『心の月。』-1-(『よる。』シリーズ) 

2017, 05. 02 (Tue) 20:55

 今日は、最初にBGMを陰陽師にしてしまったのがいけなくて、頭がちょっと刀剣に持っていかれそうになりましたが、軌道修正してオリジナルの方をやります。
 いろいろ調べ物をしていて、てまどってしまいました・・・。
 これから隙をみては、ちょこっとずつ更新します。
 GW中は仕事が入っているのと、家人の目があるので、これくらいの短いのをちょこちょこアップするか、児童文学紹介の方にしてしまうか・・・って感じです。
 本腰入れらるのは9日くらいかな…。

 世の中では明日から東京で3日間お祭りのようで。
 いいなー、良いなーと、行けない寂しさから、ついつい薄い本をポチってしまいました。
 お金は天下の回り物ですしね…。
 つい、数日前にがんがん東京でお金を落としてきたくせに、あほだ・・・。

 ともかく。
 体調はようやく落ち着きました。
 これから、家のことも、文章のことも色々とりかかりたいと思います。

 ところで、今回の話は、大野将と本間奈津美の品川デートでお届けします。
 高校三年生と、真夏の品川で、おでえとですよ。
 いいな、奈津美。

 ではでは、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。



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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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 『心の月。』-1-


 雑踏の中でとても綺麗な、とてもとても珍しい生き物が、気配を消して静かに時を待っている。
 少しだけ俯いて伏し目がちな眦はすっと筆で書いたように切れ長で、まっすぐに伸びた背中と首筋は誰とも違う清廉な空気が漂っていた。
 歩き出すと同時に空手を教え込まれた彼は、大柄な両親の血を存分に受け継いで日本人離れした体格に育ち、すれ違う人々が時折ほれぼれとした視線を送っている。
 大野将。
 又従弟で、お隣さん。
 たとえもっと人の多いところで探したとしても、きっと見つけるのに苦労はしないだろう。
 彼は、幼い時からちょっと不思議な子だった。
「たっちゃん、お待たせ」
 囁いてそっと肩に触れると、彫像のようだった彼の身体に力が戻り、そしてなぜか、普通の高校生の顔になる。
「なっちゃん」
 この、打って変わった人懐っこい笑顔は反則だと思う。
「ふ・・・っ。くくっ」
「なっちゃん?」
 ちいさな、ちいさな、たっちゃん。
 負けず嫌いで、曲がったことが嫌いで、三つの時には眉間にしわが一本入っていた。
 でも、やっぱりたっちゃんはたっちゃんで。
 私の中の彼がそうであるように、彼の中の私はきっと、お隣のなっちゃんのままなのだ。
「ごめんごめん、たっちゃんが相変わらず可愛くて、嬉しくなっちゃった」
 こっちだよ、と、腕を引いて、そのまま手を重ねる。
 大きな大きな、頼もしい手のひら。
 骨ばった指を三本、ぎゅっと握った。
「そんなこと言うのは、なっちゃんだけだよ」
 平然とした顔のまま、奈津美の好きにさせてくれている。
 夏の学生服姿で、こんなにかっこいい男の子と手をつなぐなんて、友人たちが見たら大騒ぎだろう。
 役得。
 だけど、この子は大切な、かけがえのない人。
「そうなのかな。でも、ひばりさんも毎日思ってるんじゃないかな」
「そういや、時々、捕縛されてほおずりの刑に遭うな」
 ちらっと顔を見上げると、母親に抱きしめられて頬ずりされた時を思い出したのか、何とも言いようのない表情をしていた。
 恥ずかしいような、ちょっと嬉しいような。
「ほらね」
 大野家は、いつでも愛情に満ちていて、あったかい。
 だから、私たちは大好きだった。


                 -つづく-


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