『秘密の花園』-月の草-6- 

2016, 10. 09 (Sun) 22:38

 こんばんは。
 本日、二度目の更新です。

 連休二日目、福岡は晴れました。
 洗濯物がサクッと乾いて気持ちいいです。
 ただし、ここ数日間の疲れが来て、合間合間に畳に伸びておりましたが・・・。

 さて。
 ここからちょっと真面目な話をします。
 私は、どんな文章も作り上げるのにとても時間がかかります。
 ちょろっとしたBL感想や絵本の紹介文にしても、気が付いたら軽く二時間超えることもしばしば。
 それで、今年の初めからトライしていた数千字程度のコラム書きなどの副業断念したんですけどね。
 割に合わないというより、時間が惜しかった。
 テーマに沿った内容をネット検索して、話に沿った無料画像を探し出して添付して、たかが1500字でもされど1500字で、準備に忙殺されることもしばしば。
 上手い人なら数時間で出来るであろうネットコラムを何日も悩んで提出しても、それはいつも満足のいくものではなくて。
 その間、創作の方はストップ。
 燃え尽きて、抜け殻もいい所でした。
 私はいつでもへっぽこで、無理が効かない性分です。
 なら、限りある時間と体力は書きたいものに回したいと思ったのだけど…。
 それが正しい事なのかはわかりません。
 本当はこの不況の中仕事があるだけでも御の字で、一銭でも稼ぐのが筋だろうと思いますが、今は、とにかく自分の書きたいことに専念したいと思います。
 
 で、これがそうなのです、と、差し出すのはたいへん恥ずかしいのですが。
 でも、書きたいことの一つです。

真神家相関図12

 第6話、イベント前日のホテルで残り一時間になってがーっと書き上げましたが、やはりちょっと説明不足なところなどを加筆修正しました。
 それでも、駆け抜けた感のある6話目です。
 間違いなく血のつながった二人の関係は、禁忌ではあるけれど。
 でも、禁忌ってなんだろうと。
 万葉集が編まれた古代の日本は、近親婚に対してほぼ縛りのない時代があったので、ついつい、考えてしまいます。
 とはいえ、同父母の兄妹は駄目、と言うことになっていたみたいですが。
 あ、話がそれてしまう。
 これからの二人の話と、それ以前の秘密も、洗いざらい、これからお見せしたいと思います。
 お付き合いいただければ、幸いです。





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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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  『秘密の花園』―月草― -6-




 やめろと、止める声が、遠くに聞こえる。
 いろいろな声とか言葉とか理性とか。
 そんなものなんか、もう、どうでもいい。
 とにかく、欲しくなってしまった。
「やろうよ、勝巳」
 驚愕で思考の固まっている勝巳の肩を掴んで押し倒し、無理やり唇を合わせた。
 柔らかくて、温かい。
「やめ・・・」
 口を開いた隙に、舌を突っ込んだ。
 優しい勝巳。
 どんなに抵抗しようとも払いのけることも、ましてや舌を噛み切るなんてできる筈がないことは、解かっていた。
 だから、存分に口内を味わう。
 そして、仰向けのままの勝巳の上で体をくねらせ、合わせた胸と胸、腰と腰、太ももと太ももを魚の交尾のように擦り付けた。
 シャツを下から引き抜いて、手の平をくぐらせると、弾力のある筋肉が指先を押し返す。
 手のひらが、指先が、固い腹にぴたりと吸い付くようだ。
「やめておけ。とりかえしがつかなくなるぞ」
 もう既に、身体の奥に火がついていることは、勝巳の固くなった下肢が教えてくれている。
 それなのに、冷静な声色に腹が立った。
「こんなになってるくせに、何をいまさら」
 馬乗りの状態で身を起こし、尻をゆすって熱い杭に刺激を加え、自分のシャツのボタンを一つずつ外して見せながら、笑い飛ばした。
「俺、今すごくやりたい。やらせて?勝巳」
 何て言い草だと、思った。
 でも、それ以外、何も考えられない。
「ねえ、やろうよ・・・」
 左手で自分の裸の胸を撫でまわし、右手でジーンズの前を寛げ、形を変えた分身を取り出し、自らの指先で頂をつまんでため息をついた。
 気持ちいい。
 勝巳の視線が、見てる。
 指先を、胸を、反りあがった性器を、あますことなく見ている。
 情欲に濡れた目で。
「やりたい」
 唇が、震える。
「・・・本当・・・に、知らないからな」
 勝巳の、声が、違う。
 なに、その声。
 甘い。
 そう思ったのは、本当に一瞬で。
 気が付いたら身体を抱え込まれ、天地が逆転した。
「あ・・・」
 鼻と鼻がぶつかる距離に勝巳の顔があって。
 息が、熱い。
 緑の目が、暗くて。
 まるで、渓谷の深い水底のような色をしていて。
 でも、強くて。
「・・・憲」
 唇が、唇を合わせられて肩に電流のものが走った。
 なに、これ。
 さっきと違う。
 唇が触れただけなのに、首筋から背中に汗がどっと噴き出す。
「ん・・・っ」
 熱い。
 唇だけじゃなくて、みんな熱い。
 両手で勝巳の頬を包み込み、舌と舌をすり合わせてすすりあい、奥の奥をむさぼりあった。
「けん・・・」
 はっはっはっと、全速力で走ってきた犬のような荒い吐息が聞こえて、それが勝巳と、自分のものだと気が付くのに随分時間がかかった。
「かつ・・・み」
 毛足の長いラグの上で、自分は汗だらけの裸をくねらせるばかりで、焦れていた。
 わからないけど、すごく気持ちいい。
 でも、もっと気持ちよくなりたい。
「脱いで・・・」
 懇願すると、身を起こした勝巳はむしりとるようにしてシャツを脱ぐ。
 現れた胸板はすでに汗でしっとりと濡れていて、とても、とてもおいしそうに見え、唾をのんだ。
 腰を上げてスラックスと下着を引き抜くと、勢いよく立ち上がったものとしっかりと筋肉の張りつめた下半身があらわになって、期待に、胸が熱くなった。
「はやく、ねえ・・・」
 自らの太ももに両手をかけて広げた。
 早く、早く。
 獣のような唸りを喉の奥で鳴らしながら、勝巳が憲二の下肢に顔を伏せる。
 軽く、内股に唇をはわせて熱い息を吹き込まれ、ちらりと舌先でなめられただけで、イきそうになった。
 それから先は、もう、わからない。
 頭のてっぺんからつま先まで、熱い息にさらされて、蕩かされた。
 でも、足りない。
 もっと、もっと。
「ねえ、まだ・・・?」
 焦れて、ねだって、背中をそらす。
 受け入れる穴は憲の指だけでは待てなくて、自分から突っ込んでほぐした。すっかり柔らかくなったそこは強い力を欲しがっている。
「ねえ・・・」
 両足のかかとを強靭そうな腰に巻き付けて、先を促す。
「・・・わかった。わかったから、けん・・・」
 根負けしたような呟きを落としたくせに、強い力で両膝を大きく開かされ、身体の真ん中に、勝巳がずぶずぶと、容赦なく入ってきた。
「あーっ・・・」
 悲鳴を上げたはずの自分の喉は、もう掠れていて、ほとんど機能していない。
 熱い、強い棒に貫かれて、気持ちいい気持ちいいと、身体中が啼いている。
「いい、いい、いい・・・っ」
 息と一緒にさえずり続けた。

