『野分』-11-(刀剣乱舞二次創作) 

2016, 09. 12 (Mon) 19:13

 気が付いたら、私の書いたものの中で長い部類に入りつつある、二次創作、『野分』。
 ぬるい感じで始めたのに、ドツボにはまっておりますな…。

 ちなみに、『刀剣乱舞』をご存じない方へ。
 DMMのサイトで『刀剣乱舞』というオンラインゲームがありまして。
 プレイヤーは審神者という立場になりまして、ほぼ実在した刀剣の素敵付喪神とあはは、きゃっきゃするゲームです…って、こんなざっくりな説明でいいのだろうか。
 とにかく、今私が書いているのはそのゲームの付喪神たちを勝手にイチャイチャさせて楽しむ腐萌え二次創作です。

 ええと、『刀剣乱舞』自体は漫画やミュージカルやラジオドラマもありまして、この秋からアニメも始まるかと。
 アニメは健全で明るく、でも、どうやらちょっとサービス画面も仕込んでいる模様。
 そりゃあね。
 色々な方面からユーザー引っ張らないとね(笑)。

 リアルのほうがいまだゴタゴタしていまして。
 その憂さ晴らし半分なのかなーと冷静に分析する自分がいます。
 己の誕生日も暇を見つけてはワード立ち上げて字を埋めていました。
 ぐだくだしてダラダラするよりましかな。
 体調はほぼ戻りました。
 足はたぶん、大丈夫。
 夏風邪って、マジで恐ろしいな!!
 結局それで終わった今年の夏。
 来年は気を付けよう。そうしよう。

 話を戻しまして、『野分』について。
 Pixivの方をまずあげてから、こちらを更新するのですが、やはり二次創作の強いPixivですね。
 オリジナルでは見られない反応があって、ちょっとびっくりしました。
 しょくんばのタグ、前半活躍しなかかったせいもあって燭台切ファンの方にはご不満かもしれませんが、みっちゃん、これからなのでどうか見守ってください…。
 まあ、そうなると、太郎さんがかなり不憫なんですけどね。
 とりあえず、まんばちゃん総受けということでお許し願えれば。

 ではでは、楽しんでいただけたら幸いです。





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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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  『野分』-11-



