『ときを、かぞえる。』-2- 

2015, 10. 26 (Mon) 08:50

 おはようございます。
 新生パソコンでお届けします、『ときを、かぞえる。』第二話でございます。
 金曜日には電源スイッチを押しても押してもなかなかWindowsが立ち上がらない状態になり、一度安定したらずーっと立ち上げっぱなしという心休まらない一日で。
 土曜日の午後からようようセッティングして・・・いや、家事を盾に夫に前の子を取り外し、新しい子をディスプレイにつなぐまでをしてもらいました。
 前回、仕事に出かけている間に内蔵ハードディスクをSSDにしてもらい、ネット環境も設定してもらったのですが、このままだと私がパソコン関連ずっと丸投げだと気が付いた彼は、なるべく手出ししないスタンスに軌道修正しやがった。・・・ち。
「ほら、自分でやって」
 パソコンの前で精神戦を繰り広げる私たち。
 セットアップは仕方ないので自分で始めることに。
 だけどさすがに設定作業の段階で新機材を破壊されてはかなわないと思う彼は、そばで監視役としてずっと張り付き、最後にはピアノの先生へと変化しましたね…。
 「なんで、そこでがーっとクリックするの。なんで一拍置かないの、落ち着いてキーを打ちなよ」
 小言の嵐…。
 ただでさえ勝手が違うwindows8.1の設定に翻弄されているだけに、イライラしつづける夫。
 夫婦仲も険悪になってきたところではたと気づきました。
「前にさあ、私が父にパソコンの操作を教えている時イライラとてしまってついついきつく言ってしまうって言ったら、やさしくしなきゃって、諭したよね?」
「そんなこともあったかな・・・」
 ありましたとも。
 時間との戦いでもある仕事の癖というか、私がイラちなだけかもしれませんが、ざっと見てすぐに欲しい情報がないと判断したらすぐに次の展開へ持ち込むほうなので、横で見ている彼としては空恐ろしいらしいのです。
 しょっちゅう悲鳴を上げていました。
 『頼むから落ち着いてくれ』とも言われました…。
 俺は悪くない。
 お互いの心の中でそう思う、一日でした。
 まあとりあえず。
 ネットはこうしてつながりましたし、外部に移動させていた情報も入れて、プリンターだけはつなぎましたので、ほぼ通常通りです。
 あとは、ペンタブ子をつないで、フォトショップ入れたりすることでしょうかね・・・。
 ビルダー、どうするかなー。
 相性はどうなんだろうか。
 とりあえず、まとめサイトの更新は保留で。
 問題といえばワードとエクセルの画面が、ネットでブログ書いているような雰囲気で、なんか落ち着かない。
 個人情報をがんがん吸い上げられているような気がして落ち着かないんだよなあ…。
 でもまあ、パソコンがいつ落ちるかの恐怖に駆られながら入力することはなくなったので、ストレスが少し減りました。
 そんなこんな近況です。

 ちなみに新しい子はF通社のデスクトップ。
 箱だけ買いました。
 モニターは引き続きエイゾーのでっかいモニターです。
 いらんものがいっぱい入っていて鬱陶しいですが、まあこれがスポンサーになっているからお値段が比較的お手頃なんだよなと。
 そもそも初自宅パソコンがF社だから、なじみは深く、セットでついていたキーボードもそんなに悪くないかなというのが一日触っての感想。
 Windows10がまだ海のものとも山のものとも知れないので、とにかく8.1モデルを探して買いました。
 windows7系を愛用していらっしゃる方でパソコンの状態が悪くなっておられるなら、いまならぎりぎり間に合います。
 ちょっとめんどくさいバージョンではありますが、7に近いルールで操作できるパソコンを入手できる最後のチャンスかと思いますので、買い換えるなら今です。
 最近思うけれど、パソコンって消耗品ですね…。
 数年おきにソフトの改変が来ますから。
 5年もてば御の字、と見て、安い価格で買い換えていく方向で行くしかないようです。

