『野分』-14-(刀剣乱舞二次創作) 

2016, 12. 25 (Sun) 00:41

 大変お待たせしまして、申しわけありません。

 久々の小説更新、そして、久々の刀剣二次でございます。
 前回が11月10日。
 それ以来、なんだかんだと小説更新していないのですね、私。
 その間、泣き言言うか、BL感想かくかしかやっていないわ、反省。
 しかも、12月に入ってから、まんまとユーリにはまっている・・・。
 サントラも買ってしまった。
 だけど、それを聞いたらもう刀剣は書けない気がしたので、ぎりぎりのところで踏みとどまっていますが、もう、萌え萌えです…。
 今、ついうっかりカップリングについて熱く語りそうになったので慌てて削除しました。

 今は、刀剣の方で。
 山姥切国広が公開とのことで、J庭上京一日目がちょうど初日にかかる…。
 これも何かの運命なんだろうと勝手に決めつけている私。
 本気で、3/4は羽田から足利に行くと思う。
 これだけ好き勝手にいじくりまわしたからには、頭を下げないと申し訳ないだろう。
 その前に、来年になったら新刊なんとかせんとな(遠い目)。

 さて。
 ようやく山場にさしかかりました。
 これからあれやこれやが始まりますが、どうか生温かく見守ってくださると…嬉しいです。
 私の中で、まんばちゃんはファム・ファタルで・・・。
 まんばちゃんの魔性っぷりをどこまで描けるかわかりませんが、どうぞこれからもよろしくお付き合いのほどを。

 とんだクリスマスプレゼントですが、う、受け取ってくださいね。


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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
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  『野分』-14-



 ちりちりと肌を焼くほどの熱風を心地よいとまで思えるのは、自分がこの状況を楽しんでいるのか、それとも。
「染まってきているのかな、僕も」
 燭台切の頬に、柔らかな笑みが浮かんだ。
 ひとあし、ひとあし。
 足を進めるごとに、異界と思えた空間が馴染んでいく。
 もはや呼吸もそう苦しくなく、取り巻く大気もその流れに身を任せると、それがとても自然な気がしてきた。
 そして。
 もうすでに尽きたはずの力を振り絞って後ずさりをしようともがく、山姥切の姿にも。
「山姥切」
 地に膝をつき、指先をそっと伸ばして、重たげに頭を、そして体全体を覆う黒い帳に触れた。
【・・・・ッ!サワルナ!】
 僅かな接触を敏感に感じ、払いのけようとした手をすかさず捕らえる。
【ハナセ・・・】
 すっかり薄く衰えてしまった手のひら。そして、骨ばかりの指。
 掬い上げた手の指と指を合わせ、強く握り込んだ燭台切を振り払う力など、山姥切にはとうになかったのだと実感した。
 ぜいぜいと息を荒げて必死で抵抗を試みているようだが、児戯に等しい。
 高く引き上げた腕の細さ、そしてうねうねと巻き付く黒い絹糸から覗く骨ばった肩が痛々しさを増す。
 青銅色に染まりきった肌は、これでは到底人とは思えないだろうと視覚に訴えている。
 それでも。
 合わせた手のひらに伝わる僅かな温もりと微かな脈拍が、その異様な皮膚の下に生きる者の命が宿っていることを教えてくれた。
「山姥切」
 指先と、声に力を込め、呼びかける。
【・・・ハナセ】
 ほんのわずかに覗く細い鼻梁、そして、薄い唇。
 こんな時だと言うのに、なんて整った造作だと見つめてしまう。
【ハナセ・・・、ニゲロ】
 がさついて、しわがれた声。
 でも、ガラスのように硬質で澄んだ音色を思い出す。
【ハナレロ】
「いやだね」
 答えると、なおも抵抗を試みる。
【ハナセ】
「いやだってば」
【・・・】
 もぞりと青銅色の身体と長い黒髪が揺れるのを見て、彼は身体を隠したがっていることに思い至って、おもわず笑みがこぼれた。
「ごめん。でも、今は手を離せないよ、山姥切」
【・・・ッ】
 馬鹿にしたつもりはないけれど、山姥切を怒らせてしまったかもしれない。
 触れている部分が少しずつ温まってきているのを感じる。
 それは、欲の矛先が、少しずつ自分に向かってきているのではないかと思うから、離すことは出来ない。
【ハナセ】
「いやだよ」
 何度も何度も同じ応酬を繰り返しながら、握り込んだ山姥切の手と自らのを見比べる。
 彼の手をどんなに強く握ってみても、その身体を駆け巡る呪術は決して燭台切の方へは移って行かない。まるで二人の間に結界を張っているかのように山姥切の身体から離れていこうとしないのだ。
 それは、術にかかった山姥切を青龍の滝まで運んだ小雲雀も同じ様子だった。
 しかし、石切丸と薬研は『伝染する』と言いきっていた。
 少なくとも、付喪神である自分たち、および審神者には。
 それが狙いでの刺客だったはずだ。
 でも、一向にうつる気配はなく、呪文は山姥切の肌の上を駆け巡り続けている。
「君って人は・・・」
 こんな時にも、よそへの術の侵食を制御しようとしているのか。
 全力で戦うその姿と、ストイックを通り越して頑固としか言いようのない自制心にはいつもながら感服する。
 だけど、それにも限度がある。
「この世界に、天と地があるようには見えないけれど・・・」
 ひとりごちると、今まで隠れて見えなかった瞳が黒髪の隙間から現れた。
 呪われて、正気を失う寸前のはずなのに、それでも端正な面差しに変わりはない。
 まるで、ブロンズ像に青い輝石をはめ込んだようで、これはこれで美しい。
「ラピスラズリみたいな瞳も似合うね、君」
【・・・ナニ】
 自分がろくでもないことを考えていることに、聡い山姥切が気付かぬはずはなく。
「うん。やっぱり、僕にはこれしか思いつかないんだ」
 握り込んていた彼の手の、傷だらけの指先に唇をつけた。
 唇に、ぴりりと、僅かな痺れが走る。
【マテ、マッテクレ、ショクダイギリ、ダメダ、・・・ミツ、タダ】
 まるで、泣いているかのような声。
「・・・そう。僕の名前だけを呼んで。これからずっと」
 その唇が紡いでいいのは、目の前にいる男の名だけだ。
【ダメ・・・】

 弱々しい制止を振り切り、素早く捕らえて、腕の中に囲い込んだ。
 つよく、強く両腕で抱きしめて。
 山姥切と、山姥切を貫く刀剣の、両方を。

【イヤダ、燭台切・・・!】

 痛みも、苦しみも。 
 分かち合わなければ、意味がない。

 そうだろう?石切丸。



             -つづく-
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