になった」
「え?なんで」
 少しぽってりした唇を奈津美が無意識のうちに尖らせると、将はこれがキスしたくなる唇ってやつだなという考えが頭をよぎり、近すぎる距離にそっと目をそらした。
「バイトを休みたくないから嫌だって」
 昨年の夏に同居していた祖母が亡くなった途端、吉央の父親は仕事を理由にますます家に戻らなくなりやがて単身赴任。しまいには家計費を入れなくなった。
 そのため母の良子と姉の奈津美が貯金を切り崩して生活の足しにしているのを知っている。それから、吉央はアルバイトに精を出すようになった。
「でも、そういうのは内申書とかプラスになるんじゃないの?」
 さほど知名度の高いコンクールではないが、実績にはなる。
「うん、その通りなんだけど、成績で底上げするからいいって」
 実際、吉央の成績は常にトップクラスで、将もそれに追随するために密かに努力しているところだ。
「言うな~。言ってみたい、そんなセリフ。・・・でも、よっちゃんはそうするしかなかったのね」
「・・・うん」
 奈津美と吉央の家は昔から複雑で。
 10歳の夏に泥酔した父親から性的虐待をされかけた吉央は、忌まわしい記憶から離れるために次第に勉強に打ち込みはじめた。その成果は着実に表れ、高校は学費免除で入学できた。
「あの家庭環境で、夜中にバイクを盗んで校舎の窓ガラス叩き割って回らなかっただけでも、奇跡だと常々思っていたけど、よくよく考えたらそういうタイプじゃないのよね」
「うん」
 二人で一瞬高い天井を見つめ、すぐに顔を見合わせ笑った。
「想像つかないな、グレグレのよっちゃん」
「だね」
 切れ長の一重瞼に薄い白い肌、そして細い頤の吉央はいつも伏し目がちで、溌剌として華やかな奈津美に比べたら一見地味だが、すっと咲いている水仙のようにどこか凛としている。
 まっすぐに伸びた背中と細く伸びた手足。
 薄い唇の端にぽつりと落ちたほくろがどこか寂し気で目を引き、癖のない黒い髪はいつも襟足をきちんと刈り込んでていて、制服と靴はいつもきちんと整えられていた。
近隣の女子の間ではひそかに『若様』と名付けられ、更には『観賞用』と言う声もしっかり将の耳に届いている。
 今の吉央からは、悪さをするなんて想像がつかないだろう。 
「そういや、パン屋のさとみちゃんとのパフォーマンスは今年の文化祭はしないの?」
「あれはやるらしい。内容は去年とほぼ同じとは思うけど」
 幼馴染で同じ高校に通う折原さとみは幼い頃に本間の祖母の書道教室に通っていて、その流れで中学・高校と書道部に所属している。
 彼女は高校入学と同時に書道部へ吉央を引きずり込み、パフォーマンス書道で文化祭を盛り上げた。
「今年こそ見たいな。千字文もくもくと書いている吉央の周りで大筆振り回して走り回るさとみちゃん」
 さとみと自分と吉央。
 小学三年生の時に同じクラスになって以来、何かと一緒に行動することが多くなり、それは今も続いていて、さとみが見つけた筆耕の会社のアルバイトに吉央も加わり、仲良く働いている。
「うん。折原は豪快で変化に富んだ字を書くのが好きだから、バイトの時に規則正しい字を書くのが耐えられなくて時々荒れてるって吉央が言ってた」
「さとみちゃんらしいね」
 将が母の主催している空手道場に行っている間に吉央を独りにすることがなくて、さとみには感謝している。
 だが、二人の少し距離が近すぎる、と、思ってしまう自分もいる。
「あ、そうだ。デザート食べよう、たっちゃん。まだいけるよね?」
「もちろん」
 紅茶でいったん落ち着いたところで二人はデザートの追加注文をすることに決め、メニューをのぞき込んだ。




                 -つづく-


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