 こんなの、知らない。
 こんな、気持ちいいなんて、知らなかった。

 がくがくと揺さぶられながら、背中に爪を立ててしがみ付きながら、泣きわめき続ける。

 知らない。
 かつみ。
 もっと。
 いや。
 やめないで。
 ・・・イくっ。

 何度絶頂を迎えても足りなくて、上になって、下になって、抱え上げられてドロドロになって、生きている、と、初めて思った。
 そして、身体の奥を貫かれて、これだと、思った。
 ずっと、ずっと、欲しかった。
 俺のもの。
 俺だけのもの。
 離したくなくて、両足で締め上げて、絶叫した。
「ここにいて」
 やっと、手に入れた。
 やっと・・・。
 嬉しさに、涙があとからあとから流れて、止まらなかった。

「かつみ」
 呼んだら、両手の指を深く、絡めてくれた。
 指先から、手のひらから甘いものがしみ込んでいく。

 物凄く、嬉しい。

 勝巳の、太くて爪の短い指先に、唇を寄せた。



「憲、いい加減起きないと遅刻するぞ」
 はっと、息をのんで目を開いた。
 ベッドのそばには、スーツ姿の勝巳。
「一応、朝ご飯はテーブルの上にセットしたけど、無理だったら冷蔵庫に入れて」
「え・・・?」
 いつもの、勝巳。
 いつもの、弟。
「勝巳・・・?」
 窓から差し込む朝日は、いつものように清らかな光を放っていて。
 自分は、いつもの寝巻を着て、ベッドの中にいた。
「悪いけど、先に行く。今日は外来があるから」
 心底、すまないという顔をしたけれど、それはいつもと変わらない。
「うん・・・」
「じゃあ」
 だけど。
 足早に去っていく勝巳の背中は、急に知らないものになっていて、まるで別人に見えた。
「ま・・・っ」
 行かないで、と言いかけて、口をつぐんだ。
 勝巳のいない部屋。
 ふいに光が消えて、寒々しく感じた。
「さむ・・・」
 つきりと、胸の奥が痛んだ。
 寝巻の前を開いてみると、ふろ上がりのようにさらりとした肌の上に赤くうっ血したあとが散らばっている。
 これは昨夜、勝巳が…。
「ちがう・・・」
 身体が、震えた。
「間違えた・・・」
 ようやく、わかった。

 自分は、間違えてしまった。
 こんなはずじゃなかった。
 
 手に入れたのではない。
 なにもかも、ぶち壊しにしてしまった。

「かつみ・・・」

 でも、離せない。
 でも、欲しい。

「どうしよう、かつみ・・・」

 どうしたら。

 白いシーツを握りしめて、途方に暮れた。
 勝巳を、勝巳のやさしさを自分は踏みにじってしまった。
 勢いに任せて、考えなしに。
「なんてことを・・・」
 目の奥が熱くなって。
 頬をどんどん涙が伝う。
 泣いてい良いはずないのに、涙が勝手に流れて止まらない。

「ごめん、かつみ」

 でも、欲しい。

 唇の中に、無花果の、甘い香りを思い出す。
 甘い、唇。
 忘れられない、あの、瞬間。

 ごめん。
 でも、欲しい。





                  -おわり。-
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