『野分』-2-(刀剣乱舞二次創作) 

2016, 07. 16 (Sat) 00:18

 刀剣乱舞、『野分』-2-、お待たせしました。
 ちょっと設定を追加したら、立ち止まってしまいました…。
 ええとね。
 話もちょっと膨らんで、登場人物も約一名増えました…。
 ああああああ。
 回り道になるけれど、必要な気がするので書きます。
 出します。

 そんなわけで、当初の予定よりかなり長くなりそうな予感の『野分』ですが、気長にお付き合いいただけると幸いです。
 そもそもの予定外が、乱藤四郎との関わりですね。
 意外と友情を育んでいた二人にびっくりだよ(無責任…)。
 そして、一応、『光玉』の伏線回収したよ、太郎太刀と振り回されたご一行様。
 君たちの旅はけっして無駄じゃなかったんだよと励ましてあげたい(笑)。

 ではでは『刀剣乱舞』の更新、次回は火曜日・・・を予定しています。
 がんばります。


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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『野分』-2-



 とっさに飛び退くが、左側の太ももに痛みが走った。
「・・・っ」
 何かが、刺さった。
 でも今、それは些細なことだ。
 返す刀で根源を絶つ。
 ぐがっ・・・。
 不気味な音共に、相手の気が散じた。
 途端にカラカラと音を立てて目の前の身体が崩れ落ちていく。
「・・・傀儡だったのか…」
 片腕のない遺体は木で作られた人形だった。
 胸元に貼られた札で操られ、口には吹き矢が仕込まれていた。
 最初に首を刎ねなかった自分の失態だ。
 太ももに刺さったままの小さな吹き矢を見下ろす。
 これは、今抜くべきか。
 いや、おそらく抜いた瞬間に事態が悪化するよう仕組まれているはずだ。
 そして、じわじわと身体を支配しようとする力を傷口から感じる。
 すぐにネクタイをといて傷より少し上を強く縛った。
 たとえ血の巡りを遅くしたとしても、子供だましのようなものだとわかっている。
 これは毒。
 それも、些細な傷から大きな成果を得るための。
 受けてしまったからには仕方ない。
 これが、自分の命運なのだろう。
「・・・、山姥切・・・。だ、大丈夫?」
 おずおずと、背後から乱藤四郎が声をかけた。
「俺に、近づくな!!」
 いつになく激しい声に、乱の顔がこわばる。
 振り向いた山姥切の瞳に後悔の色が浮かんだ。
「・・・すまない。とにかく、今は俺に近づいたら駄目だ」
 更に後ずさって二人の間に距離を作った後、山姥切は乱暴なしぐさで襟元を開けた。首元に濃紺の組紐がかかっているのが乱の目にとまる。
「それ・・・」
「ああ」
 無造作に紐を引くと小さな守袋が現れ、それを首から外して乱に向かって投げた。
「これを、太郎太刀が戻ってきたら渡してくれ」
 乱は慌てて手を伸ばして受け取る。
 繊細な織と装飾を施しきちんと縫い合わされた柔らかな絹の袋の中に、小さな重みと力を感じる。
「山姥切、でもこれは・・・」
 握っている手の中が熱い。
「あの人を、これ以上巻き込むわけにはいかない」
「でも・・・っ」
「たぶん、その傀儡たちのどこかに予備の矢があるはずだ。薬研ならきっと解るはず」
 山姥切は唇に指をあてて、空に向かって大きく息を吹く。
 甲高い音が林の中を通り抜け、ほどなくして荒々しい蹄の音とともに馬が現れた。
 白い身体に黒い鬣の、足の速さでは本丸随一の名馬。
「小雲雀」
 鐙と鞍などが装備してあるのは、すでに事態を把握している誰かが支度してくれたに違いない。
「ありがたい・・・」
 なんとか左足を庇いながら馬に乗る。
「待って、待って、山姥切。どこに行くの?」
「こいつが乗せてくれる限りの遠くまで」
「それじゃあ僕にはわからない。どこに行くの」
 乱が追いすがると、少し間をおいてぽつりと答えた。
「神の加護を・・・乞うしかない」
 それだけ言いおくと手綱を引き、小雲雀に先を促す。
「皆に、済まなかったと、伝えてくれ」
 まるで、永遠の別れのような言葉。
「・・・いやっ!!そんなこと、絶対言わないから!!」
 思わず怒鳴った乱に、山姥切はふわりとほほ笑んだ。
「頼んだ」
「山姥切!!」
 乱の高い声が、虚しく木々の間を通り抜けていった。





             -つづく-


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