 ビョウ!!
 空間を切り裂いた瞬間、強い熱風が噴き出して燭台切の身体を押し返す。
「・・・っ!!」
 危うく吹き飛ばされそうになったが、とっさに刀を足元に突き刺して、なんとかとどまれた。
 ある程度、入れ知恵されていたとはいえ、石切丸たちもこの世界を目にしたわけではない。書庫の中にある遠い昔の口伝の聞き取りを読み開いて推測したらしい。
 青龍の珠、もしくは青龍の繭。
 これが発現するのはそうあることではなく、未知の世界への挑戦となる。
 だからこれからの行動に多少無様な姿をさらすことになったとしても、諦めない。
 そう、決めて足を今一歩前に進めた。
 荒れ狂う風の向こうから、ひび割れた声が呪詛のように聞こえた。
【クルナ・・・クルナクルナクルナ】
 ふと足元を見ると、赤い文字が走り回っている。
【コロス、キル、クウ、オマエヲクウ、キリサク・・・】
 それはちかちかと光りながら、散らばったり、集まったりを繰り返しながら色々な国の言葉に変化していく。
【サケロ、チラバレ、イネ・・・】
「なるほど・・・」
 これが、殺戮衝動の呪詛か。
 一瞬、片仮名に変わったのを読み取り、ようやく理解する。
 もくもくと湯気のようにたちこめる霧に邪魔されながらも、なんとか文字をたどった先に、青銅のような色をした塊を見つけた。
【コロス・・・、コロセ、ニゲロ、コロス、コロス、コロス・・・ッ】
 ごうごうと唸りをあげながら、塊が叫ぶ。
 それの中心には、黒く焦げた棒のようなものがまるで杭のように刺さってた。
【デテイケ・・・】
 ゾロリ、と、地を這う虫のように蠢く。
「く・・・っ」
 強風の力に押されて薄目程度にしか目を開けていられない。
【デテイケ・・・】
 しかし、細い、腕や足らしきものが一瞬見えたような気がした。
 四肢の角度から骨格を想像すると、だんだん姿が見えてくる。
 腹ばいで、頭を低く下げ、平伏したような体制をとり、顔が見えない。
 衣服らしいものは身につけていなかった。
 全裸で縮こまる、小さな身体。
 頭にかぶっていた白い被布は、外界で血にまみれているのを直前に発見した。
 ならば、頭から地に向かって広が真っ黒な覆いのようなものは、彼の頭から伸びた髪なのだろうか。
 痩せはてて、骨ばかりの背中、そしてまるで体の一部のように不自然に突き出た黒いものは、刀剣が半分に折れた剣先が背中から刺さったものだと気づき、喉の奥がかっと熱くなった。
 指らしきものが懸命に空間をひっかき、その指先から赤い文字が流れ出ては飛び散る。
 身体から生み出されては広がりつづける赤い文字と対照的に、青い呪文は全身にとどまり駆け巡り続けていた。
【クルナ…】
 ずずっと、塊が後退する。
『繭の中の時間の方が、おそらく外界より早い。我らにはたった数刻でも、山姥切は数日経っている可能性が高い』
 長い時間苛まれ続けた山姥切に、俊敏に動く力は残っていない。
 それでも。
 彼は、必死に後ずさりをしようとしているのだ。
 誰にも、見られたくはなかっただろう。
 死ぬつもりで刀剣を折り、滝つぼに身を投げた。
 なのに、生かされ続けている。
 青龍の慈悲は、残酷極まりないものだった。
 発狂してもおかしくない、この何もない世界で、山姥切は独り耐えてきたのだ。
 大きく、前へと一歩踏み出す。
【サレ、イケ、クルナ、コロス、コロス、コロスコロスコロスーッ!!】
 悲痛な叫びが、聞こえた。
 山姥切は、言葉を知らない。
 「来るな」とか、「ころす」くらいしか脅しの言葉が思いつかない。
 不器用で、無口で、偽ることができない男。
 そんな君だから。
「山姥切・・・」
 さらに一歩踏み出そうとして、ふと、右目の眼帯に手をやった。
 穢れに犯された山姥切が死の直前に保護できたのは、ここが青龍の結界だったからと言う単純な理由ではおさまらない。
 彼の知らない所で、事前に守りの術が施されてた。
 それを仕組んだのは、太郎太刀と石切丸、そして乱藤四郎。
 戦場へ出ると自分を顧みない山姥切の性質に危惧を抱いた三人が、彼の衣類の全てに魔除けをひそかに縫い込んだという。
 実際、こうしてなんとか山姥切は生きている。
 たとえ首の皮一枚程度だとしても、それらがなかったら、今頃どうなっていたかわからない。
 そして。
 この、眼帯にもまた。
『この眼帯は、君の生命線だよ。これを通して外界の僕たちに中の様子が送り込まれ、君に危険が及ぶと判断したら、引き戻せるだけの術がかけてある』
 例えば、我を忘れた山姥切に殺されそうだと察知したら、燭台切自身を繭の世界から遮断することができるという説明だった。
『だから安心していっておいでというわけにはさすがにいかないと思うけど。とにかく、君の命の保証は僕がする』
 石切丸の言葉に嘘はない。
 実際にこれから、殺戮衝動に負けた山姥切に食い殺されそうになった時、全力で助けようとしてくれるだろう。
 だけど、それは。
「フェアじゃないと思うんだよね」
 眼帯を強く握り込み、勢いよく引っ張った。
 ぶつっと、紐の千切れる音が、なぜか二人の間に大きく響く。
 更に大きな風が足元から吹き上がり、開いた手のひらから眼帯は吹き飛び、広くもあり狭くもある空間の中、やがて見えなくなった。
【・・・・っ】
 息をのむ気配を感じ前方を見ると、こんな最中つやつやと黒い幕の隙間から驚愕に目を開ききった顔が見えた。
【ナニヲ・・・】
 そもそも、普段から眼帯に微量の術がかけられていることは、誰もが知っていた。
 なぜなら、自分の右目は異質なものだったからだ。
 邪眼。
 前に仕えた審神者は、そう呼んだ。
 禍々しい目だと。
 こうなった今。
「さあ、どうなるかな・・・」
 自然と、笑みが広がる。




             -つづく-



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