 前置きが長くなりましたが、森本温の第二話。
 まだ色気も何もない回でごめんなさい。
 次からは演歌な英知がにじり寄りますのでお楽しみに。

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   『ときを、かぞえる。』-2-


「そうかそうか、あの、赤っ恥事件から十七年かあ。忘れて欲しかったな、そこは」
 あははと開けっぴろげに笑われて、身体の力が抜けた。
「どっちが赤っ恥かしらねえ。やっぱり、アレ丸出しだった温のほう?」
 ちゃっかり森本の隣に座り、卓上に用意されていたティーセットでさっさと紅茶を煎れ始めた珠希の動きの自然さから、この部屋へ訪ねてくるのは初めてではないと推測する。
「珠希、ひどい・・・。襲われてたは俺だったのに・・・」
「えーっ?そうだっけ?」
「そうだよ、なんか時代劇の娘さんみたいに悪代官からひん剥かれてる最中に英知くん入ってくるわ、英作さんに殴られるわで散々だったじゃん…」
 上目遣いに姉を軽く睨むその瞳は黒く濡れていて、あの時と変わらず吸い込まれそうで目が離せない。
「で、英作さん、お元気?」
「とっくにあの世へ渡ったわよ。今頃毎日お祖母ちゃんに土下座でもしてるんじゃないの?」


