『野分』-4-(刀剣乱舞二次創作) 

2016, 07. 22 (Fri) 18:50

 ひとは、せっぱつまっている時ほど、別のことがしたくなるものだ…。

 実感しております。
 性懲りなく、なぜこっちの更新しているかな、私。
 今ちょっと仕事が立て込んでいるにもかかわらず、頭の中に生まれた文章をちょこちょこ裏画面で入力しているうちに「あれ?これ四話目としてイケる?」と思った次第です…。

 いやいやいや、仕事に戻ります、仕事。

 刀鍛冶の場面の書き方にちょっと悩みもありますが、そのまま突っ走りますね。
 次話ではじじい降臨です。
 いや、この流れで三日月が来なかったら、もう、ギャグに舞い戻ってしまいますって。
 もう一振りがだれなのかは、ご想像にお任せして、次話は月曜日に。
 本当にちまちましているし、登場人物も多いですが・・・。
 お付き合いいただけると幸いです。

 ではでは、メロスは走り続けますよ…。

 皆様、良い週末を。




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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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  『野分』-4-



「遅かったね。待ちくたびれちゃった」
 扉を開くと、幼い少年の声が出迎える。
 鍛冶場にはすでに蛍丸と鳴狐が待機しており、鍛冶師と三人で茶を飲んでいた。
 あまり広くない鍛冶場に審神者、そして彼女を抱き上げている蜻蛉切、成り行きを見届けに来た石切丸が入り、一気に圧迫感が増す。
 そんな中、鳴狐の供で九官鳥のようにおしゃべり好きな金色の狐は、いつにない状況にさすがに何かを察したのか珍しくちんまりと肩にうずくまったまま動こうとしない。
「早速始めたいのだけど、いいかしら?」
「いいけど・・・。二兎追う者のはって、僕でも知ってるよ?」
「そこを攻略してこそ、覇者と言うものでしょ」
「はしゃ・なんだ、姫・・・」
「ええそうよ。じゃ、行きましょうか」
 蜻蛉切の腕から降り、炉に向けて手をかざしながら審神者は言い放った。
「まずは三日月宗近」
 三日月宗近。
 この本丸にまだ降臨したことのない、美しさでは比類のない名刀。
「・・・三日月宗近?」
 石切丸は思わず聞き返した。
「なに?文句ある?」
「ああ。なるほど・・・。しかも二兎とは・・・」
 実は三日月を降臨させるために今まで何度も資材をつぎ込んだが、良い結果は得られなかった。それにもかかわらず目の前の少女は、己は運が強いというのだ。
「お手並み、拝見といきますか」
「そうよ。黙って見てらっしゃい。そして、私の力の凄さに平伏することね」
 不敵な笑みを浮かべた後、蛍を振り返る。
「蛍。お願いよ」
「うん、わかった。正念場だしね」
 ふわりと蛍丸は微笑んだ。
「僕、山姥切の目の色、好きなんだ」
 両手を炉に向けてしっかりと立つ。
「ちょうちょみたいだよね」
 そう呟くと目を閉じ、集中し始めた。
「蝶・・・」
 同じ言葉を口にした大太刀は、今、一番遠いところにいる。
 石切丸は懐から守袋を取り出して握りしめ、炉の中で燃え盛る炎を見つめた。
 乱藤四郎から預かったこの御守には小さな玉が入っている。
 少し前に太郎太刀が霊験あらたかな山で入手した黄石を研磨し、幾重にも術を施したものだ。些細な欲も忍ばせてあるが、本来の目的は山姥切を守るための物。だがなんと山姥切本人が、玉を通して太郎太刀に害が及ぶことを懸念してか、負傷してすぐに手放してしまった。
 つまり、山姥切は独りで闇と戦うことを選んだのだ。
 このままでは、太郎太刀も立つ瀬がない。
「蜻蛉切」
「む?」
 傍で審神者を見守り続ける男の前に守袋を掲げた。。
「これ、君が身につけて」
 一瞬目を見開いたが、蜻蛉切は軽く頷いてそれを首にかける。
「これで良いか」
「うん」
 朴訥とした物言いの蜻蛉切は不器用な面もあるが、誰に対しても実直で心優しい。
 この局面で多くを問わずに従ってくれることは、大いに助かるし、力にもなる。
「そのまま後ろから主と蛍丸を抱きしめて、一緒に念じてくれるかな。そうでもしないとあのお方は来てくれないだろう」
 名刀の誉れ高いだけに、扱いの難しい太刀だ。
「たしかに」
 ふっと息を吐き出すように笑って、蜻蛉切は集中している二人の方へ手を伸ばす。
「ああ、鍛冶が成功したら、僕にそれ返してくれるかな。まだ使い道があるので」
「承知した」
 三人の身体が触れ合った瞬間、炉の炎の力が一層増した。
「来たれ、三日月宗近」
 審神者の、凛とした声が響く。
「我の招きに応じて、その姿を見せよ」
 き・・・んと、耳の痛くなるような高音とともに、強い光が鍛冶場を包み込んだ。
 





             -つづく-


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