『野分』-1-(刀剣乱舞二次創作) 

2016, 07. 13 (Wed) 15:55

 お待たせしました。
 刀剣乱舞のシリアスシリーズ、開始です。
 ずっとコメディ続きだったので、なかなか調子が戻らないままですが、楽しんでいただけると幸いです。

 刀剣乱舞をご存じない方にはなんのことかわからない話かもしれませんが、しばらくお付き合いください。

 それと、ブログの改造で色々ちよっとごたごたしていますが、変な表示ができたときは生温かく見守り下さると…いや、見つけたら教えてください!!

 ではでは、続きは金曜日。
 たぶん、よんきびうには・・・。ええ。


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  現在は、『睦み月』で『シゲルとミケ』シリーズです。
  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
  楽しんで頂けたら幸いです。

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『野分』-1-




 暗い色を帯びた形の定まらない多くの雲が、空を駆け抜けていく。
 ごうごうと風は吹き、木々はざわめき、ちぎれた葉が乱れ飛ぶ。
 野分。
 すべてを壊せ。
 すべて、吹き飛ばしてしまえ。
 全き姿を思い出せないほどに。


 ざわりと頬をなぶった風に不快なものを感じ、空を見上げた。
「なあに?どうしたの、山姥切」
 すぐそばを歩いていた乱藤四郎が真似て顔を仰向かせる。
「雲の動きが・・・」
 ぽつりと呟くと、また、ざわざわと湿り気を帯びた空気が手足にまとわりついた。
「んー。曇ってきた?」
 少女と見紛う容姿の乱藤四郎の声色は優しさとあどけなさが同居して、どこか心地いい。軽い微笑一つで誰の懐にも自然と入ってしまうのだが、それは山姥切にしても同じことだ。
「先ほどと、何か、違うと思う・・・」
 ここのところの天気が良く過ごしやすくなってきたと、ほんの少し前に彼と語ったばかりだが、その時見上げた空の色と、どこか違うことに山姥切は何故か不安を覚えた。
 今、この場にいるのは自分たちのほかに数人の刀剣士たち、そして審神者。
 自分たちの過ごす領域より少し遠い城で、手合わせを行った帰りだ。
 先頭ではいつも通りに、大太刀の蜻蛉切がまだ幼さの抜けない審神者を大切そうに抱えて歩いている。
 すぐそばには太刀の燭台切光忠が付き従い、悠然としているが十分に周囲に目を光らせているのが解る。
 その後に続く、骨喰藤四郎、薬研藤四郎も交流試合の帰りだからと言って気を抜くたちではない。
 後詰の自分たちが見る限り、異常はない。
 だけど。
「なにか、変だ」
「え・・・っ」
 その不安の糸口がつかめない。
 唇をかみしめ、あたりに耳を澄ましたその時。
「山姥切―っ」
 審神者が振り向き、満面の笑みを浮かべ自分へ無邪気に手を振ってみせる。
 大手門までもうすぐ。
 帰還に気付いた門番が内鍵を外し、少しずつ開き始めていた。
 そんな時だからこそ…。
 ちり、と、首筋の後ろにわずかな殺気を感じた。
「・・・!!銃を南南東に向けて構えて!!」
「え?あ、うん!!」
 乱が銃に手を伸ばすのを待たずに、地面を蹴る。
 間に合うかわからない。
「蜻蛉切、審神者を降ろせ!!」
 矢が、自分の背後からまっすぐに、少女めがけて飛んでくるのを感じた。
 通り過ぎるその矢を抜いた刀でなんとか叩き落せたが、第二第三の矢は逃してしまう。とりあえず手近な矢を防ぎながら先に目をやると、刀剣たちが次々と飛んでくるそれらを同じく叩き切るか銃で撃ち落とすか応戦していた。
 門の方では蜻蛉切がすぐさま審神者を抱え込み、城内に駆け込んだのをなんとか確認できた。
「くそ・・・。なんだこれは・・・」
 審神者は安全な場所に逃れたのに、矢の雨はやまない。
 目的は、審神者を誅することではない?
 山姥切は目を凝らし、間者の居場所を突き止める。
「そこか!!」
「まて、山姥切!!」
 静止の声を聞いたが、駆けださずにいられない。
 奴らは、何者だ?
「乱、頼む!!」
「わかってる!!」
 乱藤四郎が援護射撃をしてくれる中、まっすぐに突っ込んだ。
 敵は、三人。
 今は、隠しようのない禍々しい気を放っている。
 これほどの邪念に満ちた空間に、なぜ気が付かなかった?
 ふと、更なる疑念が頭の隅に浮かんだが、まずは仕留めることが先決だった。
 今、まさに放とうとしている者の腕を打ち落とし、次につがえようとする者の息の根を止め、更に刀を構えてきた者を屠った。
 激しかった攻撃があっという間に止み、ふ、と、息をついたその瞬間。
「離れて、山姥切!!」
 乱の悲鳴が耳を打つ。








             -つづく-
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