 あの時。
 固まりきった自分たちの中に飛び込んで怒鳴ったのは、母方の祖父だった。
 隣町に住んでいて、自分たちが幼いころは祖母が未婚の叔母たちともに何かと面倒を見てくれていたが、珠希が高校入学して間もないころに突然他界した。
 思えば、珠希の怪獣化が始まったのはそのころからだ。
 部屋の中にはファッション雑誌と年上にしか見えない服と靴が山積みになり、どこで手に入れたのか高価な化粧品とアクセサリーが転がっている。
 女友達は多いままだが、彼氏はとっかえひっかえでよく別れ話をこじらせ喧嘩していたようでよく電話で揉めていた。
 私立の女子高生なんてそんなものだと思っていたけれど、祖父はかなり心配したらしく、時々顔を出しては珠希を捕まえ説教し、反発する彼女と口論に発展するのが常だった。
 その原因が明らかになったのも、あの時だ。
 祖父は二人を引きはがし、まず森本の頬を平手で打った。
 すると、珠希が叫んだ。
「あんたに温を殴る権利はないわ!」と。
 そして二階に駆け上がりすぐに戻ってくるなり祖父に投げつけたのは、古いノートの束だった。
 白檀の香りのするそれらを開いてみるとそれらは亡き祖母の日記で、着物の小物を収めた箪笥の奥深くに隠してあったのを珠希が見つけたらしい。
 そこには、家庭を任せっぱなしにして浮気と不倫を繰り返す祖父に対する恨みと、花嫁修業からそのまま専業主婦になったために自活できない中年女性の苦悩が赤裸々に綴られていた。
 娘を三人抱えて家を飛び出したところで、路頭に迷うだけなのは目に見えている。
 祖父はおそらくそこに付け込んでいたのだろう、思い余っての訴えもまったく相手にしないばかりか、ひどい言葉を祖母に浴びせたこともあったようだ。
 書くことによってなんとか均衡を保っていたのであろう祖母の日記は、時には日付のみ記され、叫びだけ叩き込まれている。
 「しねばいいにのに
  しんでくれたらいいのに
  きえてしまえばいいのに」
 その記述は、娘たちが無事に結婚し妊娠したころにふつりと途絶えた。
 多分、孫たちが生まれてその世話に追われるようになったからかもしれない。
 英知の記憶の中の祖母は、優しく、慈愛に満ちたほほえみしかない。
 キャリア志向の母はいつでもきびきび忙しく、子供の自分たちの動作の遅さにいらだちを感じてきつくあたることもあった。
 しかし祖母はいつでも我慢強く、ゆっくり待っていてくれる。
 なくてはならない人だった。
 なのにこんなにも長い間苦しみ続けていたなんて、想像だにしなかった。
 大企業を定年退職してなおかつ関連会社の取締役としての収入が今もなお潤沢にある祖父は、それなりに立派な家を建て、娘たちを一流大へ進学させ、はたから見ると成功した人間だった。
 しかしその裏では、妻を踏みつけにしてのうのうと暮らしている。
 そんな男が長生きして、時には賞賛されているのに、苦労し続けた祖母は病に倒れて亡くなった。
 世の中はなんて理不尽なんだろう。
 祖母の愛情に包まれて過ごした時間の長い姉にとってその思いはもっと深く、ましてや思春期まっただ中。
 ショックを受けて傷ついて、荒れに、荒れていたのだと、祖父と自分はようやく理解した。
「あんたが死ねばよかったのよ、おばあちゃんのかわりに!」
 ピンクのワンピースの膝を握りしめてぼろぼろ涙を流す珠希を、どうしたらよいのかわからず、祖父と自分は立ち尽くした。
「人を呪わば、穴二つ・・・って」
 いつのまにか台所に立ち急須を取り出していた森本の、ゆっくりした声がするりと入り込む。
「・・・おばあちゃんの遺言だったんだろ、珠希」
「ゆたか・・・」
「その日記、後悔してるって、ほんとは言いたかったんじゃないか?」
 祖母が倒れたとき、すべては手遅れだった。
 余命数日と宣告された翌日まではまだ意識がはっきりしており、家族に言葉を残す事だけはかろうじて出来た。
 日記を処分できなかったことが気がかかりではあるものの、それを口にするのはためらわれたのだろう。
「辛いことも悲しいことも、おばあちゃんのものだよ。珠希のじゃない」
 森本は、この家にまったく関係のない、赤の他人だ。
「おばあちゃんがあの世へ全部持っていった。…ってことにしようよ」
 だからこそ、珠希の心を解きほぐす術を持っていた。
「温・・・」
「ほら、このお茶を飲んで」
 普段、誰も淹れない緑茶をどこからか見つけ出し、瀬戸物の薄い来客用茶碗を四客並べて、温めてからゆっくり注ぐ。
 その所作はとても慣れていて、普段の森本の様子からは想像のつかないものだった。
 清々しい、茶の香りが鼻をくすぐる。
「これを飲んだら、おしまいにしよう」
 唇より少しだけ暖かいそのお茶はほんのりと甘く、とても、とても美味しかった。
 知りたい。
 もっと、もっと森本のことを知りたい。
 そんな気持ちが胸をざわめかせる。
「・・・すまなかった」
 祖父がぽつりと、謝意を森本へ向けた。
「いいえ。俺もちょっとこじらせているところがあって。これで目が覚めました」
 手の中の茶碗はあっという間に冷えて。
「英知くん、ごめんな」
 どうして、謝るのか。
 問いたいけれど、自分はまだ子供で。
 唇をかみしめるのが精いっぱいだった。
「ほんとに、ごめん」
 謝らないで。
 言えない言葉を、飲み干した。

 それを最後に、温が現われる事はなかった。
 ひと月経ったころに勇気を出して姉に尋ねると、別れたとだけ言われた。
 なぜ二人が別れたのか、そしていつの間に復縁していたのか解らない。
 とりあえずは、友人といった雰囲気ではあるが。




       -つづく。-


   どの日付のものでも構いませんので、それぞれの記事の下の『拍手』ボタンをクリックすると、おそらく『拍手御礼』というページが展開されるかと思います。
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  小話は、『拍手御礼』に1話のみ。
  今回は、『すいかずら-蛍の恋-』です。
  戦時中の、恋物語。
  楽しんで頂けたら幸いです。

 一応、これからも拍手用小話を月に一度書き換える予定です。
 随時オーダー受付中。

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