『ときを、かぞえる。』-8- 

2016, 04. 02 (Sat) 01:24

 眠い日が続きます。
 いや、こんな場合じゃないんだ←毎度毎度懲りない私…。

 とりあえず、実家からやってきたグラジオラスの原種の花弁と匂いを愛でながら、やる気スイッチを探しています。

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 ちなみに、今年の冬は暖冬からがたんといきなり極寒へ変わったため、それについていけない植物が続出。
 結婚以来苦楽を共にしたアロエが真っ赤になり、どう見てもなんともならない状況に。
 さらに、同じく嫁入り道具の一つだったフリージアが数本しか花を咲かせず、残りは葉が枯れていき、水仙は一つも蕾を付けず…。通常通りだったのはムスカリくらいでしょうか。
 とにかくこんな事態は初めてで落ち込んでいたら、緑の指姉妹と私がひそかに名付けている母と山口在住の伯母もアロエと幸福の木を枯らし、フリージアに至っては一つも花をつけず…と言う話を聞いて胸をなでおろした次第。
 今年の九州北部から山口では、新春から三月にかけて花をつける草木や多肉植物に手を焼いたみたいで、それだけ寒かったのだなと思います。
 そんな中、今年はインフルにも風邪にもかかっていないのは、夫婦ともに公共の交通機関を使わずに通勤するようになったのと、毎日飲んでいたホット柑橘ハチミツのおかげなのかもしれません。
 あと、今の住まいが夜はとても静かだからかな。
 環境は、大事だなと思うこの頃です。

 前置きが長くなりましたが、プレシャスとレジーナの物語の続きをお届けします。
 ちなみに、池山のチュー事件とロッテンマイヤーさんの話は『エレベーター』に詳細が書かれていますので、併せてごらんくださいませ。
 ではでは、近いうちにまた続きを・・・。
 お届けしたいと思います。
 皆様よい週末を。



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  飲んだくれ猟師と化け猫の話。
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   『ときを、かぞえる。』-8-


「お陰様で、安心して暮らせてます」
 森本に向けて、本間は深々と頭を下げた。
「いやいや、なんのなんの。前カレと前カレの浮気相手はもううろついてない?」
「はい、今のところ」
「こっちもセキュリティーの精度上げてはいるけれど、予想を軽く上回る行動に出てくれるのがストーカーだからね。まだまだ気を付けてね」
「はい」
「ちょっと待ってください」
 あわてて英知は割って入る。
「ストーカーって、どういうことですか?」
「ああ、なっちゃんはね。今人生最大のモテ期でね」
「いや違います。大殺界です。ろくなのが寄ってこないんだから」
 ふるふると首を振る本間に、森本が慈愛の笑みを浮かべた。
「まあそうともいうか。とにかく、前カレと前カレの浮気相手のグラビアアイドルと、なんだっけな、接待合コン?そんでこの間は新婚のはずの元カレがよりを戻したいとか言い出して・・・」
 指折り数えながらふと、本間を振り返る。
「あ、篠原君も入れちゃうの?この場合」
「もちろんです」
「こんな時期に、あんなの大物食べちゃうからだよ~。うっかり屋さんだなあ」
「もー、その件につきましてはめちゃくちゃ反省してます。申し訳ないけど、どうかしてたんです」
 テーブルにちょこんと伏せた彼女の頭を、森本が楽しそうによしよしと撫でる。
「とにかくね、同時にいろんなのに追いかけられてるから、徹の3LDKに間借りすることになったんだよ。今は隣が空いたからそっちへ移ったけどね」
「ほんっと頼りになるんですよ、ここの皆さん。だからついつい甘えちゃう・・・」
 はあーっと、物憂げなため息をつき、英知を見上げた。
「そもそも私の場合は雑魚なので、たいしたことないです。でも、日高さんの方は警察沙汰にすべき案件ですよね」
「え?」
 いきなりずばりと切り込まれて、英知はたじろぐ。
「ああ、まあねえ・・・。そうなんだけど、できるだけ穏便に済ませたいっていうのもあるんだよなあ」
「この状況で?」
「うん」
「・・・まあ、森本さんがそうおっしゃるなら」
 少し不満げに唇を尖らせた後、英知と森本を見比べてしぶしぶ頷いた。
「あのね、英知くん。事後承諾で申し訳ないけど何かあったら困るから、こっちとあっちの住人には英知くんのこと周知させてもらったよ。オートロックって結構侵入されやすいからね」
「俺のことに関しては別にかまいませんが、ここにいることで皆さんに迷惑をかけることになりますよね。やっぱり・・・」
 レジーナの方には子供もいると聞いた。まさかとは思うが、今の彼女は何をするかわからない。
「日高さん、私の事情聞いたでしょう?似たようなトラブルを抱えている人って身近に結構いるもんなんですよ。誰にでもあることです」
 そして、ふと、本間は首をかしげた。
「そういえば、森本さんも結構トラブルメーカーですよね。ちょっと前に押しかけ女房的なロッテンマイヤーさんが・・・」
「ロッテンマイヤー・・・、ですか?」
「ビジュアルがロッテンマイヤーみたいな女性。ほら懐かしのアニメの・・・」
「ああ、なるほど。じゃなくて、押しかけ女房?」
「地域住民のみなさんが撃退したから、もういないよ・・・」
「地域住民、ねえ。間違いではないけれど」
 にやにや笑う本間の視線を避けて森本はそっぽを向いた。
「と、とにかくね。父方の親戚が飛ばした刺客が生活指導教員みたいな人で・・・」
「池山さんと江口君のチューに遭遇して大暴れしたのよね。確かアレ、エレベーターでしたっけ?」
「そう、エレベーター。だから、あの張り紙」
「ああ、それで・・・。共用スペースでは理性を保ちましょう・・・って」
 話が色々繋がって納得しかけたところで、見落としていた事実に気が付く。
「池山・・・って、池山和基?あの、花粉男と呼ばれた池山?それで江口君って・・・!う、げほっ・・・」
 驚きのあまり、英知はせきこみ、「かふん・・」と本間がソファーのクッションばしばしと拳で殴って笑い転げる。
「はいはいはい。ここでそろそろ、新入りさん歓迎恒例の相関図をご披露しましょうか」
 ぱんぱんと、森本が陽気に手を叩いた。
「なに?これって恒例行事なんですか?濃いすぎですよ~」
「さあ、英知くん。改めまして、プレシャスとレジーナへようこそ」
 まだ咳き込み続けている英知の背中を優しくなでながら、森本は耳元に囁く。
「今夜は、・・・寝かせないよ?」
 その声は甘く耳の奥まで潜り込み、一瞬にして英知の息の根を止めた。


       -つづく。-



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